世界のKUSAMA、過去最大級の個展 「草間彌生 わが永遠の魂」展 国立新美術館のペア入場券を5組10名様にプレゼント

「自殺した私」東京都現代美術館 ©YAYOI KUSAMA

「自殺した私」東京都現代美術館 ©YAYOI KUSAMA

2016年の文化勲章を受章した前衛芸術家・草間彌生。その凄さは、2009年から描き続けている大型の絵画シリーズ「わが永遠の魂」を、87歳となる現在もひたする描き続けていることでしょう。今回の個展では、500点に及ぶそのシリーズから約130点を厳選初公開、さらに初期作品からニューヨーク時代、東京時代に至る作品約90点を紹介しながら、彼女の芸術活動の全貌に迫ります。

「南瓜」フォーエバー現代美術館 ©YAYOI KUSAMA 屋外展示場の「水玉ガーデン」に設置される高さ4.5mの巨大なかぼちゃのオブジェ。写真を撮ったり中に入ったりすることができます。

「南瓜」フォーエバー現代美術館 ©YAYOI KUSAMA
屋外展示場の「水玉ガーデン」に設置される高さ4.5mの巨大なかぼちゃのオブジェ。写真を撮ったり中に入ったりすることができます。

「感謝の気持ちでいっぱい……」

2016年9月28日(水)に国立新美術館で行われた「草間彌生 わが永遠の魂」展の記者発表会で、草間彌生は次のように語っています。「私の人生は芸術によって開かれましたが、強迫観念に襲われて精神病院に入院するという子ども時代のみじめな思いと、人生の苦しさ、足踏みをしていた時代を思うと、こうして皆さまにお目にかかり、私の芸術を評価し、認めてくださることに感謝の気持ちでいっぱいです……」。目にいっぱいの涙をため、途切れがちの言葉に耳を傾けていると、こちらまで胸が熱くなります。

記者発表会で語る草間彌生。

記者発表会で語る草間彌生。

“前衛芸術の女王”

草間彌生は1929年(昭和4年)長野県松本市の生まれ。幼い頃から幻覚や妄想に悩まされ、10歳の頃からその幻覚に現れる水玉や網目模様を描き始めたと言われています。京都市立美術工芸学校を卒業して、1950年代は松本を中心に抽象的な絵画を描き始めますが、当時の日本に限界を感じていたのでしょう、1958年にニューヨークに居を移して活動を開始、1960年代は男根をモティーフにしたソフト・スカルプチュアなどを制作、“前衛芸術の女王”として大きな話題を振りまいています。

「トラヴェリング・ライフ」京都国立近代美術館 ©YAYOI KUSAMA 撮影:上野則宏

「トラヴェリング・ライフ」京都国立近代美術館 ©YAYOI KUSAMA
撮影:上野則宏

世界規模での評価

体調をくずしたこともあって1973年に日本に帰国、小説や詩集などの文学作品も手がけ、高い評価を得ています。70年代から80年代にかけては「生と死」や「愛」、「無限の宇宙」などをテーマに独自の世界を展開、日本でも広く認められるようになりました。90年代に入ると1993年のヴェネチア・ビエンナーレを皮切りに、ニューヨーク時代の活動に対する再評価の高まりもあって、大規模な回顧展や作品展が世界各地で次々と開かれるようになります。

「黄樹」フォーエバー現代美術館 ©YAYOI KUSAMA

「黄樹」フォーエバー現代美術館 ©YAYOI KUSAMA

「世界のKUSAMA」へ

21世紀になると、もはや彼女に対する評価は揺るぎないものになっていきます。朝日賞、フランス芸術文化勲章オフィシェ賞、高松宮殿下記念世界文化賞、文化功労者、そして今回の文化勲章など、数多くの賞を受賞しています。
さらに2011年から12年にかけて、マドリード(国立ソフィア王妃芸術センター)、パリ(ポンピドゥ・センター)、ロンドン(テート・モダン)、ニューヨーク(ホイットニー美術館)などの著名な美術館で巡回展を実施、ルイ・ヴィトンとのコラボレーションも実施しています。

「生命の輝きに満ちて」Courtesy of Ota Fine Arts, Tokyo/Singapore; Victoria Miro Gallery, London; David Zwirner, New York ©YAYOI KUSAMA

「生命の輝きに満ちて」Courtesy of Ota Fine Arts, Tokyo/Singapore; Victoria Miro Gallery, London; David Zwirner, New York ©YAYOI KUSAMA

世界で最も人気のあるアーティスト

2013年には中南米、アジア諸国をめぐる巡回展が開始され、今後も2017年から18年にかけてシアトル、ロサンゼルス、オンタリオ、クリーブランドなどでの展覧会が予定されています。その結果、草間彌生は「世界で最も人気のあるアーティスト」(「アート・ニュースペーパー」紙)とされ、「永遠の前衛芸術家」として日本人でただ一人、2016年の「世界で最も影響力のある100人」(「タイム」誌)に選ばれています。

「わが永遠の魂」シリーズより「しのびがたい愛の行方」©YAYOI KUSAMA

「わが永遠の魂」シリーズより「しのびがたい愛の行方」©YAYOI KUSAMA

「わが永遠の魂」シリーズより「いまわしい戦争のあとでは幸福で心が一杯になるばかり」©YAYOI KUSAMA

「わが永遠の魂」シリーズより「いまわしい戦争のあとでは幸福で心が一杯になるばかり」©YAYOI KUSAMA

日本初公開の作品群

今回の展覧会は、屋外展示を含めた2部構成で実施されます。第1部は「21世紀の草間彌生」として、2009年から精力的に取り組んでいる大型の絵画シリーズ「わが永遠の魂」約500点から、厳選した130点を一挙に公開、全作品が日本初公開といいます。194cm×194cmの大作は、小柄な彼女のどこにそのようなエネルギーが潜んでいるのか、これまでにどこでも見たことのないモティーフとともに、多くの人を驚かせそうです。

「わが永遠の魂」シリーズより、タイトル未定 ©YAYOI KUSAMA

「わが永遠の魂」シリーズより、タイトル未定 ©YAYOI KUSAMA

「わが永遠の魂」シリーズより「うれいのごとく くれないの 赤きくちびる おしあてて あつきなみだを ながせども あゝ 春はゆく 春はゆく」 ©YAYOI KUSAMA

「わが永遠の魂」シリーズより「うれいのごとく くれないの 赤きくちびる おしあてて あつきなみだを ながせども あゝ 春はゆく 春はゆく」 ©YAYOI KUSAMA

“草間ワールド”の全貌を見る

第2部は「20世紀の草間彌生」ということで、50年代からの50年間の歩みを約90点の作品でたどります。国内での活動を経て、15年間にわたってニューヨークで活躍した当時の作品や、活動の場を東京に移してからの作品、特に水玉をモティーフにした作品やネット・ペインティング、ミラー・ルームなど、独特な作品が紹介されます。この2部構成によって、多くの人を魅了し続けている稀代の天才前衛芸術家“草間ワールド”の全貌を見ることができます。

「わが永遠の魂」シリーズより「原爆の足跡」 ©YAYOI KUSAMA

「わが永遠の魂」シリーズより「原爆の足跡」 ©YAYOI KUSAMA

ぜひ“本物”を見てほしい

冒頭でご紹介した記者発表会で、草間彌生はこうも言っています。「……これからの私の人生は残り少なく、昼も夜も芸術に明け暮れ、死に物狂いで闘っております。……死んだ後も、創造への意欲と芸術に対する情熱を汲んでいただければ、これほど嬉しいことはございません……」。ここにはまさに「わが永遠の魂」があり、作品のタイトルにも見られるように、普遍的なテーマに挑む姿が見受けられます。ここはぜひ、写真や画像ではなく、驚嘆すべき集中力で描いた生命力あふれる、色彩豊かな草間彌生の“本物”の作品を見ることをおすすめします。

会期中に88歳を迎える草間彌生。背景の作品からも、その大きさが分かります。©YAYOI KUSAMA

会期中に88歳を迎える草間彌生。背景の作品からも、その大きさが分かります。©YAYOI KUSAMA

●国立新美術館 開館10周年「草間彌生 わが永遠の魂」展 開催概要
会 期:2017年2月22日(水)〜5月22日(月)
会 場:国立新美術館 企画展示室1E(東京・六本木)
開館時間:10:00〜18:00(金曜日は20時まで)※入館は各閉館時間の30分前まで
休館日:毎週火曜日(5月2日火曜日は開館)
観覧料:一般1,600円、大学生1,200円、高校生800円(当日券、税込) ※団体20名以上、中学生以下無料 ※障害者手帳をお持ちの方と付添の方1名は無料 ※2017年3月18日(土)〜3月20日(月・祝)は高校生無料観覧日
●先行前売券(企画チケット、発売は 〜2017年2月21日・火まで)
・草間彌生トートバッグセット券 5,000円(2,000セット限定、売り切れ次第終了、税込)
・草間彌生《南瓜(かぼちゃ)》キーリングセット券 3,000円(税込)
・「ミュシャ展」とのセット鑑賞券 2,400円(税込)
●展覧会への問い合わせ
Tel.03-5777-8600(ハローダイヤル)
展覧会専用ホームページ:http://kusama2017.jp/
●読者プレゼントのお知らせ
エントリー期間中、セゾンカード・UCカードを1,000円(税込)以上ご利用のうえエントリーいただいた方の中から抽選で5組10名様に、国立新美術館「草間彌生 わが永遠の魂」展のペア入場券をプレゼントいたします。

※当選者の発表は、賞品の発送(2017年1月中)をもってかえさせていただきます。

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