もっと深く。 特別展「深海 2017〜最深研究でせまる“生命”と“地球”〜」 国立科学博物館 ペア入場券を5組10名様にプレゼント

深海は「水深200メートルより深いところ」と呼ぶことが多い。そこから先は、太陽の光が届かない闇の世界とされているが、厳密には水深200メートルから1,000メートルまでは「トワイライトゾーン」とされ、ぼんやりとした薄明かりが射しているという。このエリアの深海生物のおよそ9割には発光能力がある、というから驚く。

発光生物の謎に迫る

今回の「深海 2017」の見どころの一つが、この「発光生物」。深海の生物がなぜ発光するのか、そのメカニズムや目的についてはまだまだ解明されていないことが多いが、貴重な映像と多数の生物標本による「生物発光シアター」で発光の謎に迫る。特に、何らかの刺激を受けると傘の表面から星屑のように光り輝く青い粉を波上に撒き散らす「クロカムリクラゲ」の生態は、不思議というほかない。何のために光る粉を撒き散らすのか? 光で相手を威嚇しているのではないか、とも考えられているが、それがどれほどの効果をもたらしているのか、検証はこれからだ。

驚異の発光物体「クロカムリクラゲ」 ©NHK/ ZDF/ZDFE /CURIOSITYSTREAM LLC

深海魚は闇の世界で何を見る

太陽の光が届かない深海では、目はほとんど役に立たない。にもかかわらず、深海生物の多くが発光するのは、目が特殊な光にだけ反応するように変化したのだろうか。あるいは、かすかな光にも反応するように、目が特殊な進化を遂げているとも考えられる。その一つが「デメニギス」。透明なドーム状の眼を持つデメニギスの視野は、極限まで広げられているに違いない。

ザ・深海魚「デメニギス」(CG) ©NHK/ ZDF/ZDFE /CURIOSITYSTREAM LLC

深海だとなぜ巨大化するのか

日本列島の周辺には、8,000mを超える海溝をはじめ、さまざまな深海環境が存在している。そこには、多くの深海生物が分布しており、深海生物相の成り立ちは、日本列島成立の歴史とも深く関連している。そこで日本の深海調査研究船「かいれい」や有人潜水調査船「しんかい6500」、さらには世界最大の科学掘削能力を持つ「ちきゅう」などによって、深海底の様子が徐々に解明されようとしている

伝説の怪物「ダイオウイカ」 ©NHK/NEP/DISCOVERY CHANNEL

世界最大の等脚類「ダイオウグソクムシ」

深海の巨大ザメ「オンデンザメ」 ©JAMSTEC

地球最深部の生き物

深海の中でも、水深6,000mより深いところは「超深海」と呼ばれている。太陽の光はもちろん、ここまでは届かない漆黒の闇の世界だ。しかも、巨大な水圧にさらされるので、生き物が生息するには過酷すぎる環境とみなされてきた。しかし、そんな超深海の世界にも、生き物はいたのである。エビの一種の甲殻類の仲間である。彼らは一体、何を食べて生きているのだろうか。そんな極限環境に生きる生物の、驚くべき生態も紹介される。

深海の最も深い地点で記録された「カイコウオオソコエビ」 ©JAMSTEC

深海に囲まれた日本の海

日本海は、平均水深が1,600m以上に達する深い海。過去の地球規模の環境変動によって、そこに生息していた深海生物の多くは絶滅を繰り返してきたという。しかし、しぶとく生き残ってきた日本海の固有種も存在する。その一つが巻貝で、その多くは最近、新種として報告されている。日本海と三陸沖の海域を中心に、日本列島を取り巻く周辺の深海についても紹介される。

日本海の深海性巻貝

深海底から見えてきた巨大災害

日本列島の周辺には、8,000mを超える海溝をはじめ、さまざまな深海環境が存在している。そこには、多くの深海生物が分布しており、深海生物相の成り立ちは、日本列島成立の歴史とも深く関連している。そこで日本の深海調査研究船「かいれい」や有人潜水調査船「しんかい6500」、さらには世界最大の科学掘削能力を持つ「ちきゅう」などによって、深海底の様子が徐々に解明されようとしている。

東北地方太平洋沖地震後の「しんかい6500」による海底調査で撮影された亀裂。水深5,350m で、海底の亀裂は南北方向に走り、幅と深さは1~2mだった。 ©JAMSTEC

地球深部探査船「ちきゅう」 ©JAMSTEC

今回の「深海 2017」では、海底下を掘削する機器の操縦席「サイバーチェア」の実物も展示される。サイバーチェアイメージ図 ©JAMSTEC

深海に眠る資源

「マンガンノジュール」というのは、深海底に存在する小さな岩石片や生物遺骸などを中心に同心円状に成長した、微細な鉄・マンガン酸化物の集合体のことである。ニッケルやコバルト、レアアースなどのレアメタルも含有しており、最近はコバルトの含有量の高さが注目を集めている。日本の領土で唯一、太平洋プレートに乗っている南鳥島の周辺では、マンガンノジュールやレアアース泥(高レアアース濃度の深海の泥)が見つかっている。日本近海の深海は、実はこうした貴重な資源の宝庫でもあることが分かっている。

南鳥島の東方沖、水深5,500mに広がる「マンガンノジュール」 ©JAMSTEC

深海調査で活躍する先端機器

2016年3月に完成した「かいめい」は、海底資源の分布を調査し、鉱物や鉱床の生成環境を捉える最新鋭の研究船。大気や海洋観測等の機能も備えた汎用研究船として、地震・津波に対する防災・減災研究にも従事している。「深海 2017」では、こうした日本が世界に誇る各種の深海調査技術も紹介される。
地球の表面の70%は海で覆われているが、地球の全体積に占める水の割合は、わずか0.7%にしかならないという。にもかかわらず、海底のことはまだ10%程度しか解明されていないそうだ。海底の謎は、もしかすると宇宙の謎よりもずっと「深い」のかもしれない……。

海底広域研究船「かいめい」 ©JAMSTEC

●特別展「深海 2017〜最深研究でせまる“生命”と“地球”〜」
会 期:2017年7月11日(火)〜10月1日(日)
会 場:国立科学博物館(東京・上野公園)
開館時間:9:00〜17:00 ※金・土曜日は20:00まで ◆夏休み特別開館延長【8月13日(日)〜20日(日)】 9:00〜18:00(8月18日・金と19日・土は20:00まで) ※入館は閉館時間の30分前まで
休館日:7月18日(火)、9月4日(月)、11日(月)、19日(火)
入場料:一般・大学生1,600円(1,400円)、小・中・高校生600円(500円) ◆金曜限定ペア得ナイト券2,000円 ※( )内は前売および各20名以上の団体料金
●展覧会への問い合わせ
Tel.03-5777-8600(ハローダイヤル)
展覧会公式サイト http://shinkai2017.jp/
●読者プレゼントのお知らせ
エントリー期間中、セゾンカード・UCカードを1,000円(税込)以上ご利用のうえエントリーいただいた方の中から抽選で5組10名様に、国立科学博物館「深海 2017」のペア入場券をプレゼントいたします。

エントリー期間:2017年5月17日(水)〜2017年6月26日(月)

※当選者の発表は、賞品の発送(2017年7月中)をもってかえさせていただきます。

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