World Walking Vol.5 Brooklyn -Williamsburg & Greenpoint- BELLOCQ TEA ATELIER(ベロック・ティー・アトリエ)のプーアル茶を3名様にプレゼント
ブルックリンの「Williamsburg(ウィリアムズバーグ)」と「Greenpoint(グリーンポイント)」は、古いものと新しいものが交差することで独特の雰囲気を生み出している街。マンハッタンよりもちょっとリラックスした感じで、街には自由でクリエイティブな空気が満ちています。
マンハッタンから地下鉄で数駅の距離
マンハッタンのイーストビレッジからイーストリバー越しに見えるブルックリンのウィリアムズバーグ地区。ブルックリンブームの火付け役とも言えるこのエリアは、一昔前のSOHOエリアのようにクリエイターが広いロフトを求めて移り住んだことから盛り上がります。倉庫や工場などの安くて広い物件を見つけては自分たちの手でスタジオに改装し、そこに仲間が集まり新しいカルチャーが育つ。その楽しそうな雰囲気は倉庫街のイメージを変え、独自の自由な風土がうまれました。
ウィリアムズバーグエリアを散策するには、南端の「Marcy Av St.」がおすすめ。アッパーマンハッタンからは地下鉄のMライン、ロウワーマンハッタンからはJラインで一本です。もともと住宅地ということもあり、北側のグリーンポイントまでマンハッタンとは一味違うくつろいだ雰囲気を楽しめます。
街の雰囲気を壊すことなく変化する
インテリアにレンガを使った「ブルックリンスタイル」のモチーフとなっている街並みが、ブラウンストーン建築群。高い建物が少ないブルックリンでは、広がる青空にレンガの赤茶色が際立ちます。100年を超える建築物も多く、重厚な外観を生かしたリノベーション物件が多いのもブルックリンの特徴。
以前に紹介したミートパッキング地区同様に、産業構造の変化によって空洞化してしまった工場街などを活性化させる手段としてもコンバージョンやリノベーションは効果的。スクラップ・アンド・ビルドによって街の景観を壊すのではなく、歴史とともに美しい街並みを残すことで地域ブランディングの一翼を担っています。
ルーフトップバーが大人気
太陽が心地よいシーズンのニューヨークでは、ルーフトップバーが大人気。もともとマンハッタンでは、摩天楼の夜景を楽しむゴージャスなクラブのようなスタイルが賑わっていたのですが、テラスや屋上でゆっくりお茶を飲んだりランチを楽しんだりするのがブルックリンスタイル。休日には広い空を求めて、マンハッタンから遊びに来るニューヨーカーも増えています。
ブルックリンは全体的に高い建物が少ないので、低層の屋上から眺める景色がとても気持ち良く、イーストリバー越しに眺めるマンハッタンの夜景も人気です。一見外からはわからなくても、あちこちのカフェに屋上へ続く階段があるので探してみてください。晴れた日には風を感じながらゆったりとした時間を過ごせます。
地域コミュニティの息遣いを感じる
ウィリアムズバーグやグリーンポイントには、レコードショップやライブハウス、書店から、バイクや自転車の専門店も多く見かけます。こうしたお店はオーナーの顔が見える個人経営のお店が多く、コミュニティスペースとしても機能しています。店先でコーヒーを片手にちょっとおしゃべりをしたり、ライブやイベントについて情報交換したりと実に楽しそう。多くの人々が行き交うニューヨークにありながら、どこか人のぬくもりを感じます。
この雰囲気はブルックリン全体に感じるもので、新しい価値観が生まれているのを感じます。働き方や豊かさなど、これまでの価値観に疑問を持つ人々が、大量のデータコンテンツよりも一冊の本との出会いや、音楽を聴く時間そのものを楽しむことを求め、使い捨ての大量消費よりも愛着のあるものを修理しながら長く使うことに価値を見出すようになったのだと思われます。こうした変化を敏感に感じ取り、柔軟に対応したのがフリーランスのクリエイターやアーティスト。豪華なライフスタイルよりもシンプルで心地よい生活を求めて、ブルックリンへと移ってきたのです。フレンドリーなスタッフの対応や、街行く人々の雰囲気から、彼らの新しい考え方やカルチャーが地域に溶け込んでいるのを感じます。
クリエイティブの力を感じる街
Brooklyn Lager(ブルックリン・ラガー)で有名なBrooklyn Breweryは、小さなビール工場ながら数々の賞を受賞し、クラフトビールブームの東京でも人気です。もともとアメリカではクラフトビールが盛んで、ブルックリンにも50を超えるブリュワリーが存在したそうです。そのルーツはドイツから移り住んだ移民たちによって始まりましたが、1970年代にはブルックリンの最後の醸造所も閉鎖してしまいました。
そんなブルックリンのクラフトビールを復活させたのが『クラフトビール革命 地域を変えたアメリカの小さな地ビール起業』の著者であり、ブルックリン・ブルワリー創業者のスティーブ・ヒンディ。AP通信社の特派員としてアルコールが飲めない中東に勤務していた彼は、独自の手法でビールを作りクラフトビールを作り上げます。その際にロゴのデザインを依頼したのが、「I♡NY」のデザインで有名なグラフィックデザイナー、ミルトン・グレイザーでした。彼は当時立ち上げたばかりのこの会社の株式の数パーセントと「一生分のビール」でロゴデザインを引き受けました。ニューヨーク州政府観光局の登録商標になっている「I♡NY」のキャンペーンロゴも無償で引き受けたという、彼らしいエピソードです。
個性的なお店をめぐる楽しみ
グリーンポイントは、ウィリアムズバーグよりも少しローカル色が強くなり、個性的なお店が集まってきています。BELLOCQ TEA ATELIER(ベロック・ティー・アトリエ)もそのひとつ。3人のクリエイターによって立ち上げられたお茶のブランド「BELLOCQ」のスタジオも兼ねたこの店舗では、ブルックリンから新しいお茶の文化を提案しています。
ティータイムを「身近で日常的な贅沢」と位置づけ、店内では実験的なブレンドの茶葉を提案したり、不定期ながらワークショップやアートエキシビジョンなどのイベントも行ったりしています。世界中から集められた茶葉が美しいストッカーに収められ、壁一面を埋め尽くす姿は圧巻。また、茶葉だけでなく、茶器や書籍など独自の審美眼で集められたアイテムもあり、インテリアの参考にもなりそうです。
ぬくもりを感じるニューヨーク
ブルックリンには下町のようなのどかな空気と、エネルギッシュな創造力に溢れています。近隣住民や地域のコミュニティを大切にし、個人経営の商店や地産地消を大切にする生き方はマンハッタンにも少しずつ影響を与え、ニューヨーク全体が何となく優しくなった印象を受けます。それは、いままでの価値観に対する新しいムーブメントなのでしょうか。
ブルックリンに限らず、シアトルやポートランドなどで起きている新しい潮流を「ヒップ(感度が高い)」なムーブメントと呼んだりしますが、この街を見ていると決して一過性のブームではなく、消費スタイルや働き方に疑問を持ち続けることで、都市の中の新しいライフスタイルを体現しているように感じます。
次回は、ブルックリンとマンハッタンのダウンタウンをつなぐマンハッタンブリッジのふもと「DUMBO(Down Under the Manhattan Bridge Overpass)」エリアからご紹介します。
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※当選者の発表は、賞品の発送(2016年11月中)をもってかえさせていただきます。
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