日中文化交流協定締結40周年記念 特別展「三国志」 東京国立博物館 平成館 特別展「三国志」のペア観覧券を5組10名様にプレゼント

関羽像(かんうぞう) 青銅 明時代・15~16世紀 新郷市博物館蔵

時は2世紀末から3世紀にかけて、漢王朝の権威が陰りを見せる中、相接する魏(ぎ)・蜀(しょく)・呉(ご)の三国が覇権を争い、それぞれの覇者、曹操・劉備・孫権が壮絶な戦いを繰り広げる。その中から生まれたのが英雄伝説「三国志演義」。張飛や諸葛亮孔明の活躍に胸を躍らせた方も多いことだろう。このドラマの世界を「史実」で裏付けようというのが今回のリアル「三国志」展。21世紀に入って曹操高陵(そうそうこうりょう)が発見されるなど、三国志研究は新たな局面を迎えている。

関羽(かんう)・張飛像(ちょうひぞう) 土、彩色 清時代・19世紀 天津博物館蔵

「演義」はあくまで物語

「三国志演義」が書かれたのは、元代末から明代初頭(14世紀中頃)にかけて。作者は羅貫中というのが有力だ。「演義」というのは歴史上の事実をもとに、それを「通俗的に書き改めたもの」とされている。当然、底本が存在するわけだが、それこそが西晋の時代(265年〜316年)に陳寿が記したという歴史書「三国志」である。映画『レッドクリフ』(ジョン・ウー監督、2008〜2009年公開)で有名な「赤壁の戦い」(劉備・孫権の同盟軍が曹操軍を破る)が208年のことなので、戦いからそれほど時を経ずに書かれた「三国志」は、史実に忠実な「正史」とされている。

関帝廟壁画(かんていびょうへきが)「張飛(ちょうひ)、督郵(とくゆう)を鞭打(むちう)つ」(部分) 土、彩色 清時代・18世紀 2010年、内蒙古自治区フフホト市水門塔伏龍寺 内蒙古博物院蔵

趙雲像(ちょううんぞう) 木 清時代・17~18世紀 安徽省亳州市花劇楼 亳州市博物館蔵

「曹休(そうきゅう)」印(いん) 青銅 三国時代(魏)・3世紀 2009年、河南省洛陽市曹休墓出土 洛陽市文物考古研究院蔵

史実があるから面白い

「三国志演義」は、「それでこそ演義」と言いたくなるほどの無類の面白さに満ちている。仁徳のある劉備と権力欲の塊のような曹操の対立が、すでに善玉と悪玉のドラマ仕立て。これに劉備の参謀・諸葛亮孔明や、勇猛果敢な武将たち、関羽・張飛・趙雲らが加わると、まさに「血湧き肉踊り膝の骨笑う」(筒井康隆の小説の一節)ありさまとなる。この「三国志演義」の物語世界に誘われて、その戦いの舞台・長江の小三峡などに分け入って、切り立った断崖の底から絶壁を見上げたりしていると「あの崖の細い道を兵士たちが歩いたのか……」と、思わず感慨にふけりたくなる。

蛇矛(じゃぼう) 青銅、鍍錫 石寨山文化期・前2世紀 1956年、雲南省昆明市石寨山3号墓出土 雲南省博物館蔵

撒菱(まきびし) 青銅 後漢~三国時代・3世紀 1985年、陝西省勉県定軍山出土 勉県博物館蔵

最新の歴史研究に基づく特別展「三国志」

「三国志演義」の面白さは、それが荒唐無稽な架空の物語などではなく、ある程度の史実にもとづいている点だろう。そうなるとさらに「実際はどうだったのだろう?」という好奇心がわいてくる。今回の特別展「三国志」は、最新の考古学や歴史研究に基づく「三国志」の世界を見せようというもの。海外初出品となる河南省の曹操高陵出土品や、呉の皇族クラスの墓と目される江蘇省の上坊1号墓など、最新の発掘成果が目白押しだ。日中文化交流協定締結40周年記念の年とあって、力のこもったリアル「三国志」展になっている。

金製獣文帯金具(きんせいじゅうもんおびかなぐ) 金、貴石象嵌 後漢時代・2世紀 2009年、安徽省寿県寿春鎮古墓出土 寿県博物館蔵

虎形棺座(とらがたかんざ) 石 三国時代(呉)・3世紀 2006年、江蘇省南京市上坊1号墓出土 南京市博物総館蔵

漫画や人形劇ともコラボ

とはいえ「楽しくなければ展覧会ではない」というのが最近のトレンド。そこで、小説や漫画、ゲーム、人形劇など、世代を超えて親しまれている「三国志」らしく、様々なジャンルの「三国志」とコラボレーションした催しも関心を呼びそうだ。中でも、横山光輝の漫画作品「三国志」(後にアニメ化)や、NHKで1982年10月から1984年3月まで放映された川本喜八郎の「人形劇 三国志」など、多くのファンに親しまれたエンターテインメントの世界とリアル「三国志」がどう交わるか、今から楽しみだ。

蝉文冠飾(せみもんかんしょく) 金 西晋時代・3世紀 2003年、山東省臨沂市王羲之故居洗硯池1号墓出土 臨沂市博物館蔵

NHK「人形劇 三国志」より、人形美術家・川本喜八郎作「曹操」。飯田市川本喜八郎人形美術館蔵 ©️有限会社川本プロダクション

●日中文化交流協定締結40周年記念 特別展「三国志」
会場:東京国立博物館 平成館(東京・上野公園)
会期:2019年7月9日(火)〜2019年9月16日(月・祝)
当日券:一般 1,600円 他
●展覧会への問い合わせ
Tel. 03-5777-8600(ハローダイヤル)
展覧会公式ウェブサイト:https://sangokushi2019.exhibit.jp/
※開館時間、休館日、観覧料、割引制度、企画券など、詳細については上記の公式ウェブサイトをご参照ください。
●読者プレゼントのお知らせ
読者プレゼントにエントリーいただいた方の中から抽選で5組10名様に、東京国立博物館 平成館で開催される特別展「三国志」のペア観覧券をプレゼントいたします。

エントリー期間:2019年4月17日(水)〜2019年5月27日(月)

※応募資格:エントリー期間中に、セゾンカードを1,000円(税込)以上ご利用いただいた方。
※当選者の発表は、賞品の発送(2019年6月中)をもってかえさせていただきます。
※(株)クレディセゾンが実施するほかのキャンペーンとの重複当選はございません。

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