銀座が変わる?


「大人の街・銀座」が
相次ぐファストファッション店の進出で
若者たちの街に変わる?
と思ったら、どっこい、
「大人の銀座」はしっかり根を張っていた。


 銀座が

 最近の景気の低迷で、銀座から高級ブランドショップが徐々に姿を消しはじめている。しばらく足が遠のいていると「あれ、ここには確か……」といった光景があちこちで見られる。代りに続々と登場しているのがユニクロをはじめ、GAP、H&M、フォーエバー21、アバクロンビー&フィッチ、ZARAといったファストファッションの大型店舗である。銀座がいつの間にか"原宿化"してきているのである。


 銀座はやはり、銀座

 一方ではこうした動きに反発する動きもある。9月11日(土)に増床オープンした三越銀座店である。オープン初日には1日で18万人も押し掛けたというから「銀座はやはり、銀座」というべきだろう。銀座の集客力は群を抜いている。
 全面改装された店舗は通路が広々としていて見通しがよく、フロアによって性格ががらりと変わるメリハリの効いたデザインや、最上階のカフェテリアにつながる屋上のウッドデッキなどが新鮮だ。


 銀座ならではの高級感

 男性としては、やはり「男のフロア」が気になるところ。早速、高級ブランドが並んでいる6階の「インターナショナルコレクターズ」フロアと7階の「メンズビジネス&カジュアル」フロアに行ってみる。
 6階の「クレアティーヴォ」と名付けられたインポートのカジュアルウェア コーナーは「銀座スタイル」を前面に打ち出しているだけあって、上質なカジュアルアイテムがずらりと揃っている。同じフロアの時計やメガネ、バッグなどを揃えた「ラグジュアリー雑貨」のコーナーも高級感にあふれた構成になっていて、ついつい長居をしてしまう。


 見事な品揃え

 7階は、本館と連結しているせいか、広々と感じる。店内は"銀座を歩くビジネスマン"を想定したのか、トレンディーなビジネスウェアと、"大人っぽい男"のためのおしゃれなカジュアルウェアが豊富に用意されていて、目移りがする。
 スーツはオーダーメイドでつくりたいし、シャツやネクタイはオーソドックスなものがいい。しかし、シューズはちょっと遊び心のあるものがいいし、サイフやバッグは存在感が大事だ。ベルトやカフス、帽子にも凝ってみたい。何しろこのフロアにはシューズだけでも約45ブランドが勢揃いしているのだから、欲しいものが見つからないほうが不思議。ここになければ、日本では見つからないのではないかとさえ思えてくる。


 "編集力"による商品構成

 靴・鞄・革小物など、紳士担当のアシスタントバイヤーを務める渡部大基(わたなべ ひろき)氏によると「これまでのように商品を松竹梅の価格帯や年齢層で分けるといった"分類"の仕方を改めて、使用するシーンを想定した"編集"による商品構成を心がけています」という。そのため、数10万円の重厚なビジネスシューズと並んで、遊び心にあふれた5~6万円のデザインシューズなども置かれていて、ついわくわくさせられる。「予定調和を裏切るというか、常識にとらわれない品揃えというか、とにかくお客様の潜在ニーズを掘り起こせるような商品をご提案していきたい」という。そのためには国内だけでなく、海外の工場にまで足を伸ばし、自分で商品を探してくる。


 限定商品を開発

 そこで革小物の売り場に目を移すと「今、一番期待しているのがWILDSWANSさんの革小物なんです。とにかく"ものづくり"に関するこだわりがすごい。ほとんど一生を通じて使えるぐらい堅牢で、サイフや名刺入れに凝る人にはたまらないはずです。人気に応じてWILDSAWANSさんの売り場が徐々に広がってきています」と渡部氏。
 その期待に応えてWILDSWANSは、三越銀座店だけの限定商品を開発している。それは、外側をソフトなカーフで包み、内側を丈夫なサドルレザーで仕上げた「DIGNITY(気品)」という名のエレガントな革製品。「銀座に買い物にやってくるビジネスマンは、やはりおしゃれですからね。丈夫ですけど"薄造り"にしてあります」とWILDSWANSの鴻野正好社長。銀座という土地柄に合わせた仕様を心がけているのである。


 大人の街、銀座の魅力

 銀座は、歌舞伎座に通うのに必ず通る。現在は新橋演舞場に舞台を移しているが、それでも歌舞伎の行き帰りには必ず銀座を通ることにしている。とりたててひいきにしているお店があるわけではないが、それでも、気になるお店にはつい寄ってみたくなるし、新しいお店には入ってみたくなる。それで"ついで買い"をしたり"衝動買い"をしたりしながら、満足したり反省したりしている。その伸びやかで開放的な、いかにもお金を使いたくなるような雰囲気は「大人の街・銀座」ならではのもので、ほどほどの贅沢がよく似合う。三越銀座店は、そんな銀座の上質な魅力を見事に体現している。
(Text/村上 雅敏、Photographs/飯田 健太郎)

 

お問い合わせ

三越銀座店

営業時間:10:00~20:00 11階・12階のレストラン:11:00~23:00
1階・2階のカフェ、9階 銀座テラス(一部施設を除く):10:00~23:00
電話 03-3562-1111(大代表)
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