生誕150年 横山大観展 東京国立近代美術館のペア観覧券を5組10名様にプレゼント

「群青富士(ぐんじょうふじ)」(右隻) 1917年頃、横山大観、静岡県立美術館、東京展:4月13日〜5月6日 京都展:7月3日〜22日

明治、大正、昭和の三代にわたって日本画壇の頂点に屹立した日本画の巨匠、横山大観。それだけに、はるかな高みにあって、一般には親しみやすい存在とは言えないかもしれない。しかし、仔細に見ると、そこには自在な画風とともに、強い個性をまとった高い精神性が感じられ、人としての品格が投影されていることがわかる。芸術による「昇華」とは、このようなことを言うのだろうか。

横山大観ポートレート(昭和8年頃) 写真提供:横山大観記念館

超大作《生々流転》

今回の横山大観展は、横山大観(1868〜1958)の生誕150年、没後60年を記念してのオール大観展である。それだけに、代表作を網羅した大回顧展になっており、約100点の総出品数でその全貌を示す。中でも、重要文化財になっている《生々流転》は、全長40メートルを超える日本一長い画巻。山間に湧く雲に始まり、雲が一粒の滴となり、やがて川から海へ流れ込み、荒れ狂う海には龍が踊り、水はついに雲となって天へ昇る、いわば水の一生の物語を描いた大作だ。そこには、大観の水墨技法のすべてが注ぎ込まれているという。

重要文化財「生々流転(せいせいるてん)」(部分) 1923年、横山大観、東京国立近代美術館、京都展は巻き替えあり

二つの大作を同時に見る

さらに注目されるのは、二つの大作《夜桜》と《紅葉》を同時に見られること。《夜桜》は1930年に開催された「ローマ日本美術展」に出品された大観渾身の作と言われ、燃え盛る篝火に夜桜が浮かび上がる幻想的な作品。一方の《紅葉》は、翌1931年に制作されたもので、鮮明な色にプラチナが輝く絢爛豪華な作品。力強い造形によって、日本画材特有の美しさを最大限に引き出した、巨匠・大観の名にふさわしい力作とされている。この二つの大作が一緒に展示されることはほとんどないので、同時に見られるまたとない機会となろう。

「夜桜(よざくら)」(右隻) 1929年、横山大観、大倉集古館 東京展:5月8日~5月27日 
京都展:6月8日~7月1日


「紅葉(こうよう)」(右隻) 1931年、横山大観、足立美術館 東京展:5月8日~5月27日 
京都展:6月8日~7月1日

105年ぶりの発見《白衣観音》

2017年10月12日、東京国立近代美術館などが「横山大観の作品《白衣観音》を105年ぶりに発見した」との発表には、誰しも驚かされたことだろう。この作品は、1912年に刊行された『大観画集』(芸艸堂)にモノクロで掲載された後、行方が分からなくなっていたもので、実に105年もの間、日の目を見なかったものだ。この時期の大観は、没線描法が「朦朧(もうろう)体」と批判された後、さらにその先を行く技法を模索していた時期だったとされ、精緻な描写力に圧倒される。いつの時代も、既得権益を守ろうとする守旧派によって時代の行く手は阻まれるようだ。

「白衣観音(びゃくえかんのん)」 1908年、横山大観、個人蔵

明るく伸びやかな画風

大観は富士山の絵を数多く描いている。今回紹介される六曲一双の屏風絵《群青富士》は、明快な構図と底抜けに明るい伸びやかなタッチで、いかにも大観らしい大らかな画風を感じさせる。こうした作品を見ると、巨匠・大家・画聖などと呼ばれて雲の上の存在のように思えた大観が、ぐっと身近なものに感じられる。そうした目で《山路》のふわっとした人物像や、《風蕭々兮易水寒(かぜ しょうしょうとして えきすい さむし)》の川辺にたたずむ犬などを見ると、親しみさえ湧いてくる。

「山路(やまじ)」 1912年、横山大観、京都国立近代美術館

人柄がうかがえる住まい

東京・上野池之端の不忍池のほとりに「横山大観記念館」がある。1908年にこの地に居を構えた大観が、自らデザインした京風数寄屋造り、木造2階建ての日本家屋である。自宅兼画室として使用されていたもので、東京大空襲で消失後も、1954年にほぼ同じ形で再建されたものだという。大観は亡くなるまでここに住み、この地で制作活動を続けており、その凜としたたたずまいに人柄が溢れている。大観は、明治維新の年に勤王派の水戸藩士の長男として生まれているが、侍の魂を持った画家だったのかもしれない。

「或る日の太平洋」 1952年、横山大観、東京国立近代美術館

広島の酒「酔心」に心酔

横山大観は、「酔心は主食である」というほど、広島の酒「酔心」に心酔していたことは広く知られている。その経緯は「酔心」の蔵元、酔心山根本店のHPに詳しいが、「 酒造りも絵画も芸術だ」と意気投合した三代目・山根 薫社長が、一生の飲み分を約束して大観に酒を送り続け、その返礼に毎年、作品を寄贈した大観。その関係は大観が89歳で亡くなるまで続いたというから、まさに侍同士の付き合いと言うべきか。大観は、日本人の魂が信じられた時代の「魂の画家」だったと思われる。

「風蕭々兮易水寒(かぜ しょうしょうとして えきすい さむし)」 1955年、横山大観、名都美術館

●東京国立近代美術館 「生誕150年 横山大観展」
会 期:2018年4月13日(金)〜2018年5月27日(日)
会 場:東京国立近代美術館(東京・千代田区北の丸公園)
開館時間:10:00〜17:00 ※金・土曜日は20:00まで。※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日(ただし4月30日は開館)
観覧料:一般1,500円(1,300円)/大学生1,100円(900円)/高校生600円(400円)/早割ペア券2,200円
※早割ペア券は一般のみ、2017年11月13日~2018年1月21日までの期間限定販売
※( )内は前売りおよび各20名以上の団体料金
※中学生以下および障害者手帳をご持参の方(付添の方1名を含む)は無料
●展覧会への問い合わせ
展覧会特設サイト http://taikan2018.exhn.jp
●巡回展
京都国立近代美術館 2018年6月8日(金)〜2018年7月22日(日)
●読者プレゼントのお知らせ
エントリー期間中、セゾンカード・UCカードを1,000円(税込)以上ご利用いただいた方で、読者プレゼントにエントリーいただいた方の中から抽選で5組10名様に、東京国立近代美術館(東京・北の丸公園)で開催される「横山大観展」のペア観覧券をプレゼントいたします。

エントリー期間:2018年1月17日(水)〜2月26日(月)

※当選者の発表は観覧券の送付(2018年3月中)をもってかえさせていただきます。

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