World Walking Vol.6 Brooklyn -DUMBO- キングス・カウンティ蒸留所のチョコレートフレーバーウィスキーを3名様にプレゼント

「Down Under the Manhattan Bridge Overpass」を略した「DUMBO(ダンボ)」。その名の通り、マンハッタンからイーストリバーを渡る「ブルックリンブリッジ」と「マンハッタンブリッジ」の間のエリアを指します。歴史地区にも指定されたこのエリアは、ニューヨークでも屈指の人気スポットとなり、いかにもブルックリンらしい雰囲気を舞台に次のブームの担い手たちが競い合っています。

自転車でマンハッタンブリッジを渡って

「DUMBO」エリアを散策するなら、地下鉄のFラインの「York St」駅かA・Cラインの「High Street」駅が便利です。また、天気の良い日なら自転車でマンハッタンブリッジを渡ってみるのもオススメ。いつも外から眺めている橋を自分の足で渡る爽快感は格別で、ゆっくり流れる景色と心地よい風は自転車での移動ならでは。いつもと違う視点で街を見ることができ、まるでこの街が自分の地元になったような感覚を楽しめます。

自転車はマンハッタンやブルックリンのいたるところにバイクステーションがあり、クレジットカードがあればツーリストでも手軽に借りることができます。好きなところで借りて、目的地近くのステーションに返せるので、ちょっとした移動にも便利です。スマートフォンを使えば近くのステーションの場所や空き状況も簡単にわかるので、ぜひ活用してみてください!

体力が残っていたら、帰りは徒歩でブルックリンブリッジを渡ってマンハッタンへ戻るのも楽しいですね。

景色がゆっくりと流れ、違った視点から街を楽しめる。

ブリッジではたくさんのメッセンジャーとすれ違う。彼らの個性的なスタイルから今のニューヨークを感じる。

自転車は目的地の近くで返せるので、ちょっとした移動にも便利。

ゆっくりと時間が流れるニューヨーク

イーストリバー沿いに伸びる「ブルックリンブリッジ・パーク」は、セントラルパーク同様、自然と戯れることができるニューヨーカーの癒しスポット。向こうが摩天楼に囲まれた森と湖なら、こちらは川と風が心地よく流れる開放的な雰囲気です。日向ぼっこをしているカップルやアイスクリームを片手に散歩する親子、ジョガーや犬の散歩をしている人たちなど、みんな思いおもいの時間を過ごしています。

この公園のシンボルともいうべきメリーゴーラウンドが「Jane’s Carousel(ジェーンの回転木馬)」。この地区の開発に寄与したジェーン・ワレンスカさんがアンティークの回転木馬を修復し、寄贈したもので、ガラス張りの外観は建築家ジャン・ヌーベルによるもの。なんともキッチュなオブジェのようですが、このミックス感覚が街並みに溶け込んでいるのがいかにもニューヨーク。セントラルパークの馬車同様、妙に馬が似合うから不思議です。このメリーゴーラウンドは実際に遊ぶこともでき、子どもたちの楽しそうな声が響きます。

ブルックリン側からイーストリバー越しに見るマンハッタン。映画などでよく見かけるシーンは、やはり絶景。

ブルックリンブリッジはアメリカで最も古い吊り橋。

古いものに新しい価値を与えるのがブルックリン流。

家賃の高騰がトレンドを後押し

さまざまな食のトレンドを生み出すブルックリンの中でも、特にDUMBOエリアのカフェ・レストランは気合が入っている印象を受けます。というのも、ここ数年のブルックリンブームで最初にトレンドスポットとして注目を集めたのがこのエリア。マンハッタンから最も近い場所ということもあり、家賃が一気に高騰しました。DUMBOにお店を出すからには、カフェやレストランも独自性を打ち出さなければ生き残ることはできないのでしょう。

結果的に話題のお店が続々と集まり、トレンドが加熱することでニューヨーク中のグルメが注目するというサイクルが生まれています。値段は若干高いかもしれませんが、素晴らしいお店がたくさんあるので、ぜひニューヨークの食のトレンドを味わってみてください。

味はもちろん、内装や演出にも趣向を凝らしているお店が多い。

ランチタイムには絶品ハンバーガーを巡るのもおすすめ。

シェフやスタッフの立ち居振る舞いもスタイリッシュで隙がない。

お店からカルチャーを発信

DUMBOエリアは街全体がトレンドを発信しています。それは、レストランだけでなく、カフェでもセレクトショップでもギャラリーでも、みな「うちのお店はこういう特徴があるの」と、誇らしげに話すのが印象的。ウィリアムズバーグやグリーンポイント、ブッシュウィックなどのお店がローカルのコミュニティとして機能しているのに対し、DUMBOでは自ら情報発信しているお店がたくさんあります。

地元のフォトグラファーの写真展やライブイベントなどを開催する「powerHouse Books Arena」は、人気出版社が経営するアートブックを中心としたセレクトショップ。イベント用に店内の奥がすり鉢状の階段になっていて、普段は座って本を読め、イベント時には観覧席にもなるそうです。他にも、アンティークをリメイクするアーティストのお店ではDIYワークショップを開催したり、キッチン用品店のなかに精肉店ができて料理教室まで開催したりと、独自のスタイルを確立しているお店がたくさんあります。家賃の高騰を嘆くだけでなく、新しい発想で未来を切り開こうとする勢いがなんとも心地よく感じます。

2006年にオープンした「powerHouse Books Arena」では、様々なイベントが催される。

DUMBOエリアで見つけたビルの中のサーフショップ。2011年にロングビーチで世界大会が開催され、最近のニューヨークではサーフシーンも盛り上がっている。

古着やアンティークもアーティストがリメイクして販売することで価値を高めている。

小さなお店が面白い

DUMBOはマンハッタンから見ればいわばブルックリンの入り口なので、どこへ向かうのも便利です。上品なブラウンストーンのブルックリンハイツを通って、Atlantic Av(アトランティックアベニュー)沿いを歩けば、そこはファミリーに人気の「BOCOCA(ボコカ)」エリア。もともとはおしゃれなニューファミリーの間で「Cobble Hill(コブル・ヒル)」が人気になり、周辺の「Boerum Hill(ボーラム・ヒル)」、「Carroll Garden(キャロル・ガーデン)」まで人気が飛び火したことから、最近では3つのエリアの頭文字を取ってこの周辺を「BOCOCA」エリアと呼んでいます。

もともと中間層からアッパーミドルの家族が住んでいたこともあり、地元で人気のカフェや、受賞歴のあるレストランなどの名店がありました。そこに新しいファミリー層が加わることで、現在ではアウトドア専門のセレクトショップやデザイナーによるジュエリー雑貨店、オーガニックな食材を扱う専門店など、小さいけれど地元に愛される、ユニークなお店が集まっています。

 

ブルックリンハイツエリアは、歩いているだけで住民の生活が垣間見える。

Atlantic Avの端、ブルックリン・ブリッジパークの境には、ビースティ・ボーイズのアダム・ヤウクが幼い頃遊んでいた公園がある。死後、彼を偲んで公園の名前が彼の名前になった。

Atlantic Avの端、ブルックリン・ブリッジパークとの境には、ビースティ・ボーイズのアダム・ヤウクが幼い頃遊んでいた公園がある。死後、彼を偲んで公園の名前が彼の名前になった。

日本でも人気の「HATCHET OUTDOOR SUPPLY」は、斧が重なったマークが目印。

「DELLAPIETRAS」は、ドライエイジングされた様々な熟成肉を中心としたオーガニックフードのお店。

地元住民に愛されている街

このエリアには、ブルックリン最大のショッピングエリア「FULTON MALL(フルトン・モール)」があります。メインのフルトンストリートにはカジュアルウェアのお店や家電量販店など、日用雑貨などを扱うお店を中心に200近くのショップが軒を連ねる横丁的なエリアです。若者が道端で集まってケバブを食べたり、女の子が連れ立ってブティックを覗いたりと、ブルックリンの営みを垣間見ることができます。また、百貨店の「macy’s(メイシーズ)」もあり、休日はお母さんの買い物に付き合うお父さんの姿なども見かけ、なんだか微笑ましい雰囲気。このあたりは中東系やアフリカ系のコミュニティもあるため、いかにもニューヨクらしいエスニックな印象を感じます。

「macy’s」はこのエリアのランドマーク的な存在ですが、さらにその存在を際立たせているのが建物を囲むように描かれたグラフィティ・アート。文字だけなので一見サインのようにも見えますが、実はこれ「ESPO」というグラフィティ・アーティストによる作品。近隣住民から集めたブルックリンへのメッセージを描いたもので、その名も「Love Letter to Brooklyn」と名付けられています。なんとも地元愛を感じるエピソードです。

ブルックリン最大のショッピングエリア「フルトンモール」。横丁的な賑わいに胸が踊る。

カジュアルウェアのショップのセレクトもなかなか興味深い。

少しずつ建築開発が進むも、残すべきものは残す街づくり。

贅沢よりも豊かな暮らし

17世紀に開拓が始まり、アメリカ全土でも最も古い地区の一つと言われるブルックリン。いろんなエリアを散策すると、さまざまな人種がそれぞれ地域コミュニティを形成し、大切に育ててきたことがよくわかります。数ブロック離れるだけでガラリと変わる街の表情は、まるで小さな世界を渡り歩くような不思議な感覚。地域住民の日々の営みが、世代を超えて文化を紡いできたことを感じさせます。

「移民の街」と称されるニューヨークは、街を歩き、美味しいものを食べ、買い物をするだけでも刺激的ですが、暮らしている人とのコミュニケーションからは、贅沢とは少し違う“豊かさ”を感じることが多かったように感じます。それは、生き抜くだけで精一杯だった人々が遺してくれた、日々の生活のなかで一番大切なものなのではないでしょうか。

街を歩くことでさまざまな文化に触れることができるニューヨーク。そして、やって来るたびに目覚ましい変化と新しい魅力を教えてくれる街。何度でも訪れたくなる街です。

このエリアで一番大きく、美しい公園「Fort Greene Park」。

ヴァンナチュールや地元のお酒も扱う街角のリカーショップ。

試飲をしながら食事とのマリアージュを相談する姿も。

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