バトラーのいるバケーションハウス 葉山ファニーハウス 夕・朝食付きペア宿泊券を1名様にプレゼント

神奈川県・葉山「秋谷の海」の最前列に位置する「葉山ファニーハウス」。

東京藝術大学教授を務めた建築家・吉村順三(1908〜1997)は、現在の「皇居新宮殿」(1968年竣工)の基本設計を手がけた(宮内庁と意見が対立したため途中で辞任)ことで知られる。わが国を象徴する宮殿を設計したということは、わが国を代表する建築家の一人であることに間違いはなさそうだ。その吉村順三の作品履歴で「湘南 秋谷の家」(1965年)として知られるのが「葉山ファニーハウス」である。

「葉山ファニーハウス」ウエストサイドヴィラのリビングルーム。水平線が窓の中央に位置しており、海と直に対話するような位置に身を置くことができる。このスイート・スポットともいうべき「最上の空間」を探し当てるところに、吉村マジックがある。

ライトの建築からも影響

吉村順三は東京美術学校(現在の東京藝術大学)を卒業した後、現在も東京に設計事務所があるアントニン・レーモンドに師事したという。レーモンドはフランク・ロイド・ライトの弟子なので、吉村順三は間接的にライトの影響を受けたことになる。筆者にとってのライトは、訪れたことのあるアリゾナ州スコッツデールの建築専門学校タリアセン ウエストであり、フェニックスのアリゾナ・ビルトモアホテルである。人の動きに呼応した空間構成と、自然と一体化したような建築は、人に安心感とのびやかなくつろぎをもたらしてくれる。

間接的に屋内に自然の光を取り込むことによって、家全体がやわらかな空気感に包まれる。

温かな建築

その吉村順三の作品は、今でも全国各地で見ることができる。中でも、軽井沢の自身の山荘「吉村山荘」(1962年)と、長野県南牧村の「八ヶ岳高原音楽堂」(1988年)には多くのファンがいることだろう。そこには、人の営みへの温かな眼差しが溢れており、建築による富の誇示や権力の威圧とは無縁の、心地よい空気が流れている。途中で辞めざるを得なかったとはいえ、「皇居新宮殿」がこの人によって設計されたのは幸運だったと言えるだろう。

軽快な屋根の線と解放感にあふれた壁面を持ちながら、程よい軒の深さをもつテラス。海が荒れた日にも、これなら安心。

ほとんど原型のまま再生

日本の知性と品格を代表する建築家・吉村順三が手がけた家に泊まれることを知ったのは、ネットのお陰だ。海辺のオーベルジュを探していて見つけたのが「葉山ファニーハウス」だった。「元は2世帯の家族のために建てられたひとつながりの家だったのですが、長い間、住む人もなく放置されていたのを弊社のオーナーが見つけて再生したのが葉山ファニーハウスだったのです」というのはFunny株式会社のアシスタント・ディレクター、新地博則氏。レストラン事業を営む会社で、2015年にこの施設をオープン。レストランとガラス張りのビューバスルームを新設した以外は、ほとんど原型のままだという。

テラスから眺める葉山の海は、まさに一幅の絵画。
目の前の海は、人の手で岩を置いたかのようなリズミカルな岩場。遠浅の海は、驚くほど水が澄んでいる。
ゆっくりと沈む夕日をただぼんやりと眺めているだけで、時の経つのを忘れる。
6人掛けのゆったりとしたダイニングスペース。ちょっとした仕事を持ち込んでも、ここならのんびりこなせる。
キッチンには冷蔵庫、電子レンジ、トースター、ミキサー、ポット、コーヒーマシーンなど、料理道具一式が揃う。冷蔵庫には缶ビール、チューハイ、カクテルボトル、ワインなどが冷えている。

お気に召すまま

客室はウエストサイドヴィラとサウスサイドヴィラの二つ。つまり、1日に2組のゲストしか迎えない。それだけに、二人のバトラーが交代で、ゲストの希望は何でも叶えてくれる。たとえば、友達を呼んでパーティを開きたいとか、テラスでバーベキューを楽しみたい、目の前の海でカヤックをしてみたい、逗子駅までリムジンを頼む、釣った魚を料理してもらえないか……etcといった具合。毎日2組だけのゲストだからこそ、個別の希望に応じることも可能なのだという。

二方向と天井をガラス張りにしたビューバスルーム。窓を開け放つと、さながら“海の上の露天風呂”といった趣。
バスタオルとバスローブ、湯上がりのパジャマがセットで用意されている。リネンのパジャマの着心地の良さは出色。
アメニティもふんだんに用意されている。
左手にビューバスルームが見える。葉山ファニーハウスと秋谷の海はこんなにも近い。
夕日を眺めながらのバスタイムは格別。
今年14歳になる孫は、とうとう2時間もこのお風呂を楽しんでいた。

葉山の贅宅

元は住宅だったので、客室には自由に使えるキッチンが備えられ、マスターベッドルームの他にそれぞれ「フラットルーム」がある。これは、クッションを敷き詰めたフレキシブルな空間で、布団3組を敷くことができる。つまり、カップルのほかに、家族や仲間と一緒に泊まることが可能。この地に別荘を持つのは叶わぬ夢。ましてや、吉村順三設計の家に泊まるなど、夢のまた夢。しかし、年に数回の無理なら可能かもしれない。ここはまさに、海と語ることのできる類のない「葉山の贅宅」なのだから、無理するだけの価値はあるだろう。

ウエストサイドヴィラのベッドルームはメゾネットの2階部分。ベッドはクイーンサイズ。
使い勝手のいいフラットルーム。雑魚寝気分がなつかしい。
富士山を見るためだけに設けられた小さな窓。これこそ、ロマン!
サウスサイドヴィラのリビングルーム。右奥にダイニングルームが見える。
海辺のテラスでとる朝食は最高! 気分はすっかり、コート・ダジュールだ。
サウスサイドヴィラのベッドルームは、ダブルベッドとセミダブルベッドのツイン仕様。

ユニークなダイニング

葉山ファニーハウスのダイニングシステムはとてもユニークだ。季節や宿泊日にもよるが、1棟あたりの宿泊費は2名利用で朝食付き1泊1名35,000円〜。その朝食は、パンとソーセージ、ベーコン、卵などが予めセットされ、翌朝、備え付けのキッチンで自炊するというもの。料理が苦手な人にはルームサービスの別メニュー(別料金)もある。夕食は宿泊費に含まれていないので、テラスダイニングを予約したり、外のレストレンに出かけたり、あるいはキッチンで自炊したりと、自由に選ぶことができる。

右手のテラスダイニングはリノベーションの際に増設したもの。
客室のテラスでフレンチスタイルのプレミアムバーベキューも可能(4名以上、3時間のフリードリンク)。
テラスダイニングから見えるのは海だけ。ここは海辺の特等席だ。
テラスダイニングは鉄板カウンター6席、テラス6席。
プレミアムファニーコースは12,900円。
葉山の贅フルコースは8,900円。

幸運な出会い

コースのメニューは、季節ごと、あるいはその日の仕入れ具合によって異なるので、細かく決めていない。しかし、ここの料理を目当てに外部からお客さんがやってくるので、少ないテーブルはすぐいっぱいになる。施設のどこにもサインを表示していないので、通りがかりのお客さんがやってくることはまずない。多くは口コミで評判を伝え聞いた、葉山に別荘を持つ人たちである。小さな施設なので、利用できただけでも幸運と思わないわけにはいかない。

葉山の幸ショートコースは6,500円。
有り難いのは、大人の隠れ家といった趣でありながら、子どもも受け入れてくれること。
メニューには、子ども向けの料理もある。
夕食後のデザート。マカダミアナッツの実を自分で割ってみるのも楽しい。
シェフの桜井隆太氏。ロンドンとニューヨークのレストランで修行を重ねた本格派。寡黙ではにかみ屋だが、研究熱心なことで知られる。

価値ある建築遺産

それにしても、吉村順三の「作品」と言っても良いほどの建築遺産を、よくぞここまで再生し、守り育て、実際に宿泊できるようにしてくれたものだと、感謝の念がわいてくる。聞けば、Funny株式会社は、レストラン業の経験は豊富だが、宿泊事業は初めてという。開業を担当した新地博則氏は「この建物に合う家具調度を探すだけでも大変でした。見学に訪れる建築の学生や専門家の方もたくさんいらっしゃいますので、価値が下がるようなことはとてもできません」と、現在もいささか緊張した面持ち。一方で、文化の担い手としての誇りも感じているようだ。

現場の作業も担う新地氏。「全く宣伝をしていないのですが、設計家の知名度の高さでしょうか、ファンが増えています」とやり甲斐を感じている様子。

前の晩に用意してくれた3人分の朝食セット。別にミルクやジュースなどの飲み物も用意されている。

丁寧に結ばれたパッケージを開くとこの通り、朝の食材が現れる。自分の手でオムレツを作ったり、ソーセージやベーコンを料理したりするのも楽しい。

“僕の細道”を探してみよう

湘南の名勝・葉山は逗子、鎌倉、江ノ島など、近隣に見所も多い。城ヶ島から横須賀を経由してドライブしてみるのも楽しい。三浦半島は、思いのほか鄙びたところがある反面、思いがけないほど新しさを感じさせるレストランに出くわすこともある。東京や横浜などに近い割に、実はあまりよく知られていないところもある。海沿いの道から少し分け入って“僕の細道”を探してみれば、葉山ファニーハウスのような隠れた宝物が見つかるかもしれない。

長者ヶ崎から葉山の海を眺めると、改めて穏やかな海の広がりに目を奪われる。
葉山の御用邸の敷地内には、海に向かって下山川が流れている。
「バチスタ手術」で知られる心臓血管外科医・須磨善久氏が開設して院長を務めたこともある「葉山ハートセンター」。モナコの循環器病センターに範をとったそうだ。
三浦半島の南端沖にある城ヶ島の灯台。日本で5番目に点灯した西洋式灯台だそうだ。
●「葉山ファニーハウス」への問い合わせ
Tel.046-874-9991(10:00〜19:00)
https://hayama.funnyfunny.jp/
●読者プレゼントのお知らせ
エントリー期間中、セゾンカード・UCカードを1,000円(税込)以上ご利用のうえエントリーいただいた方の中から抽選で1名様に、「葉山ファニーハウス」のペア宿泊券(夕・朝食付き)をプレゼントいたします。
※宿泊券有効期間:2017年7月〜2017年12月までの6ヵ月間

エントリー期間:2017年4月17日(金)〜5月25日(木)

※当選者の発表は、賞品の発送(2017年6月中)をもってかえさせていただきます。

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