日本とオランダのクリエイターが挑戦!「LLOVE」展「ラブ」をテーマに"泊まれる展示"が代官山に


「愛を語り合うホテルなんて、何て素敵なんでしょう……」
日本の「ラブホテル」は実にコンセプチュアル……
すべてはこの無邪気な「解釈」から始まった。


 斬新なアムステルダムの「LLOYD HOTEL」

 「LLOVE」展をプロデュースしたのは、2004年にオランダのアムステルダムに「Lloyd Hotel & Cultural Embassy(文化大使館)」www.lloydhotel.com をオープンさせたアーテスティックディレクター、スザンヌ・オクセナーさん。オランダのクリエイターたちが客室をデザインしたこの斬新なホテルの成功で、彼女は2011年春に、さらに同じアムステルダムに「The Exchange」をオープンする。
 その彼女が日本を訪れて衝撃を受けたのが「ラブホテル」だった。彼女は今回のイベントに「Still in Llove(まだ愛してる)」と題して次のようなメッセージを寄せている。


 なぜ「ラブ」なのか

 「1984年、私は日本に1年間滞在しました。そのとき、私を魅了した存在が、日本のラブホテルのコンセプトでした。小さな日本家屋でのプライバシーの欠如を補うというその目的と、日本の都市文化の一要素としてのその存在に(セックスではなくラブという言葉で)。これをきっかけに、活動の中でも社会的、人的交流が大きな部分を占めている私は、いつか日本でラブホテルをつくりたいと願うようになりました。」彼女はさらに続ける。


 日蘭通商400周年に

 「昨年(2009年)、日蘭は通商400周年を迎えました。400年前、初めて日本に寄港したオランダ船は、その名も「リーフデ(愛)号」といいました。以来オランダと日本は、アートやデザインの分野においてさまざまな影響を与え合い成熟してきました。そんな今こそ、Llove Hotelをオープンする最適な時期です。日蘭のデザイナーによるLlove Hotelは、両国のデザイナーの交流を促進する場として、日蘭の永く良好な関係に新しい局面を与えてくれるでしょう。……」


 クリエイターを刺激する東京

 彼女のこのような情熱は、どこからもたらされたものなのだろうか。
 「東京は、想像以上に刺激的でした。伝統を守りつつも、同時にアムステルダムよりもずっと先進的。夢のような建築物、ナイトライフ、地下6階、地上60階の建物、ピンク色の公衆電話、超高速の新幹線、どれも私の想像を超えるものばかりでした。そして、もうひとつ。お城や宇宙船、大きなハート形をした不思議な建物たち。私の東京の記憶の中で、それらラブホテルたちはいつも特別な場所に建ち続けました。」


 面映いほど高い評価

 「日本の常識は世界の非常識」とか、日本人は「水と安全をタダだと思っている」などと揶揄されることはあっても、どちらかといえば隠しておきたいラブホテルを、これほどあからさまに、しかも無邪気に「日本の文化」として評価されるのを見たことがない。思わず「そうか、あれはそれほど立派なものだったのか」と感心しかねないほど。
 そんな彼女が自らホテルを計画するに当たって、ニホンのラブホテルを参考に、オランダのクリエイターたちを動員して客室をデザインさせたというのだから驚く。そして、それは見事にヨーロッパの古めかしいホテルの概念を覆し、大きな評判を呼ぶことになった。


 素晴らしく好意的な「解釈」

 「必要最低限のフロントと、その日の気分で自由に選べる部屋。それを私は、"愛の詰まったホテル"だと解釈したのです。」
 このような彼女の天真爛漫な「解釈」を「誤解」というのはたやすい。日本側のパートナーを務めた建築家の長坂 常(ながさか じょう)は、それをなかば意図的に「誤読」として受け入れ、あたたかく包み込みながら、実現に向けて力を尽くした。
 そうしてスタートした「LLOVE」展は、彼女の人柄を反映して、おおらかに実現されている。会場は東京・代官山にある奈良県所有の、今では使用されていない宿泊施設。こうした協力もおおらかだ。これを自在に改造して、日蘭のクリエイターたちが思う存分、腕を振るっている。
 今、うつむき加減のこの国で、このエネルギーは貴重だ。
(Text/水木 康太郎 Photographs/飯田 健太郎)

 

開催概要

タイトル: LLOVE(ラブ)
開催期間: 2010年10月22日(金)~11月23日(火、祝日)会期中無休
会場: 代官山iスタジオ
東京都渋谷区恵比寿西1-36-10
見学: 12:00~17:00 アポイントメント制 Tel. 03-3461-8813
見学料金: 入場無料
宿泊料金: ダブル  14,800円~
シングル  8,800円~


Event Credit

コンセプトディレクター: スザンヌ・オクセナー
アーキテクトディレクター: 長坂 常
共催: オランダ王国大使館、奈良県
監修: ロイド・ホテル(アムステルダム)
実行委員: 青野 尚子
フロリアンヌ・エッスハウス
嶋田 葉子
レナーテ・スヘーベン
福井 信行
ホテル・カフェ運営: トランジットジェネラルオフィス


ホテルフロント/Tel. 03-3461-8813
E-mail/info@llove.jp
URL/http://llove.jp

 

プレゼント

オープニングレセプションで招待者に用意された記念のノベルティグッズを3名様にプレゼントいたします。

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