日本初公開!英国の至宝「始祖鳥」 大英自然史博物館展 展覧会のペア入場券を5組10名様にプレゼント

大英自然史博物館 外観 ©The Trustees of the Natural History Museum, London

大英自然史博物館 外観
©The Trustees of the Natural History Museum, London

大英自然史博物館(The Natural History Museum)は、世界中から集められた動植物や化石、岩石、鉱物などの博物標本8,000万点を所蔵する世界有数の博物館。毎年、約500万人もの人が訪れる、イギリスで最も人気のある観光スポットの一つでもある。

地球の歴史を知る

人類の歴史を見せてくれる大英博物館(British Museum)は、日本がまだ江戸時代の1759年(宝暦9年)の開館。一方、地球の歴史を知ることができる大英自然史博物館は、その大英博物館の自然史部門としてスタートしている。その後、収蔵品が大幅に増えたのに伴い1881年に現在のサウスケンジントンに分館を開館、1992年に正式に独立して現在の名称になっている。この2つの博物館とロンドン科学博物館(Science Museum)、そのすぐ隣にある美術関連のヴィクトリア&アルバート博物館(Victoria & Albert Museum)は、ロンドンを訪れる際の大きな楽しみである。

世界巡回展を上野からスタート

ところで、大英自然史博物館はこれまで、所蔵品の海外への貸し出しをほとんどしてこなかった。しかし同館は、300人以上の科学者や研究者が、病気や気候変動、地球の生物多様性への脅威といったことについて研究している研究機関でもある。そこで、海外との交流を深めるために、同館の世界巡回展を計画、その最初の展示会場に選ばれたのが東京・上野の国立科学博物館だった。出品される展示品は、両館で協議しながら選ばれたそうで、親しみやすいものが多い。

恐竜か、それとも鳥類か

最も注目されるのが「始祖鳥」の化石。始祖鳥は、今から約1億4700万年前に生息していた小型の肉食、もしくは昆虫食の生き物で、鳥類が恐竜から進化したものであることを裏付ける最古の鳥類化石とされている。始祖鳥はこれまでに10個体ほどの標本が発見されているが、脳と三半規管の形が復元できるのはロンドンの標本だけだそうだ。化石から復元されて大英自然史博物館内を飛び回る始祖鳥のCGI(シージーアイ)動画が楽しい。同時に、進化論を唱えたチャールズ・ダーウィンの『種の起源』の直筆原稿も展示される。

始祖鳥 ©The Trustees of the Natural History Museum, London

始祖鳥
©The Trustees of the Natural History Museum, London

チャールズ・ダーウィン 『種の起源』直筆原稿 ©The Trustees of the Natural History Museum, London

チャールズ・ダーウィン 『種の起源』直筆原稿
©The Trustees of the Natural History Museum, London

科学史を塗り替えた学術標本

また、英国の比較解剖学者で大英自然史博物館の初代館長リチャード・オーウェンが、一つの骨から、ニュージーランドで絶滅した巨大な飛べない恐鳥「モア」の存在を予測、後に多数の骨が見つかったことでそれが実証され、世界に大きな驚きを与えた。そのモアの標本も展示される。さらに、ダーウィンのビーグル号の航海や、19世紀から20世紀の初頭にかけて世界中を探検した英国の探検船チャレンジャー号、悲劇の南極探検隊スコット隊など、探検がもたらした多くの成果も紹介される。

モア ©The Trustees of the Natural History Museum, London

モア
©The Trustees of the Natural History Museum, London

「嘘と呪いとミステリー」も

日本とかかわりのある展示物も紹介される。日本発の世界的な鉱物標本「輝安鉱」や、日本に落下したさまざまな隕石、日本ではすでに絶滅したとされているニホンアシカの標本など、日本に里帰りした展示品によってこの展覧会をぐっと身近なものにしている。面白いのは「嘘と呪いとミステリー」に満ちた各標本にまつわるミステリー。アラビアのロレンスに渡されたという怪しげな「ダチョウの卵」や、所有者に不幸をもたらすと伝えられている「呪われたアメジスト」、人類史を揺るがした大ねつ造事件「ピルトダウン人の頭骨片と下顎骨」の贋作なども展示される。

呪われたアメジスト ©The Trustees of the Natural History Museum, London

呪われたアメジスト
©The Trustees of the Natural History Museum, London

ピルトダウン人の頭骨片と下顎骨 ©The Trustees of the Natural History Museum, London

ピルトダウン人の頭骨片と下顎骨
©The Trustees of the Natural History Museum, London

自然史研究を支える資料

図書や絵画、手記や手紙も貴重な収蔵品。大英自然史博物館には100万冊以上の書籍と50万点の絵画資料が所蔵されているが、科学史上で貴重とされているものも数多い。ウィリアム・スミスが製作した世界で初めての英国の地質図や、ジョン・オーデュボンが実物大で自然の状態の野鳥を描いた巨大な画集『アメリカの鳥』、ガラス工芸家のブラシュカ父子が超絶技巧を駆使して大英自然史博物館のために製作した「タコのガラス模型」など、その本物を間近で見ることができる。

ウィリアム・スミス 地質図 ©The Trustees of the Natural History Museum, London

ウィリアム・スミス 地質図
©The Trustees of the Natural History Museum, London

ジョン・オーデュボン 『アメリカの鳥』 ©The Trustees of the Natural History Museum, London

ジョン・オーデュボン 『アメリカの鳥』
©The Trustees of the Natural History Museum, London

ブラシュカ父子 タコのガラス模型 ©The Trustees of the Natural History Museum, London

ブラシュカ父子 タコのガラス模型
©The Trustees of the Natural History Museum, London

博物館の未来を考える

ロンドンには博物館が多い。一説にはその数500を超えると言われるほど大小さまざまな博物館がある。かつて博物館は、ただ古いものを集めただけの骨董趣味の場と思われていたが、現代の博物館の多くは最新のテクノロジーを駆使して分かりやすく、かつ楽しく学べる場に変身させている。それは、知的好奇心にあふれた富豪が、その営みを後の世に遺してくれたおかげかもしれない。資産家のライオネル・ウォルター・ロスチャイルドが遺した動物の研究施設トリング館などは、今では大英自然史博物館の一部になっている。博物館がこれからどんな役割を果たしていくのか、富豪になったらどのようにその富を使うべきか、そうしたことを考える上でもこの展覧会への興味は尽きない。

●大英自然史博物館展 開催概要
会 期:2017年3月18日(土)〜6月11日(日)
会 場:国立科学博物館(東京・上野公園)
開館時間:9:00〜17:00、金・土曜日は20:00まで。2017年4月30日(日)〜5月4日(木)は9:00〜18:00。 ※入館は各閉館時間の30分前まで
休館日:毎週月曜日、3月21日(火) ※3月20日と27日、4月3日、5月1日、6月5日の各月曜日は開館
観覧料:一般・大学生1,600円、小・中・高校生500円(当日券、税込)
●展覧会への問い合わせ
Tel.03-5777-8600(ハローダイヤル)
公式サイト:http://treasures2017.jp/
●読者プレゼントのお知らせ
エントリー期間中、セゾンカード・UCカードを1,000円(税込)以上ご利用のうえエントリーいただいた方の中から抽選で5組10名様に、国立科学博物館「大英自然史博物館展」のペア入場券をプレゼントいたします。

※当選者の発表は、賞品の発送(2017年2月中)をもってかえさせていただきます。

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大英自然史博物館 外観 ©The Trustees of the Natural History Museum, London

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