頑丈に作ってあるのに、とてもスマート。
モダンな雰囲気なのに、どこか古風。
良いものと出会う幸福とは、こういうことか。

東京・御徒町の小さな公園のある通りにクルマを停めると、すぐ目の前にガラス張りのショールームがあった。下町にはマレな、などというと叱られそうだが、青山か代官山あたりにでもありそうなおしゃれな雰囲気に、つい吸い込まれてしまった。テーブルや椅子、食器棚にまじって鍋敷きや箸置き、ドア止め、ブックエンドなどがディスプレーされているが、どれもがアートのような「作品」になっている。天井からは「ひこう木」のオブジェが下がり、壁面には2枚のガラス板で写真やカードをはさんで透明感を楽しむ「フローフレーム」……。店の奥にある一枚板で仕上げられた大きななテーブルを見るまで、そこが「家具屋さん」のショールームだとは気がつかなかった。

このお店「WOODWORK(ウッドワーク)」を経営するのは「株式会社下甚(しもじん)商店」。明治30年(1897年)創業の老舗の材木屋さんで、当時としてはめずらしく、材木を売るだけでなく、職人さんを置いて歌舞伎座の檜舞台や大道具の制作なども手がけていた。木を知り尽くした職人さんによる「手仕事」は、どのような場面にも自在に適応したことだろう。
そして、100年を越す老舗の現代の当主は4代目の篠崎純一氏。歌舞伎座も大道具の組織が変わり、職人さんも高齢化でリタイアが相次ぎ、1993年7月から本格的な家具の製造に乗り出した。
「WOODWORK」として船出したのは2007年3月のこと。店舗の設計を河田将吾氏(河田将吾建築設計事務所代表 http://www.orpps.com/)、アートディレクションを関 宙明氏(せき ひろあき、ミスター・ユニバース代表 http://www.mr-universe.jp/)に依頼して万全の体制で臨んだ。

「WOODWORK」の特徴は何と言っても、材木商として培った木を見る確かな"目"だろう。北海道や岐阜県など、現地に出向いて買い付けてくるのはもっぱら篠崎純一氏の役目。とち(栃)、せん(栓)、えんじゅ(槐)、くり(栗)など、上質な木を選んで素材にする。オーダー制作家具の素材には主にロシア産の「なら」や「たも」、それに米国産の「ウォールナット」を使用して制作することが多い。
もう一つ見逃せないのが、見かけはとてもスマートな仕上げながら、頑丈なこと。思わず買ってしまった長い柄の靴べら「VEM(ベム)」(ウォールナット、12,600円、税込)などは、どこから見ても靴べらには見えないスタイリッシュなつくりながら、使ってみるとこれが意外なほどしっかりしている。
http://www.woodwork.co.jp/tcms/product/84.html

広報担当の杉島暢子さんによると、家具や木工製品については「皆でアイデアを出し合って、こんなものがあったら楽しいだろうなということで作っています」ということだ。ただし、素材については妥協しない。無垢にこだわりながら適材適所で製品に合った質のいい素材を選び、木目や色合いをよく吟味しながら使用する。そこには「いいものを、いつまでも永く使ってほしい」という願いが込められている。
地下の工房を見せてもらうと、そこには各地から集められたテーブル用の大きな1枚板が並び、スタッフが一つひとつ手仕事で、楽しそうに作業を続けていた。「WOODWORK」の製品にはどこか"品"のようなものを感じるが、それは「楽しんだ仕事には品がある」という言葉を裏付けているかのようだ。

「WOODWORK」はこの10月から「相談式収納家具TANA」の発売を開始した。これは、既製品では現在のスペースに合わない、しかも、収納したい品物にしっくりこない、かといってオーダーメイドでは予算的に無理……こうした要望に応えようというもの。あらかじめ素材を「たも」「なら」「ウォールナット」の3種類に絞り、「WOODWORK」オリジナルの引き出しや取っ手、棚板、観音扉、ガラス戸などと自由に組み合わせて、「WOODWORK」と相談しながら自分だけの無垢の家具を作るのである。この発売を記念して同社では2010年12月20日まで、プレゼントキャンペーン「あなたの理想のTANA(タナ)、差し上げます」を実施している。
応募者全員を対象に抽選で1名に「理想のTANA賞」として、自分のTANA
を作ってもらえる。ぜひ同社のホームページをチェックしてみてほしい。
http://www.woodwork.co.jp/tcms/tana/

「WOODWORK」の大きな天板を使った一枚板のテーブルは、脚の取り外しができる。金属の鬼目ナットを埋め込んだところへボルトをねじ込むので、テーブルはびくともしない。無垢の素材ならではの重厚感と安定感がある。それでいて、扱いは簡単。
椅子も同じだ。「ピコチェア」(ウォールナット製で1脚42,000円、税込)などは一見、華奢に見えるほど軽快なデザインでありながら、V字状の背もたれには「かんざし」と「だぼ」が組み込まれて頑丈この上ない。しかもウールの座面、しっとりとした仕上げの塗装など、座り心地、触り心地ともに申し分がない。クッションや座面の布地を張り替えれば、世紀を超えて使い続けられそうだ。
http://www.woodwork.co.jp/tcms/product/62.html
安くて手軽なものがあふれている時代だが、家具だけは、人生と同じように、いつまでも大事にしたくなるものを選びたい。
(Text/村上 雅敏、Photographs & Movie/寺田 明香)

Tel. 03-3833-2797
URL/http://www.woodwork.co.jp/
クレジットカードもご利用いただけます。

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「WOODWORK」の木製ブックエンド「MOOK(むっく)」(二冊になったデザイン、ウォールナットまたは「たも」製、8,400円、税込)1個を3名様にプレゼントします。
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