広東名菜 「赤坂璃宮」 最高の素材を、最高の調理で……

広東名菜 「赤坂璃宮」 最高の素材を、最高の調理で……

家族や友人とにぎやかに食卓を囲む……。
これに勝る楽しみはない。
その料理が最高とくれば、
さらに楽しみは増すばかり。


 世界の三大料理

 どこのどなたがお決めになったのか定かではないが、「世界の三大料理」は「中国料理」「フランス料理」、それに「トルコ料理」だそうだ。「中国料理」や「フランス料理」が「大料理」というのに異存のある方は少ないと思われるが、一般になじみのない「トルコ料理」となると「はて?」とクビをかしげる向きもおられるのではなかろうか。「世界の三大料理」は「世界の七不思議」のように、世界の定説になっているのだろうか? 寡聞にして海外で「三大料理」については聞いたことがない。


 「赤坂璃宮」を率いる譚 彦涁氏

 ところで、その中国料理で高い評価を得ているのが譚 彦涁(たん ひこあき)氏。1990年代の半ば、テレビ東京系で放映されていたバラエティ番組「浅草橋ヤング洋品店(後のASAYAN)」で周 富徳氏らと「中華大戦争」を演じていたので、ご存知の方もあるに違いない。同じ横浜の中華街出身で、学生時代の同級生でもある周 富徳氏とは、京王プラザホテル「南園」の副料理長を引き継ぐなど、ごく親しい料理仲間である。しかし、寡黙で求道者のような雰囲気を持つ譚 彦涁氏に、騒がしいバラエティ番組は似合わない。現在はもっぱら広東名菜「赤坂璃宮」のオーナーシェフとして赤坂本店と銀座店の両店を率いている。


 本店を預かるのは子息の譚 澤明氏

 「赤坂璃宮」の赤坂本店は以前、プラザ・ミカドビルの地下1階にあったので、おなじみの方も多いだろう。その後、2008年3月に「赤坂5丁目再開発計画」によって新装なった「赤坂サカス」の赤坂Bizタワー アトリウム2・3階に移転した。調理場を任されているのは、譚総料理長の子息で料理長の譚 澤明(たん さわあき)氏。さぞかし父親に厳しく鍛えられたことだろう、と思いきや「いえ、私はもっぱらホテルで修行していましたので、父の元にはいなかったのです」ときっぱり。しっかり自立しているようだ。その芳醇にして軽やかな味わいの広東料理に女性ファンも多い。


 洗練された味わい

 譚 彦涁氏が陣取るのは「赤坂璃宮」銀座店。福沢諭吉が創設したわが国最古のビジネス社交クラブ「財団法人交詢社」のある交詢ビル(2004年に建て替え)の5階に入居、2005年10月にオープンした。「バーニーズ ニューヨーク銀座店」などが入るおしゃれなビルで、銀座のランドマーク的な存在である。「赤坂に比べると銀座はいくらか年齢層が高め。同じ中華でも、ここでは味付けをあっさりしています」という通り、洗練された味わいの広東料理が持ち味だ。


 千変万化の調理技術

 中国料理の醍醐味は、その内容の多彩なことだろう。北の北京料理、東の上海料理、西の四川料理、それに南の広東料理と、素材や気候など、その土地の風土に応じて発達してきた。中でも広東料理は「食在広州(食は広州にあり)」と言われるだけあって、食材も調理方法も群を抜いて変化に富む。豊富な調味料と合わせながら「炒める・揚げる・焼く・蒸す・煮る」と、その技は千変万化。しかも、味わいは日本人好みのマイルドなものだ。

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 新鮮な季節の素材を選ぶ

 譚総料理長の料理が「あっさり」していながら味わいがしっかりしているのは、それだけ素材が確かなせいだろう。「日本には新鮮な野菜や魚、上質な肉類が揃っています。繊細な日本料理に合わせて、素材の持ち味を生かす技術が発達してきたのでしょう。この素材を中国料理に生かさない手はありません」と、季節に合わせて日本各地から最上の食材を精力的に集めている。「本場の中国以上に素晴らしいものもありますよ」と頬をゆるめるように、得意の海鮮料理や焼き物料理は、この素材を選び抜く確かな審美眼から生まれてくる。


 医食同源をお皿に

 しかし「北京ダック」に使うアヒルなどは、わざわざカナダから取り寄せている。「良い素材があればどこへでも行きます。医食同源は広東料理のためにあるような言葉、その特徴を生かせるように、素材選びには人一倍、気を使っています」と譚総料理長。その素材を駆使して、調理場ではさまざまな種類の炒飯が勢いよく炎を上げていた。重さ2キロもある大鍋をあやすように揺らす手つきは、優雅で美しい。その鮮やかな手さばきから生まれる炒飯のさらりとした味わいは絶品だ。


 何度でも食べたくなる

 さて、この春のメニューから特に印象に残ったものをいくつか上げてみよう。

  • 干貝柱入りスープ餃子
  • 広東白菜と金華ハムのふかひれ蒸しスープ
  • 北京ダック
  • 蝦夷あわびの陳皮蒸し
  • 蟹肉入り炒飯

 こうしてメニューを記しているだけで食指が動く。何度でも食べたくなる。他にまだ食べたことのない季節の料理がどれほどあることか……。


 食はコミュニケーションツール

 日本には横浜、神戸、それに長崎の「三大中華街」がある。この地にルーツを持つ優れた料理人が全国に散って中国料理を広めてきた。譚総料理長もその一人。お陰でわが国の中国料理は、本場・中国にもない進化を遂げてきた。
 とはいえ、食事はやはり、家族や友人など、大勢の仲間と丸いテーブルを囲みながらわいわいやる中国式が楽しい。「食」はお互いのコミュニケーションを図るための優れた“ツール”とさえ言える。その“ツール”が上等なら、コミュニケーションはますます豊かなものになる。譚総料理長に感謝しなくては……。お店に行かれたら「Liberaで見ましたよ!」と譚総料理長に気軽に声をかけてほしい。いらっしゃれば、きっと席までご挨拶にお伺いするはずだ。
(Text/飯田 徹)


譚 彦涁(たん ひこあき)総料理長

譚 彦涁(たん ひこあき)総料理長 1943年横浜中華街の生まれ。「同級生のほとんどが料理人の子弟」という環境で育つ。新橋「中国飯店」を皮切りに、芝「留園」、仙台ホテル「梅花園」副料理長、京王プラザホテル「南園」副料理長、ホテルエドモント「廣州」料理長などを経て、1996年に「赤坂璃宮」のオーナーシェフに就任。現在、赤坂本店と銀座店を率いる。この夏は2011年7月15日(金)から8月31日(水)まで、八ヶ岳高原ロッジのヒュッテで、夏季限定の中国料理レストランをオープンする(予約:Tel.0267-98-2131)。八ヶ岳高原ロッジはこの4月22日に全面リニューアルオープンしたばかり。八ヶ岳高原音楽堂でサロンコンサートを楽しみ、新装なったホテルで高原の空気を吸い、譚総料理長の広東料理でゆったりと語らいを楽しむ至福の夏休みが過ごせそうだ。

 

問い合せ・予約

「赤坂璃宮」 赤坂本店 Tel. 03-5570-9323
  銀座店 Tel. 03-3569-2882
http://www.rikyu.jp/

 

プレゼント

プレゼント画像 「赤坂璃宮」譚 彦涁総料理長の著書「ベーシックな中国料理」(ヴィレッジブックス刊、1,800円、税別)を、ご本人のサイン入りで3名様にプレゼントいたします。
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