国宝約35件、重文約50件など貴重な寺宝約100件を一挙公開! 京都・醍醐寺 —真言密教の宇宙— サントリー美術館「京都・醍醐寺 —真言密教の宇宙—」のペア鑑賞券を5組10名様にプレゼント

重要文化財「如意輪観音坐像」平安時代、醍醐寺蔵、画像提供:奈良国立博物館、撮影:森村欣司

京都御所の東南、山科にある醍醐寺は、1,100年以上も前から続く名刹。200万坪を超える広大な寺領を有しており、数ある京都のお寺の中でも、歴史の表舞台でこれほど重要な役割を果たしてきたお寺も少ないのではないか。とりわけ「醍醐の花見」として知られる豊臣秀吉が開いた1日だけの花の宴は、栄華の極みとして今に至るも語り草となっている。それだけに、この寺には数多くの名宝が伝わっている。

「聖宝坐像」吉野右京作、江戸時代、延宝二年(1674)、醍醐寺蔵

「醍醐の水」がここに

醍醐寺は貞観16年(874年)に、天智天皇の流れをくむという理源大師聖宝(しょうぼう)によって開かれている。空海直系の孫弟子といわれる聖宝は、東大寺で学んだのち、醍醐味(だいごみ、仏教でいう最上の味わい)の水、世にいう「醍醐の水」が湧き出るという笠取山を見出し、その山頂に准胝、如意輪の両観音像を安置したのが始まりという。その後、醍醐寺は、醍醐天皇をはじめ、圧倒的な財力を持つ歴代天皇の帰依を受け、開創から数十年のうちに次々と堂宇が建立され、寺観が整えられていく。

国宝「薬師如来坐像」平安時代、醍醐寺蔵、画像提供:奈良国立博物館、撮影:佐々木香輔

蓄積されてきた膨大な寺宝

醍醐寺は真言密教の寺として、加持祈祷(かじきとう)や修法(ずほう、儀式)を重視している。その効験によって、多くの天皇や貴族たちの心をとらえたようだ。醍醐寺はやがて、真言密教・小野流の拠点となり、多くの僧侶が集まる根本道場に位置付けられた。そのため、修法に必須の彫刻や絵画、多くの仏具、経典などが蓄積されてきたという。それが、開山以来1,000年以上もの間、積み重ねられ、現在の約15万点にも上る寺宝となっている。

国宝「文殊渡海図」鎌倉時代、醍醐寺蔵、画像提供:奈良国立博物館、撮影:佐々木香輔

国宝「訶梨帝母像」平安時代、醍醐寺蔵、画像提供:奈良国立博物館、撮影:佐々木香輔

重要文化財「不動明王図像」信海筆、鎌倉時代、弘安五年(1282)、醍醐寺蔵、画像提供:奈良国立博物館、撮影:佐々木香輔

国宝「醍醐寺縁起」江戸時代、醍醐寺蔵、画像提供:奈良国立博物館、撮影:佐々木香輔

国宝「大日経開題」空海筆、平安時代、醍醐寺蔵

真言密教の大宇宙

今回の醍醐寺展では、これらの寺宝から国宝約35件、重要文化財約50件など、選りすぐりの名宝約100件が展示される。かつて上醍醐に鎮座していた薬師堂の本尊、薬師如来坐像(国宝、平安時代)をはじめ、優麗な如意輪観音坐像(重要文化財、平安時代)や、絵画、書跡、工芸など、醍醐寺に伝わる名宝・傑作の数々が一堂に会する。醍醐寺は、空海がもたらした真言密教の中核的な寺院の一つ。それだけに、神秘的な密教美術の迫力にあふれた、真言密教の大宇宙にふれられそうだ。

国宝「五大尊像のうち不動明王」鎌倉時代、醍醐寺蔵、画像提供:奈良国立博物館、撮影:佐々木香輔

重要文化財「五大明王像のうち不動明王」平安時代、醍醐寺蔵

「満済像」土佐行広筆、室町時代、永享六年(1434)、醍醐寺蔵、画像提供:奈良国立博物館、撮影:佐々木香輔

国宝「三国祖師影」鎌倉時代、醍醐寺蔵、画像提供:奈良国立博物館、撮影:佐々木香輔

国宝「天長印信」後醍醐天皇筆、南北朝時代、延元四年(1339)、醍醐寺蔵、画像提供:奈良国立博物館、撮影:佐々木香輔

重要文化財「理趣経」足利尊氏筆、南北朝時代、延文二年(1357)、醍醐寺蔵、画像提供:奈良国立博物館、撮影:佐々木香輔

歴史の中の醍醐寺と現代の醍醐寺

醍醐寺は創建期から天皇、貴族の庇護を受け、さらに南北朝時代以降は武士の帰依をも受けてきた。そのため、醍醐寺の歴代座主は、足利尊氏を支えた賢俊や足利義満など室町幕府の3人の将軍から信任を受けた満済、そして、応仁の乱の荒廃後に豊臣秀吉から手厚い保護を受けた義演など、時の為政者と深い関わりを持ち続けてきた。そうした為政者に縁(ゆかり)のある品々もまた興味深い。幾多の時代を支えてきた歴史の中の醍醐寺と現代の醍醐寺が、どのようにつながっているのか、その変遷をたどる上でも今回の醍醐寺展は見逃せない。

「豊臣秀吉像」江戸時代、醍醐寺蔵、画像提供:奈良国立博物館、撮影:佐々木香輔

今も賑わう「醍醐の花見」

ところで、醍醐寺といえば「花の醍醐」といわれたほど平安時代から桜の名所として有名だ。それを決定づけたのが、慶長3年(1598年)春に豊臣秀吉が行なった「醍醐の花見」。秀吉は、畿内から集めた700本の桜を植えさせ、三宝院の建物と庭園を造り、秀頼や正室の北政所、側室の淀君、さらに女房衆1,300人余りらと、1日だけの盛大な宴を開いたという。秀吉はこの年の8月に亡くなっているので、まさに生涯最後を飾る「花の宴」だったことになる。この故事にならった催しが今も毎年4月の第2日曜日、醍醐寺で開催されている。

「金天目および金天目台」安土桃山時代、醍醐寺蔵、画像提供:奈良国立博物館、撮影:佐々木香輔

重要文化財「醍醐花見短冊」安土桃山時代、慶長三年(1598)、醍醐寺蔵

重要文化財「扇面散図屏風」俵屋宗達筆、江戸時代、醍醐寺蔵、画像提供:奈良国立博物館、撮影:佐々木香輔

重要文化財「三宝院障壁画 柳草花図(表書院上段之間)」安土桃山時代、醍醐寺蔵

醍醐寺の醍醐味

醍醐寺へは、京都駅からJR山科駅まで約5分、そこから京都市営地下鉄東西線の醍醐駅まで約10分、醍醐駅からは徒歩約15分ほどで行くことができる。しかし、寺領は広い。山科盆地の東側、笠取山一帯がすべて醍醐寺なのである。山頂一帯を上醍醐、山裾を下醍醐と称しているが、下醍醐から上醍醐へは、急峻な登山道を登って1時間ほどはかかる。総門を入って左手に庭園で有名な三宝院、右手に霊宝館、正面に西大門(仁王門)が見え、その先が下醍醐。金堂や五重塔など、国宝指定を含む多くの堂宇が点在している。ここはぜひ上醍醐まで登って「醍醐味」を味わってほしい。

上醍醐、下醍醐、三宝院、霊宝館エリアと、約200万坪以上の広大な敷地を擁する醍醐寺の鳥瞰図。

中国展の“凱旋展覧会”

記者発表の席で今回の醍醐寺展への思いを語る総本山醍醐寺 座主 仲田 順和氏。

今回の醍醐寺展、実は2016年に中国の上海・西安で開催された中国展の“凱旋展覧会”の意味合いを含んでいる。記者発表の席で醍醐寺の仲田順和座主は「宗教への拒否反応が強い国と思っていましたので、80万人以上もの人に見にきていただいたことに本当に驚いています。中国に縁の深い空海ゆかりの寺ということもあったと思いますが、密教美術や密教の宇宙観に大きな関心があるようでした」と話している。仲田座主の美しい言葉遣いと凜とした佇まいに、千年のときが一瞬のように感じられ、密教の世界が時空を超えて力のあることを改めて感じさせた。
●京都・醍醐寺—真言密教の宇宙—
会 期:2018年9月19日(水)〜2018年11月11日(日)
会 場:サントリー美術館(東京・六本木)
電 話:03-3479-8600
●展覧会への問い合わせ
展覧会公式ホームページ http://daigoji.exhn.jp/
※開館時間、休館日、入館料、割引制度など、詳細については上記の公式サイトをご参照ください。
●読者プレゼントのお知らせ
エントリー期間中、セゾンカード・UCカードを1,000円(税込)以上ご利用いただいた方で、読者プレゼントにエントリーいただいた方の中から抽選で5組10名様に、サントリー美術館で開催される「京都・醍醐寺—真言密教の宇宙—」のペア鑑賞券をプレゼントいたします。

エントリー期間:2018年6月15日(金)〜2018年7月25日(水)

※当選者の発表は鑑賞券の送付(2018年8月中)をもってかえさせていただきます。
※(株)クレディセゾンが実施するほかのキャンペーンとの重複当選はございません。

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