エアバッグをリユースするエシカルプロジェクト yoccatta TOKYO(ヨカッタ トーキョー) 「yoccatta」の再生したエアバッグの生地で作られたポーチを3名様にプレゼント

エアバッグが作動しなくて「良かった」という思いをブランド名にした「yoccattaTOKYO(ヨカッタトーキョー)」。役目を終えた未作動の廃棄エアバッグとシートベルトをリユース(再利用)してファッションアイテムを作り出しています。デザイナーの伊藤卓哉氏にお話を伺いました。

再利用が難しいエアバッグ

伊藤氏によると「2016年の日本の新車販売台数は約497万台(※)。一方で、廃車にされる台数は300〜350万台、かなりの台数が毎年廃車されています。これらの自動車の多くには、万が一に備えてエアバッグが装備されています。事故に遭うことなく役目を終えた車両は、未作動のエアバッグとともに解体されているのです」とのこと。

さらに「現在はリサイクル技術が進み、自動車のほとんどのパーツは再利用することが可能ですが、シートベルトやエアバッグなどの繊維素材は、リサイクルできずに焼却処分されてきました。私たちの身近で安全を守ってくれる存在でありながら、それを実感することのないエアバッグの役目は、ほとんどの人が気がつかないまま、その使命を終えていくのです」と、現状について話してくれました。
※出典: 日本自動車販売協会連合会、全国軽自動車協会連合会

搭乗者の安全性を高めるアイテムなどは、素材が加工されていたり、仕組みが複雑だったりするため再利用が難しい。

気持ちが良いモノづくり

こうして事故に遭うことなく役目を終えたエアバッグに、再び光を当てようと始まったプロジェクトが「yoccatta TOKYO(ヨカッタ トーキョー)」。事故に合わなくて「ヨカッタ」。無駄にならなくて「ヨカッタ」。エアバッグに関わった様々な人たちの思いをブランド名に込めて、環境保全や社会貢献の一助を目指し、エシカル・ファッション・ブランドとして活動しています。

とはいえ、廃棄されたエアバッグを違う商品として蘇らせる工程は、原材料の購入、洗浄、裁断可能な状態への加工、そして縫製と多岐に渡ります。立体の状態から始まるエアバッグの裁断工程は、通常の生地を使用するより手間がかかります。現在販売されているバッグ「begin(ビギン)」シリーズは、デザイン、生産、運営の三社が力を合わせることで商品化できました。「ファッション業界で凌ぎを削っているプロ達が同じ思いで集まりました。皆さんの思いが集まって”気持ちが良い”モノづくりをしています。」と、伊藤氏は語ります。

右が取り外された直後のエアバッグ。洗って左のような状態まで綺麗にする。

真っ白な生地に戻すことで、染めることも可能になる。

今回の読者プレゼントになっているポーチ。エアバッグの可能性を求めて、刺繍やプリントが施されたれている。(現在は非売品)

捨てたくないデザイン

廃棄エアバッグに使われている”66ナイロン”という繊維は、カバンに適した素材です。しかし商品として再利用するためには、火薬臭やゴミを洗って取り除く必要があります。そのため、栃木県の解体工場から購入したエアバッグとシートベルトは、デニム用の洗い工場へと運ばれクリーニングされます。その後、エアバッグは人の手で解体され裁断されます。大量生産で利益を第一に考えれば、避けて通りたい工程です。「しかし、ここに今までとは違う”カッコよさ”が潜んでいるような気がします。なんとか再生したいというこの”気持ち”もデザインの一部ではないでしょうか」と伊藤氏は説明します。

「この様な考え方は、有機野菜栽培や物を持たないミニマルなライフスタイルにも通じるものがあると思います。食物なども、本来は不安定だけれども必要な量だけ栽培していたはずですが、大量に効率よく安定供給すると大きな利益につながるため、初めから”捨てることが前提”の商習慣が生まれました。
もともとは、モノがないから作り、安定した供給を目指しました。しかし、今ではモノが溢れ、大量に捨てられている。ものを持たないライフスタイルにしたって、そうした無駄なエネルギーにストレスを感じた人が、シンプルで長く使えるものを選び、多少の手間を惜しまずに丁寧に暮したいと持続可能な消費スタイルに切り替えた。買わせるためのデザイン、捨てられることが前提の商品よりも、捨てたくない商品やデザインが、特にファッションの世界で大切になっていくのではないか。私はそうなっていってほしいと願っています」。そうした思いは、廃棄されることを前提にして作られるパッケージの簡素化などの姿勢からも伺えます。

エシカルという考え方や、プロダクトを作ることの難しさと楽しさについて話す伊藤氏。

再利用の可能性を求めて試作されたコート。

こちらはシートベルトを補強材にしたアウトドアチェアの試作品。

シンボルマークに込めた思い

伊藤氏は今後の消費には、品質表示にもオーガニックやエシカル、サスティナビリティなど、ユーザーの意思を表す表記も求められていくだろうと話します。

「これからの時代、素材がどこから来たものかを知るためのトレーサビリティの導入など、メーカーの姿勢や考え方も品質表示に求められると思います。それがきちんと利益につながるようになれば、偽装問題や効率優先のモノづくりにメリットがなくなり、消費する側も気持ちよく買い物ができるようになるのではないかと思います」。

「yoccattaのロゴはひらがなの『よ』をモチーフに、これまでの考え方を赤、これからの変化を青の矢印で表現しています。赤は途中で止まるけれど、青は途中で考え方や方向を変えながら、紆余曲折はあっても、最終的に緩やかに上向きなっていくという願いを込めています。赤と青を選んだのは、動脈と静脈のように、20世紀的であった自分が、21世紀になって新しい考え方と出会い、それが鼓動となって血の通ったモノづくりをしていく決意を込めて選びました」と、倫理的で持続可能な未来への思いはロゴマークにも込めています。

品質表示の一環として、再生の過程がバッグの中にプリントされている。

シンボルマークにはさまざまな想いが込められている。

少しずつ、でも、確実に

「yoccatta TOKYO」の活動は少しずつ広がりを見せています。
日本車で初めて市販車にエアバッグを搭載したHONDAとのコラボレーションをはじめ、先日開催された「東京モーターショー2017」では、オフィシャルグッズとしても発売され、大きな注目を集めています。

「ブランド名にTOKYOと入れたのは、車の多い世界中の地域でこうした活動が広がることを願ってのものです。東京モーターショーなど、世界の自動車ファンから注目の集まる場所で発表できたことは、こうした活動の広がりを感じることができて嬉しいですね。私自身、子供の頃はカーデザイナーに憧れた、大の車好きです。憧れが持てるかっこいい車が増えて、安全で楽しいカーライフが続くことの一助になれば、車好きのデザイナーとしてこんなに嬉しいことはありません」。

人知れず廃棄されていく素材に光を当て、クリエイティブの力で世の中にメッセージを投げかける「yoccatta TOKYO」プロジェクト。今後は「yoccatta+(ヨカッタプラス)」として、様々な端材の活用や廃棄素材の再利用を目指していくことで、少しでも多くの「ヨカッタ」を増やしていきたいとのこと。消費者だけでなく、多くのクリエイターも注目を寄せるエシカルという考え方。少しずつ、でも確実にその輪は広がりを見せていきそうです。

世界中の自動車関係者が集まった東京モーターショー2017。

会場ではオフィシャルグッズとして販売された。

エシカルという発想は、作り手だけでなく、消費のスタイルとしても確実に広がりつつある。

●yoccatta TOKYOに関する問い合わせ
SD-WORKS Tel.03-5465-1855
http://yoccatta.tokyo/
※上記のサイトは音がなります。
●読者プレゼントのお知らせ
エントリー期間中、セゾンカード・UCカードを1,000円(税込)以上ご利用のうえエントリーいただいた方の中から抽選で3名様に、yoccatta(ヨカッタ)のエアバッグ生地を活用したポーチをプレゼントいたします。

〈詳細〉
柄:サークルステッチ・かすれボーダー・TOKYOワッペン いずれか1個
※柄はお選びいただけません。ご了承ください。
サイズ:横240mm×縦165mm
素材:ボディ/66ナイロン (再利用エアバッグ)
※このシリーズは、メーカーや車種が無差別の廃棄エアバッグとシートベルトを再利用していますので、色やシワ、風合いが一点一点異なり、品番印字やステッチ、また汚れがある場合上がります。

エントリー期間:2017年11月17日(金)~12月28日(木)

※当選者の発表は、賞品の発送(2018年1月中)をもってかえさせていただきます。

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