秩父で熟成されたウイスキー イチローズモルト 「イチローズ モルト&グレーン ホワイトラベル」(700ml)を3名様にプレゼント

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このところ日本のウイスキーが評価を高めている。
それも埼玉県秩父市で熟成された「イチローズモルト」の評判がいい。
彗星のように登場して、瞬く間にウイスキーファンを虜にした株式会社ベンチャーウイスキーの秩父蒸溜所を訪れてみた。

スコットランドのような蒸溜所

秩父連山に囲まれた秩父蒸溜所は広々としていて、周囲に泥炭(ピート)層でもあれば、そのままスコットランドの蒸溜所のような雰囲気。

「ここが秩父?」と思わせるようなイチローズモルトの秩父蒸溜所。

「ここが秩父?」と思わせるようなイチローズモルトの秩父蒸溜所。

ログハウス風の事務所棟も風情があり、いよいよウイスキーづくりのムードが漂ってくる。

ログハウス風の事務所棟も風情があり、いよいよウイスキーづくりのムードが漂ってくる。

リーフラベルシリーズもラインナップ

エントランスを入ると、イチローズモルトのウイスキーが顔を並べている。左から「イチローズ モルト&グレーン ホワイトラベル」(700ml、3,500円)、(以下はリーフラベルシリーズのピュアモルトウイスキー)「イチローズモルト ダブルディスティラリーズ」(700ml、6,000円)、「イチローズモルト MWR(Mizunara Wood Reserve)」700ml、6,000円)、「イチローズモルト ワインウッドリザーブ」(700ml、6,000円)※価格はいずれも税別、参考価格。

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オーソドックスなボトルがまたウイスキー好きにはたまらない。

確かにうまい!

イチローズモルトの一部には、その人気の高まりからプレミアム価格になっているものもあるが、それは手に入れ難いせいかもしれない。順調に生産が進めば、やがて通常の価格になることだろう。しかし、何としても手に入れたいと思う気持ちも分からなくはない。確かに、それほどうまい。

こちらは、かの有名な「カードシリーズ」。シングルカスクのウイスキーなどをシリーズ化した希少品。イチローズモルトの名を一躍、世界に知らしめた。

こちらは、かの有名な「カードシリーズ」。シングルカスクのウイスキーなどをシリーズ化した希少品。イチローズモルトの名を一躍、世界に知らしめた。

試飲用に用意されたイチローズモルトのウイスキー。「秩父」のラベルがどこか誇らし気だ。

試飲用に用意されたイチローズモルトのウイスキー。「秩父」のラベルがどこか誇らし気だ。

樽の数だけ味がある

うまいウイスキーはすいすい飲める。よく熟成してあれば、多少、味わいや香りにクセがあっても、口当たりや喉越しを刺激することはない。それで、イチローズモルトなどは、つい飲み過ぎてしまう。そこでオススメは、水割りかオンザロックだ。本物は、水割りにしても実にうまい。

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熟成中の樽からサンプルを取り出し、熟成具合をみる。同時に仕込んだウイスキーでも、樽の種類や大きさ、置く場所によって、それぞれ微妙に味や香りが異なる。

ローカルにしてグローバル

イチローズモルトは、国際的なウイスキーの品評会で数々のタイトルを獲得している。それは、自らの立ち位置がどのあたりにあるのか確かめるためであり、進んでいる方向が合っているかどうか、絶えず確認するためなのだ。一方で、秩父ウイスキーとしての独自性をも深く追求している。

World Whiskies Awardsをはじめ、国際的な賞を数多く受賞している。

World Whiskies Awardsをはじめ、国際的な賞を数多く受賞している。

少しでもウイスキーに親しんでもらおうと、樽材でつくったコースターやテイスティンググラス、樽型の携帯ストラップ、ロゴ入りのポロシャツなどが用意されている。

少しでもウイスキーに親しんでもらおうと、樽材でつくったコースターやテイスティンググラス、樽型の携帯ストラップ、ロゴ入りのポロシャツなどが用意されている。

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最大の課題は「品薄の解消」だそうだ。

祖父が残したウイスキー

株式会社ベンチャーウイスキーを率いる肥土 伊知郎(あくと いちろう)氏。大リーグのイチロー選手と間違われそうだが、「イチローズモルト」のブランドはもちろん、この人の名前から。元は江戸時代から続く造り酒屋だったが、家業が傾き、祖父の仕込んだウイスキー400樽だけが残された。これを元にウイスキーづくりに挑戦、やがて自ら蒸溜所を構えるまでになった。

土地に根ざした個性が大切

肥土氏に工場内を案内していただく。東京農業大学醸造科学科出身で、サントリーに勤務していた経験もあり、一時、スコットランドに滞在して蒸溜の技術も学んでいる。「ウイスキーは、その土地に根ざした個性を大事にしていけば、規模は小さくても十分やっていけます」と信念は揺るぎない。
会社を立ち上げたのは2004年。「バーを巡りながら、600本のウイスキーを売るのに2年もかかりました」という苦境を乗り越え、2008年に念願の秩父蒸溜所を完成。現在では4,500樽を熟成させるまでになった。

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「決して急ぎません。ゆっくりゆっくりウイスキーが熟成するように、会社もじっくり育てたい」と肥土社長。

樽で寝かせる

熟成樽はスペインのシェリー樽をはじめ、ワイン樽やバーボン樽、北海道から取り寄せたミズナラの樽など、さまざまなものを使用している。「樽の中のウイスキーは、熟成具合を見ながら別の樽に移したり、置き場所を変えたりしながら育てている」そうで、イチローズモルトならではの豊かな味わいを生んでいる。
「いずれ6,000樽ぐらいまで熟成樽を増やしたい」と肥土社長。「2020年にようやく10年ものが育ってくるので、それが30年ものになる頃が楽しみ。今、ちょうど50歳だから、それまで元気でいなくちゃ」と屈託がない。

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イチローズモルトの熟成樽にはさまざまな種類の樽が使われる。それがまた、独特の風味を生む要素になっている。

ウイスキーの原料となるモルト(大麦麦芽)は英国などからの輸入品。
モルトには、適度なスモーキー感(燻し香)のあるものも使用している。
麦芽はさまざまな種類が使用され、種類によって粉砕の状態が変えられる。
粉砕されたモルトは秩父の伏流水を加熱したお湯を加え、マッシュタン(仕込釜)で糖化させる。
液状のモルトは澄んだ麦汁を得るために濾過される。その後、酵母が加えられ、発酵タンクへ送られる。発酵タンクは普通、ステンレス製のものを使用するところが多いが、イチローズモルトでは独自の風味を生むため、あえて木製のタンクを使用している。
蒸溜は、2台のポットスチル(単式蒸溜釜)を使って2度、行われる。蒸溜釜のデザインによってウイスキーの味わいも変わってくるそうで、水平に伸びたラインアームの角度によって雑味のないスムースな味わいが得られる。
ポットスチルはスコットランド製。いずれはスコッチウイスキー以上の”チチブウイスキー”が生まれるかもしれない。
そのポットスチルから流れ出る無色透明の蒸溜液は、アルコール度数約70度のウイスキー原液。
蒸溜の進み具合によって、味も香りも変わってくる。最終的な蒸溜液は、雑味も青臭さも消え去った、
かすかに甘い香りを漂わせる澄んだ味わいのモルト原酒になっていた。
この原酒が樽詰めされ、少なくとも3年以上、熟成されて初めてモルトウイスキーとなる。
さらに、さまざまな年代のウイスキーと調合されながら、イチローズモルトらしいウイスキーとなる。
蒸溜所内にはボトリングのラインが敷設され、自社で瓶詰めからラベリング、箱詰めまでして出荷されていた。

目指すは「秩父のウイスキー」

スコットランドをはじめ、アイルランド、カナダ、アメリカ(バーボン)、それに今や日本がウイスキーの5大産地だそうだ。しかし、イチローズモルトが目指すのはあくまで「秩父のウイスキー」。

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ブランドの原義は「焼印」。「私が責任をもって生産しました」という意味で木箱に個人名の焼印を押したのが始まり。だからブランドは個人名が本来の姿。

すべて秩父産の素材が夢

現在、麦芽は輸入品に頼っているが、いずれは秩父産の大麦麦芽に変えていきたいという。そのために、試験的にウイスキーづくりに合う大麦の栽培を始めている。それも、秩父の風土に合う大麦ということで、いろいろ試しているそうだ。
そうした試みが実ってようやく、理想のイチローズモルトが完成することになるのだろう。

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いつか「秩父産の素材と水、秩父の自然の中だけでウイスキーをつくるのが夢」だそうだ。肥土社長の、はるか遠くを見るような眼差しが印象的だった。

(Text/水木 康太郎、Photographs/千葉 芳敬)

●イチローズモルトへの問い合わせ
株式会社ベンチャーウイスキー 秩父蒸溜所 Tel. 0494-62-4601
●読者プレゼントのお知らせ
エントリー期間中、セゾンカード・UCカードを1,000円以上ご利用いただいた方で、読者プレゼントにご応募いただいた方の中から抽選で3名様に、イチローズモルトの「イチローズ モルト&グレーン ホワイトラベル」(700ml)1本とテイスティンググラス+オリジナルコースター(各2個)をプレゼントいたします。
※当選者の発表は、賞品の発送(2016年7月中)をもってかえさせていただきます。
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