江戸の城下町・日本橋は、商業と金融の中心地。
日本橋三井タワーの最上部に位置する
「マンダリン オリエンタル 東京」は
さながら現代の“天守閣”だ。
香港を代表するホテルの一つ「マンダリン オリエンタル 香港」は、1963年に英国系の複合企業ジャーディン・マセソン社の本社跡地に建てられた。当時は単に「マンダリン ホテル」と呼ばれていたが、1964年の東京オリンピックを契機に海外旅行熱が盛んになったわが国で「マンダリン ホテル」と言えば「ザ・ペニンシュラ」とともに、香港における最高級ホテルの双璧だった。ジャーディン・マセソン社が現在に至るマンダリン オリエンタル ホテル グループ経営の端緒を開いたホテルだったのである。
一方の「ザ・オリエンタル」は1876年、バンコクのチャオプラヤ川のほとりに、デンマーク人の船乗りによって開設された。建てられた当初は2階建てで、わずか12室だったという。それがジョセフ・コンラッドやサマセット・モームといった著名作家に愛され、世界でも指折りのホテルに成長した。ジャーディン・マセソン傘下に入ったのは1974年だが、ホテルの名称が現在の「マンダリン オリエンタル バンコク」に変わったのは2008年9月から。それだけ「ザ・オリエンタル」のブランドイメージは世界に浸透していたのである。
それまでアジアを中心にゆっくりチェーン展開してきたマンダリン オリエンタル ホテル グループが、米国やヨーロッパ、中東にまで急速に規模を拡大するようになったのは、このわずか10数年のこと。現在では開業予定を含めて、世界26カ国に41のホテル、約10,000室を所有、あるいは運営するまでになっている。さらに最近は、高級ホテルの運営ノウハウを生かした居住施設「レジデンス・アット・マンダリン・オリエンタル」も手掛けており、世界12カ所に広がっている。
マンダリン オリエンタルが日本に上陸したのは2005年12月のこと。日本橋三井タワーの30階から最上階の38階までの9フロアを主に専有し、1階にエントランス、2階にアトリウムレストラン、3階に宴会場、38階にフロントロビー、37階にバー、レストラン、スパ、36階から30階までが178室(うちスイート21室)のゲストルームというユニークな構成。日本の伝統と文化を色濃く反映したホテルづくりは、その洗練されたサービスと相まって、世界の金融マンを読者に持つ「インスティテューショナル・インベスター」誌で2010年「世界のベストホテル」の1位に選ばれている。「日本一」を目指したホテルは、早くも「世界一」の座を不動のものにしようとしている。
1階のエントランスから高速エレベーターで38階に上がり、フロントロビーに一歩足を踏み入れた瞬間、誰もが「アッ」と息をのむに違いない。レセプションカウンター越しに「東京スカイツリー®」の雄姿を目の当たりにするからである。東京の東側一帯を一望するこの素晴らしい眺めは、まさに「お江戸日本橋」から眺める“天守閣”からの眺望といった風情。「そこまで計算に入れていたわけではありませんが、東京スカイツリーの眺めは大きな宝になっています」と早川千恵コミュニケーション部長。「これもマンダリン オリエンタル ホテル グループの企業理念、センス・オブ・プレイス(Sense of Place)によるところが大きいと思います」と付け加えた。
「センス・オブ・プレイス」というのは、簡単に言えば「土地柄」ということになろうか。いわばその土地に根差した歴史や文化、伝統、感性、品格などの総体をホテルづくりに生かし、その土地に根を張って、地域社会と一緒に生きていこうという決意である。そのためデザインコンセプトは「日本橋」がキーワードになっている。自然=四季、森=木、川=水、老舗=呉服など、「日本橋」を読み解くカギとなる言葉を紡ぎながら、日本橋三井タワー全体を1本の木に見立て、そこにさまざまな意匠を凝らした仕掛けが施してある。
客室は森の中でくつろぐイメージでデザインされている。インテリアには、樹木をモチーフに須藤玲子氏によるオリジナルデザインのファブリックを使用、重厚な中にも落ち着いた室内空間を作り上げている。バスルームはシャワーブースとバスタブが別々に配置され、アメニティはイギリスの老舗「アロマセラピーアソシエイツ」を使用。2種類のバスソルトに3種類のシャワー、たっぷりしたバスローブが用意され、バスタイムは完璧。色違いの浴衣もセットされており、持ち帰りができるオリジナル扇子は江戸の逸品、日本橋「伊場仙(いばせん)」製。扇子はマンダリン オリエンタルのシンボルになっており、1階のエレベーターホールにはマンダリン オリエンタル 東京の立派な扇子が額装されている。
客室のサービスは至れり尽くせりだ。45インチ以上の液晶フルスペックハイビジョンテレビには2.1chバーチャルサラウンドサウンドシステムを完備。手持ちのiPodやMP3を接続でき、DVDやCDを再生できるだけでなく、テレビ画面で、留守中に受け取った伝言やファックス、ホテルの明細書を見ることができる。2回線の電話はワンタッチでガイド機能も備えている。
いちいちドアを開けずにランドリーやシューシャインのサービスが受けられる「パススルークローゼット」、ミニバーにはKrugのシャンパンが冷えている。イタリア製のシーツはスレッドカウント450のシルクのような手触りのエジプト綿で、枕は何と9種類から選べる。眺望を楽しむための双眼鏡まであり、その手際のよさに感動する。
ルームサービスは24時間対応で、178室の客室に対して料飲施設は10カ所(レストラン6、ラウンジ1、バー1、ティーコーナー1、グルメショップ1)もある。そのうち何と3カ所はミシュランの星付き。1つのホテルにミシュランの星付きレストランが3カ所もあるのは、世界でこのホテルだけだろう。ホテル全体の内装はシンガポールに本拠を置くLTWのデザインだが、37階のレストランフロアーと鮨店は乃村工藝社、A.N.D.の小坂 竜氏のデザイン。「ドラマチック、セクシー、スタイリッシュ、クール」がテーマだが、モダンななかに「和」の伝統をさりげなく織り込んでおり、知的でエレガントな空間に仕上げられている。
光を通すグラスファイバーで仕切ったモダンなフレンチレストラン「シグネチャー」、アジアのお茶を味わえるティーコーナーを備えた広東料理の「センス」、一口サイズのメニューが供される8席だけの斬新なレストラン「タパス モラキュラーバー」、そしてチーフバーテンダー栗原幸代氏が率いる女性バーテンダーだけの「マンダリンバー」など、おしゃれで粋な大人の空間がちりばめられている。さらに、これも小坂 竜氏のデザインで、この4月15日には38階に「鮨 そら」がオープンした。漆黒の空間に尾州檜のカウンターが浮かび上がる様子は、まさに鮨職人にとっての“檜舞台”。窓越しの風景が、これまた絶景である。
ここでぜひ特筆しておきたいのがマンダリン オリエンタル 東京のスパ。「マンダリン オリエンタル バンコク」のスパ施設は、専用の船でチャオプラヤ川を渡ったところにある。その洗練された設備と極上のスパ・トリートメントは、世界でも最高水準の折り紙付き。その流れを汲む「ザ・スパ・アット・マンダリン・オリエンタル・東京」は、もちろんホテルの直営。9つのプライベートルーム(うち5つはスパスイート)で受けられるトリートメントは約30種類。ガラス張りのフィットネスセンターでは、プライベートレッスンも受けられる。まさに東京の空に浮かぶ“天空のオアシス”である。
スパがホテル直営ということはすでにご紹介した。しかしこのホテルでは実は、レストランからグルメショップに至るすべての料飲施設、客室のクリーニングからランドリーに至るほとんどのサービス業務を直営で行っている。そのためスタッフは178の客室に対して500名を超える。マンダリン オリエンタルのコンセプトを守り、世界最高のクオリティを維持できるのは「自分たちだけ」と、実に明快だ。そのプライドがホテルのすみずみにまで行き渡っている。
日本橋の多くの老舗のように「私たちもいつの日か“老舗のホテル”と呼ばれたい」と早川氏は言うが、その気っ風の良さと心意気はすでに十分、老舗の域に達している。
(Text/飯田 徹)
1954年デンマーク生まれ。デンマーク・ホテル・レストラン・アカデミー、コーネル大学などでホテルマネジメントを学ぶ。「フェアモント」「シャングリ・ラ インターナショナル」「コンラッド ホテル」「シェラトン・ラグジュアリー コレクション」など、国際的なホテルでシニアポジションの経験を豊富に得る。1997年にマンダリン オリエンタル ホテル グループ入社。1998年、総支配人として「マンダリン オリエンタル クアラルンプール」を開業し、質の高い運営と経営のバランスの実現により数々の賞を受賞。2004年より現職に就き、「マンダリン オリエンタル 東京」を開業。その後の運営を軌道にのせる。競争の激しい東京のマーケットで開業1年以内に、世界初の公式「6ツ星」ホテルの称号を取得している。ホテルとして「日本橋再生」プロジェクトに貢献できたことを喜んでいる。
サングリアはスペイン、アンダルシア地方の飲み物。赤ワインにさまざまなフレッシュフルーツを加え、ラムや砂糖を加えて仕上げてある。特に決まったレシピがあるわけではないが、地中海性気候で、夏の暑いスペイン南部らしい清涼感のある夏向きのカクテル。オレンジジュースやフレッシュパッションフルーツを使った「オリエンタル サングリア(2,300円)」、日本酒とゆずや梅の和酒リキュールにフレッシュフルーツを組み合わせた「ジャパニーズ サングリア(2,100円)」、シャーベット感覚で楽しめるエキゾチックな「フローズン サングリア(2,100円)」、それに白ワインとハーブでさわやかな味わいに仕上げた「ホワイト サングリア(2,300円)」の4種類がある。
◇実施期間/2011年7月1日~8月31日(11:30~24:00)。
※上記価格には別途サービス料13%が必要。
「マンダリン オリエンタル 東京」は、東京スカイツリーを一望のもとに見渡せる絶好のロケーションにある。そこで、各種の特典付きで東京スカイツリーを望む東側の客室を確約する宿泊プラン「MO 634(エムオー・むさし)」の発売を開始した。客室には、オリンパス製の高性能ズーム(8~16倍)双眼鏡が設置されているので、隅田川から東京湾、晴れた日には筑波山から房総半島までの大パノラマを堪能できる。
| ◇実施期間/ | 通年 |
| ◇料金/ | 1泊1室45,149円より(消費税込、サービス料10%・東京都宿泊税別、1名または2名の場合も同料金)。 |
| ◇特典/ |
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心では親孝行をしたいと思っても、なかなかきっかけを見つけられないもの。そこで、感謝の気持ちを込めて“世界一のホテル”で過ごす宿泊プラン「OKK(オーケーケー=親孝行)88」の発売を開始した。家族の絆の大切さを再認識された今年こそ、思い切って親孝行を実行に移そう。ホテルから用意される記念の品は、日本橋の老舗で誂えられたもの。形にして表すことで、気持ちはしっかりと伝わることだろう。
| ◇実施期間/ | 2011年6月17日~10月31日 |
| ◇料金/ | 1室2名様45,149円より(消費税込、サービス料10%・東京都宿泊税別) |
| ◇特典/ |
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Tel. 0120-806-825
http://www.mandarinoriental.co.jp/tokyo
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