科学技術を文化として捉える 日本科学未来館 ペア入館券を5組10名様にプレゼント

日本科学未来館を象徴する巨大な地球ディスプレイ「Geo-Cosmos(ジオ・コスモス)」。1階から6階までの壮大な吹き抜け空間で、地球の様子をほぼリアルタイムで映し出す。1,000万画素を超える高解像度の有機ELパネルを使った世界初の地球ディスプレイ。「宇宙から見た輝く地球の姿を多くの人と共有したい」という毛利 衛館長の思いから生まれた。

日本科学未来館を象徴する巨大な地球ディスプレイ「Geo-Cosmos(ジオ・コスモス)」。1階から6階までの壮大な吹き抜け空間で、地球の様子をほぼリアルタイムで映し出す。1,000万画素を超える高解像度の有機ELパネルを使った世界初の地球ディスプレイ。「宇宙から見た輝く地球の姿を多くの人と共有したい」という毛利 衛館長の思いから生まれた。

宇宙飛行士の毛利 衛氏を館長に、東京・青海に2001年7月に開館した日本科学未来館。「科学技術を文化として捉え、社会に対する役割と未来の可能性について考え、語り合う場」として、年間100万人を超す入場者を集めている。会場には科学を「分かりやすく、楽しく学ぶ」ために数々の工夫が凝らされていた。

Miraikanの愛称と青いシンボルマーク。地球と衛星軌道、細胞分裂、人と人、人と情報といった地球上のさまざまなネットワーク、電子の動きなどをイメージさせる。

Miraikanの愛称と青いシンボルマーク。地球と衛星軌道、細胞分裂、人と人、人と情報といった地球上のさまざまなネットワーク、電子の動きなどをイメージさせる。

「すべての人に開かれた場」を象徴するガラスの外装。夕陽が当たる西面は半透明になっている。

「すべての人に開かれた場」を象徴するガラスの外装。夕陽が当たる西面は半透明になっている。

エントランス前に配した緩やかな芝生の丘陵と池が訪れる人を和ませる。

エントランス前に配した緩やかな芝生の丘陵と池が訪れる人を和ませる。

科学は輝く未来を約束するか?

かつて科学は、人類の進歩の象徴だった。科学の進歩と発展こそが、人々の生活を便利なものに変え、豊かな生活を約束するものだった。車や飛行機、新幹線、それに、家電製品で溢れかえった住宅やパソコンにスマホ……しかし、気がついてみると、地球は急速な温暖化で、もはや人が住めなくなるかもしれない危機的な状況にあることが分かってきた。科学は果たして、輝く未来を約束してくれるのだろうか。

シンボルゾーンとオーバルブリッジに設置された「ジオ・プリズム」。タッチスクリーン端末を使って360度、どの方向からもジオ・コスモスを鑑賞できる。CGと複数のカメラ映像をダイナミックに織りまぜたデータが、地球上に可視化される。

シンボルゾーンとオーバルブリッジに設置された「ジオ・プリズム」。タッチスクリーン端末を使って360度、どの方向からもジオ・コスモスを鑑賞できる。CGと複数のカメラ映像をダイナミックに織りまぜたデータが、地球上に可視化される。

未来館が提案する「未来をつくる思考法」を体験できる無料のスマートフォンアプリ「Miraikanノート」。すべての展示の見どころを紹介する音声ガイドは日本語、英語、中国語、韓国語の4カ国語対応。「未来をつくる思考法」を日常の生活の中で実践できるノート機能も搭載。

未来館が提案する「未来をつくる思考法」を体験できる無料のスマートフォンアプリ「Miraikanノート」。すべての展示の見どころを紹介する音声ガイドは日本語、英語、中国語、韓国語の4カ国語対応。「未来をつくる思考法」を日常の生活の中で実践できるノート機能も搭載。

未来は「やって来させる」もの

未来館がこれまでの科学博物館と異なるのは、そこにはっきり「みらい」を見据えていることだろう。私たちはともすると「未来は向こうから勝手にやって来るもの」と思いがちだが、ロボット工学の研究者で大阪大学大学院教授の石黒 浩氏はPCの概念をつくったアラン・ケイ氏から「未来はやって来るのではなく、君の考え方と技術でやって来させるのだ」と学び、ロボットの研究を決断したという(朝日新聞「仕事力」より)。科学によって社会を変え、よりよき未来を「やって来させる」にはどうしたらよいか、そこに未来館からのメッセージが込められているように思われる。

ヒューマノイドロボットの「ASIMO(アシモ)」はさまざまな動きを見せながら「人とロボットのくらし」について紹介する。
実演は1日4回、約10分間。大人も子どもも、その軽妙な動きとおしゃべりにすっかり夢中!
人間そっくりのアンドロイド「オトナロイド」。改めて「人間とは何か?」を考えさせられる。
ロボットの世界は子供たちにとっても関心の的。ロボットと友達になれるといいな……。

地球と人類、いかに生き延びるか

そこで未来館は今年の4月、展示内容を大幅にリニューアルしている。その最大のテーマは「持続可能な地球環境」。気候変動や自然災害、エネルギー問題、人口問題など、地球の限界が見えてきたことにより、これを科学技術の力でいかに克服していくかは大きな課題だ。
新展示で最も注目されるのが毛利 衛館長自らが総合監修を務めている「100億人でサバイバル」。阪神・淡路大震災や東日本大震災は単なる自然現象ではなく、これまで安全と信じてきたものが根底からくつがえった大きな出来事。「想定や想像を超えた災害や事故が起こりうる」ことを見て分かるように展示している。

毛利 衛館長は地球上で起きるさまざま課題について「一緒に考えていこう」と訴えている。
地球のシステムと人間社会を直径6.7メートルの大きな模型で表現、災害の仕組みを理解することができる。
さまざまなハザード(危険)に取り囲まれている現代。被害をリアルに感じることで危険の存在に気づく。
こちらは「インターネット物理モデル」の展示。専用のベストを着用した科学コミュニケーターが丁寧に対応してくれる。

未来逆算思考

新展示でもう一つ注目されるのが「未来逆算思考」。これは50年後に暮らす子どもたちにどのような地球環境を残していけるか、ゲーム形式でアクティブに体験できるもの。現在の豊かな地球を次世代に受け継いでいくために何をしたらよいか、自分が選んだ理想の地球をゴールまで届ける体験を通して、何をするべきかを考える。未来逆算思考は、理想の未来を思い描いて、そこから現在にさかのぼるという思考法。技術を展示するだけでなく、思考法そのものを展示しているところが新しい。

巨大なゲーム板上で、理想の地球を「50年後まで無事に送り届けられるか」にチャレンジ。
「水」一つとっても、それを使い切ることなく使っていくのは大変なこと。
「地球環境とわたし」の展示。サステイナブル(持続可能)社会の実現は、今そこにある緊急な課題だ。
「コ・スタジオ(Co-Studio)」も今回のリニューアルに伴う新しい施設。トークイベントも開催している。

注目の新展示

今回のリニューアルでは、地球の深部に挑む活動や、宇宙空間に挑戦する最新の姿を紹介する「フロンティアラボ」、地球ディスプレイ「ジオ・コスモス」のコントロールルーム「ジオ・コックピット」などが新設されている。また、未来館を訪れたノーベル賞受賞者たちから寄せられた「未来館にいつまでも考え続けてもらいたい問い」を展示した「ノーベルQ-ノーベル賞受賞者たちからの問い」もユニークだ。特に、物理・化学関係の日本人受賞者のほとんどがここを訪れており、手書きのメッセージが目を惹く。人気のドームシアターも最新作「9次元からきた男」を上映中。

3〜5階の「オーバルブリッジ」に設けられた「ジオ・コクピット」。ここで「ジオ・コスモス」の映像をコントロール。
新展示の「ノーベルQ」。Question のQをモチーフにしたデザインもユニーク。
最新のAV技術と音響システムを駆使する「ドームシアターガイア」(別料金)。
最新作「9次元からきた男」は実写とCGを組み合わせたエンターテインメント性あふれる映像作品。

何度訪れても飽きない

「科学」と聞いただけで頭が痛くなる方や、「勉強」と言われただけで逃げ出したくなる方は少なくない。それは、科学や勉強の時間が楽しくなかったせいかもしれない。この国では長い間、学問は試練と同義語で、厳しいもの、耐えるもの、辛いもので、むしろ楽しいものにしてはならなかったようだ。しかし現代では「MIT(マサチューセッツ工科大学)は限りなくディズニーランドを目指し、ディズニーはMITを目指す」と言われているように、Edu-tainment(楽しく学ぶ)の要素がないものは受け入れられない。また、そうした努力をしない分野は自然に淘汰されていくことになる。未来館は当然、楽しみながら学ぶ要素をふんだんに取り入れている。だから、いつ訪れても飽きない。

国際宇宙ステーション(ISS)宇宙居住棟の模型は5階に展示されている。
宇宙で過ごすための寝室からトイレ、食事、運動まで、おおよその様子が分かる。
世界中の宇宙飛行士を年度ごとに紹介したパネル。ここを訪れた宇宙飛行士のサインが見られる。
「“おや?”っこひろば」で楽しく学ぶ。楽しければ科学に興味を抱き、ますます科学が好きになる……。
5階にはニュートリの観測で威力を発揮した「スーパーカミオカンデ」の10分の1の模型が展示されている。

科学に親しむ企画展

未来館は年間100万人以上もの入場者を集めているが、その集客に大きく貢献しているのが、少しでも科学に親しんでもらおうと身近なものを素材にした企画展である。これまでに「お化け屋敷で科学する!」や「トイレ?行っトイレ!」、「ポケモン研究所」などを開催、好評を博している。この夏は企画展「The NINJA-忍者ってナンジャ!?-」を開催、約2カ月間で10万人以上の入場者を記録している。この一見、科学と縁遠いと思われる素材を、科学的な視点でその本質を捉える手腕は見事と言うほかない。しかも、存分に楽しみながら「忍者は実は戦う存在などではなく、あくまで生き延びて主君に情報をもたらすのが役目」ということを自然に理解させる。“忍術”は、生き延びるための手段だったのである。

この夏の企画展「The NINJA」は大きな関心を呼んだ。
忍び足の難しさを体感!
実際に使っていた忍者の道具も展示。
気象、天文、薬学など、忍者は当時としては最先端のインテリジェンスを備えた存在だった。
忍者が備えていた生き延びる技術は、現代のサバイバル術にも通じる。

世界科学館サミット2017を主催

日本科学未来館のこの15年間の歩みは必ずしも単調ではない。2011年には東日本大震災の被害を受け、一時的に休館を余儀なくされている。しかし、その後、順調に足取りを回復し、科学技術による災害への備えという考え方も浸透して、かえって存在感を増している。その結果、2017年11月に開催される世界科学館サミットを主催するまでになった。世界50カ国の科学館から500名以上が集まり、地球と自分自身の「つながり」を見つめ直す会議となる予定だ。地球規模の課題を解決するためのアプローチを見出せるかもしれない。

軽食や本も楽しめる5階のカフェ。7階には展望ラウンジもある。

軽食や本も楽しめる5階のカフェ。7階には展望ラウンジもある。

1階のミュージアムショップ。未来館のオリジナルグッズ、実験キット、書籍や企画展関連グッズなどが揃っている。

1階のミュージアムショップ。未来館のオリジナルグッズ、実験キット、書籍や企画展関連グッズなどが揃っている。

「科学を分かりやすく親しみやすく伝え、会場で楽しんでもらいながら、いろんな<問い>を見つけてもらえるようにするのが私たちの仕事」と日本科学未来館の広報・普及を担当する安藤 菜穂子さん。「年間を通してイベントを開催していますので、ぜひお気軽にいらしてください」とPRも怠りない。

「科学を分かりやすく親しみやすく伝え、会場で楽しんでもらいながら、いろんな<問い>を見つけてもらえるようにするのが私たちの仕事」と日本科学未来館の広報・普及を担当する安藤 菜穂子さん。「年間を通してイベントを開催していますので、ぜひお気軽にいらしてください」とPRも怠りない。

●日本科学未来館
住 所:東京都江東区青海2丁目3番6号
電 話:03-3570-9151(代表)
U R L:http://www.miraikan.jst.go.jp/
開館時間:10:00〜17:00 ※入館券の購入は閉館30分前まで
休館日:毎週火曜日(火曜日が祝日の場合は開館) 12月28日〜1月1日
入館料:個人 大人620円 18歳以下210円 ※6歳以下の未就学児は無料
ドームシアター:大人300円 18歳以下100円 ※入館券とのセット購入のみ
駐車場:営業時間 9:00〜21:00 ※最初の1時間310円、その後30分毎に100円
●読者プレゼントのお知らせ
エントリー期間中、セゾンカード・UCカードを1,000円(税込)以上ご利用いただいた方で、読者プレゼントにご応募いただいた方の中から抽選で5組10名様に日本科学未来館のペア入館券をプレゼントいたします。
※当選者の発表は、賞品の発送(2016年11月中)をもってかえさせていただきます。
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