一度は持ちたい革といえば、やっぱりクロコダイルだろう。
バッグともなれば100万円以上のものも珍しくない超高級品。
しかし、小物なら案外、手頃な価格で楽しめる。


 クロコダイルといえば……

 ……革製品の最高峰。リッチでダンディーなジェントルマンか、有名人しか持つことが許されない高級品のイメージが強い。確かに他の革製品と比べるとその希少性は際立つ。一頭のワニからとれる革の面積も少ないので、クロコダイル製品は高価だ。しかし、財布や名刺入れなどの小物であれば、意外に手頃な価格でクロコダイルの持ち味が楽しめる。
 しかも、WILDSWANSのクロコ小物なら、最近のジャケパンスタイルやリラックスした雰囲気にも、これが意外にぴったりハマる。ブラックだけでなくチョコレートカラーが選べるのも嬉しい。短パンとスニーカーにクロコの小物を合わせてみるのは最高におしゃれで贅沢だ。


 クロコダイルはなぜ高いのか

 クロコダイルの魅力はなんといってもその艶やかなウロコ模様と堅牢さにある。しかし、同じ1枚の革でもワニ(WILDSWANSはイリエワニの皮革を使用)の種類や皮革の部位によってその表情は全く異なる。ウロコの突起が高く、立体的で堅牢な背中の部分や、四角形のウロコが美しく並ぶ腹部。さらに、小判形のウロコが不規則に並び豊かな表情が楽しめる腹部の側面部分など、自然の風合いと模様の変化は多彩だ。
 さらに、通常バッグなどの大きな製品だと、できるだけシンメトリーで均一な表情を出すために大きな革でもバッグ一つ分か、せいぜい二つ分しか必要な部分を取ることができない。つまり、他の部分はすべて無駄になってしまうのだ。クロコダイルの価格の高さは、量を確保することの難しさにあるといってもよいかもしれない。


 美しいクロコが手軽に楽しめるワケ

 WILDSWANSのクロコ製品は、質の良さと美しさは他の高級ブランドと少しも変わらないのに、価格は極めてリーズナブルだ。
 なぜこのような製品が生み出せたかというと、それは「クロコの美しさ」に対する解釈の違いにあるようだ。
 前にも触れたように、クロコの魅力の一つにウロコ模様の「均一な美しさ」がある。このウロコ模様は「斑(ふ)」と呼ばれ、大きなバッグなどではその魅力は他のどんな皮革にも代え難いところがある。しかしWILDSWANSは、ウロコの模様が必ずしも均一でないところも「クロコの魅力ではないか」と考える。そうすると、いままで使えないとされていた部分も生かすことができ、捨てられていた部分が俄然、魅力を放つようになる。それらのさまざまな模様を財布などの革小物に生かすことで、クロコダイルがカジュアルに楽しめるようになったのである。


 サドルレザーとの絶妙な組み合わせ

 さらに、クロコダイルと組み合わされる革は、ベルギーのタンナー(tanner、なめし加工業者)「マシュア(Masure)社」製のサドルプルアップである。透明感溢れる艶と表情を持つこの革は、しっかりとコシがあり、堅牢そのもののクロコダイルと絶妙にマッチする。このお互いの革がもつ耐久性もさることながら、2種類の高級皮革のエイジングを同時に楽しめるとなれば、レザーマニアならずとも思わず手が出てしまうことだろう。自社にアトリエを構え、一貫して手作業にこだわるWILDSWANSだからこそ可能になった芸当といえるだろう。
 ゴージャスでありながらちょうど良いヌケ感がカジュアルな装いにもフィットするWILDSWANSのクロコシリーズ。 機会があればぜひご自身で、手に取って確かめていただきたい。
(Text/飯田 健太郎 Photographs/寺田 明香 Styling/千葉 晃子)

 

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