三陸海岸の絶景ホテルが全館リニューアルオープン! 浄土ヶ浜パークホテル 1泊1室2名様ご利用でビュッフェスタイルの朝・夕食付き宿泊券をプレゼント

東日本大震災で大きな被害を被った南北約600kmの三陸海岸。
そのほぼ中心に位置する宮古市の浄土ヶ浜パークホテルがこの3月、
全面リニューアルオープンした。

佇まいはホテルだが、サービスは旅館対応。

佇まいはホテルだが、サービスは旅館対応。

東銀座の「いわて銀河プラザ」

東京・東銀座の、ちょうど歌舞伎座の斜め向かいあたりに、岩手県のアンテナショップ「いわて銀河プラザ」がある。それで、歌舞伎を見に行くときはよく立ち寄る。毎朝、岩手から出来立てのお弁当が届くので、観劇のお弁当はここで調達することにしている。ここのソフトクリームが抜群においしく、地酒・地ビール・地ワインのコーナーも見過ごせない。

外観は洋風だが、しつらえはあくまで和風。

窓辺に一部、雁行のデザインを取り入れており、海側からの外観も堂々としている。

被害に遭ったわけではないが……

そこで手にしたのが浄土ヶ浜パークホテルのパンフレット。表紙に「平成28年3月17日(木)全館リニューアルオープン」とあったので、震災で壊れたホテルがようやく再開にこぎつけたものと思い、早速、行ってみることにする。後で知ったことだが、実はこのホテル、海抜50mの高台にあって、ほとんど被害を受けることはなかったそうだ。

絶景を誇るホテルだけあって、館内の至るところに眺望を楽しむスペースが設けられている。

基本は旅館のサービスだが、レストランの対応などはホテルのスタイル。その和洋折中が違和感なく調和している。

浴衣姿で行き来できる大浴場の近くには「ちょっと一息」のコーナーも。このあたりの配慮がこころにくい。

まずは現地ヘ行ってみよう

復興で忙しい被災地を観光で訪れるのは、どうも気が引ける。かといって、他に何かできるわけでもない。そんな格好をつけているより「ともかく現地へ行って、一緒に飲んだり食べたりしながら話を聞くだけでも、観光を盛り上げるのに役立つのではないか」という声が、どこからともなく聞こえてきそうだ。そこで東京から片道約650kmの道のりを車で走ってみた。

ビューバス付き和室ツインベッドルーム。ベッドを入れてあるが、雰囲気は「和」のテイスト。

ビューバス付き和室ツインベッドルーム。ベッドを入れてあるが、雰囲気は「和」のテイスト。

客室と同様に眺望を楽しめるガラス張りのビューバス。

客室と同様に眺望を楽しめるガラス張りのビューバス。

新しい道路が次々に開通

途中、遠野に寄ることを思いつき、東北自動車道の「北上江釣子(きたかみえずりこ)I.C.」で降りてローカルロードをひた走る。驚いたことに、比較的新しいカーナビソフト(2015年11月版)に入れ替えてあるにもかかわらず、カーナビに表示されない新しい自動車道が次々に開通していて、途中、寄り道をしたにもかかわらず、想定していた時間よりもかなり早くホテルに着いた。周辺部分を含めて、三陸の復興は急ピッチで進められているようだ。

海側の和室。全74室の客室をはじめ、総工費10億円をかけてすべての施設が一新された。改装は、観光需要を喚起するためでもある。

海側の和室。全74室の客室をはじめ、総工費10億円をかけてすべての施設が一新された。改装は、観光需要を喚起するためでもある。

眼下に浄土ヶ浜の海辺を望む絶景ホテル。2016年6月には皇太子ご夫妻が行啓、このホテルに滞在されている。

眼下に浄土ヶ浜の海辺を望む絶景ホテル。2016年6月には皇太子ご夫妻が行啓、このホテルに滞在されている。

ゆったり落ち着いた対応

外観はホテルだが、客室や大浴場などは旅館の雰囲気。スタッフがとても落ち着いていて、にこやかに、ゆったりと対応してくれる。数字が目の前にちらついているホテルや旅館は、お客さんよりそちらのほうが大事なので、どこか浮き足立った感じになるが、ここではしっかりとお客さんの目を見て暖かな対応をしてくれる。経営母体がどのような会社なのか、ちょっと気になってくる。

客室は和室だが、バスルームはホテルのよう。

客室に用意された浴衣のサイズが合わないときは、エレベーター前に男女別、サイズ別に浴衣ボックスが用意されているので自由に換えられる。

地元の公共交通機関が母体

株式会社浄土ヶ浜パークホテルの代表取締役副社長で総支配人の関 敦彦氏にお伺いすると、親会社はご自身も取締役を兼ねている地元の企業「岩手県北バス」とのこと。さらにそのバス会社は、東京に本拠を置いて公共交通事業体の経営を担う株式会社みちのりホールディングスの一員だという。関氏はそこの取締役マネージングディレクターでもある。

客室は旅館対応なので、希望すれば客室で夕食のサービスを受けられる。地元産の食材を使用した料理でテーブルがいっぱいになる。

客室は旅館対応なので、希望すれば客室で夕食のサービスを受けられる。地元産の食材を使用した料理でテーブルがいっぱいになる。

ワインも岩手県花巻市に本拠を置くエーデルワイン製。「五月長根葡萄園(さつきながねぶどうえん)2015」はリースリング・リオン100%で、すっきりした口当たりの白ワイン。

ワインも岩手県花巻市に本拠を置くエーデルワイン製。「五月長根葡萄園(さつきながねぶどうえん)2015」はリースリング・リオン100%で、すっきりした口当たりの白ワイン。

長期的な展望で経営

さらにその先をたどると東京・丸の内に本社を置く株式会社経営共創基盤(IGPI)に行き着いた。産業再生機構の元中心メンバーによって設立されたハンズオン型の経営支援会社である。ハンズオンというのは一般に、自ら経営に深く関与しながら常駐協業して事業の再生・成長を支援していくもので、事業価値のある事業体を、長期的な展望で成長軌道に乗せていくところに大きな特徴がある。ホテルの余裕すら感じさせる対応は、こうした経営母体のお陰かもしれない。

ホテルのショップには地元産の食品やお土産品が並ぶ。客室に用意されていたお菓子「浄土ヶ浜 塩まんじゅう」は人気ナンバー1。耳のような形をした手づくりの「田老(たろう)かりんとう」や「うにみそ汁」もうまい。

ホテルのショップには地元産の食品やお土産品が並ぶ。客室に用意されていたお菓子「浄土ヶ浜 塩まんじゅう」は人気ナンバー1。耳のような形をした手づくりの「田老(たろう)かりんとう」や「うにみそ汁」もうまい。

地元に愛されてこそのホテル

関総支配人は中央大学経済学部を卒業後、メーカーや外資系投資会社・銀行などで財務の仕事に従事、2003年に産業再生機構の執行役員に就任して41社の事業再生に関わっている。その後、経営共創基盤設立に参画、現在は宮古を「第二の故郷」というほど愛し、この地に「骨を埋める覚悟」でホテルの仕事に打ち込んでいる。「お客様のご愛顧は元より、地元に根ざし、地元に愛され、地元に役立ってこそホテル。お互いのコミュニケーションを何より大切にしています」というように、ホテル出身ではないだけに、「ホテルとはこうあるべきだ」という既成概念にとらわれず、スタッフを大切にする経営に取り組んでいる。東日本大震災の際も、大きな被害に遭わなかったこともあり、約5カ月間にわたってホテルを避難所や全国からやってくる警察関係者の宿泊所として提供、一般営業を再開したのはようやく8月になってからだった。「ホテルの究極の役割は人の命を守ることですから当然です」と、信念に揺らぎはない。

「龍泉洞に遠野に平泉、猊鼻渓(げいびけい)や小岩井農場、それにもちろん浄土ヶ浜も。岩手は本当に素晴らしいところだらけ。ぜひいろいろ寄っていってください」と地元のPRに余念がない。

「龍泉洞に遠野に平泉、猊鼻渓(げいびけい)や小岩井農場、それにもちろん浄土ヶ浜も。岩手は本当に素晴らしいところだらけ。ぜひいろいろ寄っていってください」と地元のPRに余念がない。

コミュニケーションが命

こうしたホテルに泊まってみると、「おもてなし」と一口にいっても、やはり「人とのコミュニケーションが命」ということに気づく。少しでも早く帰りたかろうに、仲居さんは健気にも「ゆっくりとお食事をお楽しみください。岩手の地酒、美味しいですよ」とすすめ上手だ。素材の由来から地元の料理方法、キタムラサキウニの旬などについて聞くと、つい「次は毛ガニの季節にでも来るか」となるではないか。震災の体験談などをうかがいつつ、いつの間にかこちらが励まされていた。

客室の目の前に広がる豪快な海の風景。

客室の目の前に広がる豪快な海の風景。

野趣あふれるホテルの脇道が冒険心をそそる。ここを降りてビーチへ。

野趣あふれるホテルの脇道が冒険心をそそる。ここを降りてビーチへ。

「さながら極楽浄土のごとし」ということから名付けられたという浄土ヶ浜。このビーチから眺める日の出はまさに絶景とか。

「さながら極楽浄土のごとし」ということから名付けられたという浄土ヶ浜。このビーチから眺める日の出はまさに絶景とか。

森は海の恋人

ホテルのすぐ近くに岩手県立水産科学館があったので寄ってみた。岩手の漁業は、単なる採取漁業から「育てて採る」栽培漁業へ、大きく変化していた。その中枢を担うのが岩手県水産技術センター(釜石市)であり、その成果を紹介するのがこの水産科学館だった。三陸の海の幸を「お天気まかせ、風まかせ」にせず、安定した産業にするために、多くの若者たちが新しい漁業に取り組んでいる。海の水質を守るため「森は海の恋人」をキャッチフレーズに、まずは森づくりから始めているのには本当に驚かされた。

ホテルのすぐ近くにある岩手県立水産科学館。

ホテルのすぐ近くにある岩手県立水産科学館。

昔の漁業から現代の漁業まで、分かりやすく展示されている。

昔の漁業から現代の漁業まで、分かりやすく展示されている。

このエイのとぼけた表情は、いつまで見ていても見飽きることがなかった……。

このエイのとぼけた表情は、いつまで見ていても見飽きることがなかった……。

震災を記憶する「津波遺構」

すぐ隣の田老(たろう)港に行ってみた。大きな津波に見舞われたところである。高台にあったお陰で三陸鉄道の田老駅は無事だった。しかし、田老港に近い「たろう観光ホテル」は4階まで浸水、2階までは柱を残してすべて流出していた。そのため宮古市が取得、現在は「津波遺構」として保存されている。一方、たろう観光ホテルの経営陣は田老港の岬の上に新たにホテルをつくり、「渚亭 たろう庵」として生まれ変わらせている。田老港を眺めていると、それだけで自然に胸がいっぱいになった。

トンネルを入ってからホームに出る三陸鉄道の田老駅。

トンネルを入ってからホームに出る三陸鉄道の田老駅。

三陸鉄道は元気に走っていた。

三陸鉄道は元気に走っていた。

「津波遺構」として後世に震災を物語るかつての「たろう観光ホテル」。

「津波遺構」として後世に震災を物語るかつての「たろう観光ホテル」。

岩手のお酒なら飲めるぞ

帰りはCDで森進一の「港町ブルース」(作詞・なかにし礼、作曲・猪俣公章)などを聞きながら、宮古・釜石・気仙沼とたどって一関I.C.から東北自動車道に乗った。三陸海岸はダンプカーがうなりを上げて走り回り、復興に向けて道路や橋が急ピッチで造成されていた。もう5年もしたら、風景は一変していることだろう。何もできないが、岩手のお酒なら少しは飲めるぞ。ぜひまた、行ってみたいと思う。

田老港の入り口に位置する「三王岩(さんのういわ)」。

田老港の入り口に位置する「三王岩(さんのういわ)」。

三陸海岸を田老港から北へ向かうと、海ぎわは急峻な断崖の連続。

三陸海岸を田老港から北へ向かうと、海ぎわは急峻な断崖の連続。

どうもカッパはいそうだ……

浄土ヶ浜への行き帰りに立ち寄りたいところはたくさんあった。その一つが遠野。NHK朝の連続テレビ小説「どんど晴れ」に度々、登場していた「カッパ淵」を、実際に見てみたかったのである。柳田國男が「遠野物語」に書き残した「川には河童多く住めり」は、この「カッパ淵」によって裏付けられているような気がする。やはり、見ると聞くとでは大違い。カッパ淵に行ってみると、カッパが今にも出てきそうな気配がした……。

柳田國男の世界が横溢する「とおの物語の館」。

柳田國男の世界が横溢する「とおの物語の館」。

遠野は「遠野物語」によって永遠の命を吹き込まれたかのようだ。

遠野は「遠野物語」によって永遠の命を吹き込まれたかのようだ。

カッパの好物、キュウリがぶら下げられた「カッパ淵」。

カッパの好物、キュウリがぶら下げられた「カッパ淵」。

●浄土ヶ浜パークホテルの問い合わせ
Tel. 0193-62-2321
http://www.jodo-ph.jp
●読者プレゼントのお知らせ
エントリー期間中、セゾンカード・UCカードを1,000円(税込)以上ご利用いただいた方で、読者プレゼントにご応募いただいた方の中から抽選で、浄土ヶ浜パークホテルの1泊1室2名様ご利用でビュッフェスタイルの朝・夕食が付いた宿泊券をプレゼントします。
※当選者の発表は、賞品の発送(2016年9月中)をもってかえさせていただきます。
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