「自分たちがずっと気持ちよくいられる場所」をコンセプトに、
まるでこどものころに友達と作った“秘密基地”のような
たたずまいのCafeが“裏青山”に誕生する。
オーナーの一人、藤原辰也氏にそのネライを聞いてみた。


デザインの街、青山

 東京の青山と言えば、お隣の原宿と並んで、ファッションに最も敏感な人たちが集まるトレンディでおしゃれな街だ。アパレル関連だけでなく、コスメティックや建築、インテリア、グラフィック、フードビジネスなど、さまざまな分野のデザインで活躍する人たちも多い。その人たちが生み出す洗練された雰囲気は、あたかも「青山文化」とでも呼ぶべき大人の風格が漂ったものだ。良くいえば成熟した危なげないものであり、悪くいえば冒険心に欠けた面白みのないもの、ということになる。
 しかし、そんな青山の表通り(青山通り)からちょっと奥の“裏青山”と呼ばれる細い路地に入ってみると、そこにはさらに活気に満ちた「混沌と若さ」があふれている。地理的条件もさることながら、この未知なるものを求める「混沌」と、それを実現しようとする「若さ」こそが“裏青山”の最大の特徴だろう。そこに、Café「#A(ナンバー・エー)」がオープンする。


新しいことを生み出す“裏青山”

 オーナーの一人でこのお店をプロデュースした藤原辰也氏は、元舞台俳優というユニークな経歴の持ち主。カフェをオペレーションする仕事に就いたのがきっかけで、「お店は人と人をつなぐメディア。本質的には、お互いに飲食を楽しみながら、いかに気持ちよくコミュニケーションを図ってもらえるか、その舞台を提供するのが役目」ということを学んだという。
 その後、数多くのカフェやレストラン、ファッションブランドショップなどを手がけていく中で、お店はまず「雰囲気がよくなければならない」、料理は「とびきりおいしくて当たり前」、サービスはお客様同士のコミュニケーションを邪魔しないように「あくまで控えめ」を通し、さらにもう一つ、お店が「何を目指しているのか」ビジョンを感じてもらえることを試みている。つまり、飲食をきっかけに、そこから何かが生まれてくるような環境づくりである。藤原氏が「“裏青山”らしさ」にこだわる理由はそこにある。できれば、「#A」がコミュニケーション・スポットとして機能し、“裏青山”のエネルギッシュな「混沌」を引き出す場になってくれればと願っている。


もっと気軽にクリエティブ・コミュニケーションを!

    :「#A」はどのようにして生まれたのでしょうか?
藤 原:「#A」のバックボーンには「DEBLI(デブリ)」というアートプロジェクトがあります。「DEBLI」というのはフランス語で「登山中の山から落ちてくる岩石の破片」のことで、「Space Debli(宇宙ゴミ)」のように使われています。単なるゴミではなく、かつては価値のあったものが、役目を果たした後はゴミのように扱われてしまう。それを惜しんで何とか再生できないか、というのが「DEBLI」プロジェクトなのです。私はそのプロジェクトのクリエイティブ・ディレクターを務めています。
 これまでに愛知万博で展示された芸術作品の再生を行っています。これは美術家の西本剛己氏が制作した1300体に及ぶ動物の陶器製の作品群「螺旋」で、これを西本氏から譲り受けて、動物たちを「旅」させています。私たちはこれを「リサイクル」ではなく「リ・クリエイト」と呼んでいます。ちょうどその頃に「#A」の構想が生まれたのです。
    :それはどのようなものだったのですか?
藤 原:最初はメンバーたちと、自分たちのアトリエのようなものを作りたいねっていう話が持ち上がって、それじゃあ作ってみようかとなった。プライベートな空間だけど、仲間を集めてパーティができたり、人と人が出会って何かが生まれたり、あるいはさまざまなアイデアや考えを発信していけるような“秘密基地”みたいな場所ですね。青山という賑やかな場所にありながら、そのエッセンスが凝縮されたこのエリアを“裏青山”ということにして、コミュニケーションスポットのような役割が果たせないかと考えたわけです。素材にこだわった食事やお酒を適正な価格で提供して、こういう空間を求める人が集まってくる、いわば“大人の秘密基地”ですね。そこで気軽にアートやデザイン、音楽、ファッション、個性的な人たちに触れてもらって、ライフスタイルが少しでも開放的な方向に向かってくれたら嬉しいですね。


アートや音楽をもっと気軽に

    :どのようなアプローチを試みているのでしょうか?
藤 原:まず2009年11月7日のオープンと同時に「Full of Promise」というプロジェクトを発信します。これは、オープニングレセプションのインビテーションに便箋を同封して送り、お客様に1年後の自分に向けて「確かな約束」をテーマにした手紙を書いて「#A」に設置したポストに投函してもらいます。そして1周年のインビテーションと一緒に、この手紙をお客様に返送するというものです。
    :それはオープニングパーティだけのイベントですか?
藤 原:いいえ、オープンから1ヵ月の間にいらしたお客様にも、ご希望があれば参加していただいて、1周年のインビテーションと一緒にお送りします。他にも、常にアートの展示やイベントなど、ちょっぴり刺激的なプロジェクトも発信していきます。食事をしながらお喋りを楽しむように、気軽にクリエイションと付き合っていただけたらと思います。
    :内装などもアーティスティックなのでしょうか?
藤 原:スタンディングのエリアをつくったり、落ち着いて楽しめる個室を用意したり、広くはないですが、バラエティに富んだデザインにしました。この青山エリアに「#A」ができることで、街や人に少しでも変化が生まれると嬉しいですね。できるだけカジュアルな雰囲気にして、仕事帰りや休日などにも立ち寄ってもらえるようにしたいと思っています。
    :オープニングレセプションはどのようなことを考えていますか?
藤 原:職種や年齢、性別にこだわらず、多彩な方々をお招きしています。個性豊かなアーティストや、独自のプロジェクトを進めている面白い人たちが集まってきますので、その人たちを見ることで「#A」の発信する空気を感じとっていただきたいと思っています。“秘密基地”の雰囲気を、思う存分楽しんでもらえたら嬉しいですね。
    :オープニングレセプションを楽しみにしています! オープン間近のところを、ありがとうございました。
(Text/飯田健太郎)

 

プレゼント

2009年11月6日に開催される
「#A(ナンバー・エー)」のオープニングレセプションパーティに、
3組6名様をご招待いたします。

エントリーは終了しました。

 

Café「#A」インフォメーション

東京都港区北青山3-12-2
TEL 03-6427-4038
日~木/Lunch&Tea 11:00 -17:00 Grand 17:00 -24:00
金・土・祝前日/Lunch&Tea 11:00 -17:00 Grand 17:00 -28:00
http://www.theroundtable.jp/
クレジットカード使用可

 

藤原 辰也氏 プロフィール

1976年兵庫県生まれ。18歳のころから舞台俳優として活動。2001年に有限会社headsに入り、カフェのオペレーション、店舗プロデュースなどを学ぶ。2005年に株式会社トランジットジェネラルオフィスに移り、ファッションラボ事業部を統轄。そのかたわら「DEBLI」プロジェクトの立ち上げに参加。2009年にTHE ROUND TABLE INC.を設立、ファッションブランドショップを中心にプロデュースを手がけている。