王の画家にして画家の王 ルーベンス展 —バロックの誕生 国立西洋美術館「ルーベンス展 —バロックの誕生」のペア観覧券を5組10名様にプレゼント

ペーテル・パウル・ルーベンス 《マルスとレア・シルウィア》 1616-17年 油彩/カンヴァス ウィーン、リヒテンシュタイン侯爵家コレクション ©LIECHTENSTEIN. The Princely Collections, Vaduz-Vienna

17世紀ヨーロッパで栄えた壮麗華美な美術様式—バロック芸術。その代表的な画家がスペイン領ネーデルラント(現在のベルギー、ルクセンブルクを中心とする地域)出身のペーテル・パウル・ルーベンス(1577-1640)。彼はローマに滞在し、イタリア芸術から多くの影響を受けながら、その類まれな才能で若い芸術家たちにも大きな影響を与えている。ルーベンスとイタリア・バロックに焦点を当てた、近年では最大規模のルーベンス展。バロック美術を知る絶好の機会となりそうだ。

ペーテル・パウル・ルーベンス 《セネカの死》 1615/16年 油彩/カンヴァス マドリード、プラド美術館 ©Madrid, Museo Nacional del Prado

バロックとは何か

17世紀のヨーロッパを風靡したバロック様式の芸術。イタリアに起源を持つとされ、その領域は美術のみならず音楽、建築、演劇、文学などにも及んでいる。壮麗なスペクタクルと雄大で動的な表現に特徴があり、バロック様式の建築は巨大な祝祭空間を現出させる。高階秀爾著『バロックの光と闇』(講談社刊)によると「バロック(Baroque)」という語はフランス語で「歪んだ真珠」を意味するそうだ。それは、調和のとれたギリシャ以来の古典的な芸術や、静的で折り目正しいルネサンス様式に対して、どこか「歪んだ」ダイナミズムを感じさせたからだろうか。

ペーテル・パウル・ルーベンス 《アグリッピナとゲルマニクス》 1614年頃 油彩/板 ワシントン、ナショナル・ギャラリー Courtesy National Gallery of Art, Washington

イタリアへの憧れ

フランドルのアントウェルベンで育ったルーベンスは、由緒ある家柄の生まれ。高度な教育をほどこされたものの、画家への思い捨てがたくイタリアに憧れ、1600年、ついにイタリアの地に足を踏み入れる。ルーベンス33歳のときだった。イタリアは古代ローマ時代の美術やルネサンス芸術が栄えた地であり、ローマは当時、バロック芸術の中心地だった。以来8年ほど画業に励みイタリア美術を吸収、フランドルに帰郷後は宮廷画家となり、大規模な工房を組織して精力的に制作に励んでいる。

ペーテル・パウル・ルーベンス 《キリスト哀悼》 1603年 油彩/カンヴァス ローマ、ボルゲーゼ美術館

ペーテル・パウル・ルーベンス 《ローマの慈愛 (キモンとペロ)》 1612年頃 油彩/カンヴァス(板から移し替え) サンクトペテルブルク、エルミタージュ美術館 Photograph ©The State Hermitage Museum, 2018

バロック美術を代表する画家

一方でルーベンスは、外交官としても活動している。当時、戦乱のさなかにあったヨーロッパで、彼は王の使者としてスペインやイギリスに赴き、平和をもたらすために奔走している。画家にして外交官、その立場を生かして各地の宮廷コレクションを熱心に研究し、作品の制作に役立てている。ルーベンスは、巧みな光の表現と、ダイナミックな動きのある構成によって、当時ヨーロッパで流行したバロック美術の代表的な画家となっていった。その後進に与えた影響力によって、彼はまさに「王の画家」であり、「画家の王」と呼ばれるまでに名声を高めている。

ペーテル・パウル・ルーベンス 《眠る二人の子供》 1612-13 年頃 油彩/板 東京、国立西洋美術館

ペーテル・パウル・ルーベンス 《クララ・セレーナ・ルーベンスの肖像》 1615-16年 油彩/板で裏打ちしたカンヴァス ウィーン、リヒテンシュタイン侯爵家コレクション ©LIECHTENSTEIN. The Princely Collections, Vaduz-Vienna

その高みを自分の目で

今回のルーベンス展の見所は、彼がいかにイタリア美術を学んだか、その研究時代から宗教画の時代、肖像画、そして「絵筆の熱狂」と言われる躍動する絵画、さらにヘラクレスと男性ヌード、ヴィーナスと女性ヌード、神話の叙述など、明確な章立てで、彼が参考にした作品や彼が影響を与えたイタリアの作品とともに、分かりやすく展示されていることだろう。各地の王家から絵画の制作を依頼され、貴族の称号や騎士の称号を得て宮廷画家として活躍したルーベンス、その高みを、実際に自分の目で見てみたい誘惑にかられる。

ペーテル・パウル・ルーベンス 《パエトンの墜落》 1604/05年 油彩/カンヴァス ワシントン、ナショナル・ギャラリー Courtesy National Gallery of Art, Washington

ルーベンスと『フランダースの犬』

ルーベンスの名は、わが国では英国の作家ウィーダが書いた児童文学『フランダースの犬』で知られている。絵を描くのが得意な少年ネロが憧れ、荷車引きの犬パトラッシュとともに、アントワープ聖母大聖堂の祭壇画の前でこときれる。その作品こそルーベンスの大作《キリスト昇架》だった。アニメーション「フランダースの犬」はこの秋、CS・TBSで放送予定。また、イタリアの若きテノールグループ「イル・ヴォーロ」が展覧会公式テーマソングを提供、阿川佐和子の特別番組「サワコのひとり旅 in ベルギー」やトークイベント「山田五郎のルーベンス展の楽しみ方」など、多彩なイベントも開催される予定になっている。

ペーテル・パウル・ルーベンス 《ヴィーナス、マルスとキューピッド》 1635年頃 油彩/カンヴァス ロンドン、ダリッジ絵画館 By Permission of the Trustees of Dulwich Picture Gallery.

ペーテル・パウル・ルーベンス 《エリクトニオスを発見するケクロプスの娘たち》 1615-16 年 油彩/カンヴァス ウィーン、リヒテンシュタイン侯爵家コレクション ©LIECHTENSTEIN. The Princely Collections, Vaduz-Vienna

●ルーベンス展 —バロックの誕生
会 期:2018年10月16日(火)〜2019年1月20日(日)
会 場:国立西洋美術館(東京・上野公園)
●展覧会への問い合わせ
電 話:03-3479-8600
展覧会公式ウェブサイト http://www.tbs.co.jp/rubens2018
※開館時間、休館日、入館料、割引制度など、詳細については上記の公式サイトをご参照ください。
●読者プレゼントのお知らせ
読者プレゼントにエントリーいただいた方の中から抽選で5組10名様に、国立西洋美術館で開催される「ルーベンス展 —バロックの誕生」のペア観覧券をプレゼントいたします。

エントリー期間:2018年7月17日(火)〜2018年8月27日(月)

※応募資格:エントリー期間中に、セゾンカードを1,000円(税込)以上ご利用いただいた方。
※当選者の発表は、賞品の発送(2018年9月中)をもってかえさせていただきます。
※(株)クレディセゾンが実施するほかのキャンペーンとの重複当選はございません。

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