半導体製造で培った技術を生かす勝沼のワインづくり MGVs(マグヴィス)ワイナリー MGVsワイナリー 赤ワインと白ワインをセットで3名様にプレゼント

山梨県甲州市勝沼町のマグヴィスワイナリー。Photo by Junya Igarashi

かつて半導体製造工場として稼働していた山梨県甲州市勝沼町の日川のほとり。そこは、類まれなブドウ栽培の好適地だった。MGVs(マグヴィス)ワイナリーは、そこにしかないテロワールの味わいをワインに込める。半導体製造さながらの緻密さで作り上げる新しい時代のワインは、未来への贈り物なのかもしれない。

MGVsはMatsuzaka Green Vineyards の頭文字を取ったもの。Vineyard(ぶどう畑)への強いこだわりが感じられる。

半導体メーカーのワイナリー

勝沼へはよく行くので、街並みはほぼ記憶にある。しかし、これまで見かけなかったシックな建物を発見。ネーミングも斬新で、都市の喧騒を逃れて新興のIT企業がオフィスでも構えたのかと思いきや、ワイナリーだという。そこで早速Netで検索、同じ甲州市の塩山に本拠を置く半導体メーカー、株式会社塩山製作所のMGVsワイナリーだと分かる。ぶどう栽培の盛んな土地柄で、多くのワイナリーがあるとはいえ、畑違いの分野に乗り出したことに興味を覚え、どのようなワイナリーなのか行ってみた。

緑の中のモダンな佇まいがよく映える。
ショップのサインはいたってシンプル。
大きなテーブル席では試飲や商談が行われる。Photo by Junya Igarashi
ショップにはワインの種類ごとにコーナーが設けられ、奥に試飲用のカウンターが用意されている。
広々としたスペースで、週末には多くの人で賑わう。
ユニークなボトルのスパーリングK537。ローマ字はぶどうの種類、3桁の数字はそれぞれ順に収穫地、仕込み、製造方法を示している。
こちらはK2。Kは甲州種、2はブドウの収穫地、一宮地区(笛吹市)を示している。
K3は穂坂地区(韮崎市)のぶどう園で収穫された甲州種のワイン。同じ種類のぶどうでも、栽培地によって味わいや風味は異なる。

本気で取り組むぶどう栽培

勝沼のオフィスの1階は試飲ができるショップになっており、大きなテーブルを据えた商談スペースもある。インテリアデザインの目が行き届いた、気持ちの良い空間である。松坂浩志社長によると、ワイナリーは半導体メーカーの一部門で「決して趣味でやっているわけではない」とのこと。「将来は半導体に引けを取らない事業にまで育っているかもしれませんよ」と笑顔が絶えない。松坂社長は元々、地元のぶどう農家の出身。ぶどうの栽培については知り尽くしている。その上、日川沿いの工場跡地が空いたことで醸造設備を入れられることになり、一気に事業化が進んだという。ワイナリーが稼働したのは2016年のこと。創業からまだ間もない。

ワイン関連のオリジナルグッズも豊富。全体に都会的なしゃれたデザインで一貫している。
ヴィンテージもののバルサミコ酢はイタリアのモデナから取り寄せいている。
ワインのラインナップは現在12種類。白ワインとスパークリングは甲州種(K)、赤ワインとロゼはマスカット・ベーリーA種(B)。
横浜のアウディ車のディーラーとコラボレーション、イベントなどを共催している。
おしゃれなトートバッグやブドウの苗木など、関連グッズについ目が向いてしまう。
ブランドメッセージや商品コンセプトがきちんと伝わるように、デザインマネージメントが徹底されているところに安心感を覚える。
オーナーからの英文メッセージ。Think Locally, Act Globallyを地で行くような展開。すでに海外への輸出も始めている。
テイスティングをしてみると、同じ種類のぶどうでも、栽培地によって味わいの異なることが分かる。

ローカルからグローバルへ

ワイン事業に取り組んだ最大の動機はこの地の「土壌の良さ」だという。「土壌改良といった無理をしなくても、勝沼とその周辺エリアにはぶどうの栽培に適した土地がたくさんある」と松坂氏。このテロワール(農産地、地域特性)を次の時代にも残したいと考えたという。そのためには、その土地固有の育種ということで、この地で長い間栽培されてきた甲州種(白)とマスカット・ベーリーA種(赤)の2種類のぶどうだけに絞って栽培している。「農業は土壌、日照、水質、雨量、風向風力、天候、気温など、さまざまな要素に左右される。だから、その土地固有のものが育つ。それこそがローカル。そのローカルを一級品に仕上げれば世界の人々が求めるグローバルになる」と遠くを見つめる。

「いいワインは、いいぶどうからしかできない。いいぶどうは、いい土壌からしかできない」と松坂浩志社長。「その良し悪しを決めるのは人だ」とも。
勝沼エリアを中心としたぶどう園の土を収集、成分を分析しながら好適地を選んでいる。
勝沼の中心部を流れる日川の周辺がいかにぶどうの栽培に適しているか、丁寧に説明する松坂社長。
日川の上流に、この地にぶどうをもたらしたとされる僧・行基が開いた大善寺がある。別名「ぶどう寺」とも呼ばれている。
勝沼市街を見晴らす丘陵地もぶどうの栽培に最適で、いくつかぶどう畑を所有している。
水はけのいい土壌に降り注ぐ太陽の光、風通しのいい方向に向けた最適な栽培方法。多くの要素を組み込んでぶどうを育てる。
意図的にぶどうを摘み残して糖度の変化を見る。バランスの取れたワインがMGVsの目指すワインだ。
「自然が相手のぶどうの栽培は簡単ではありません。栽培家、醸造家などの専門スタッフがチームを組んで取り組んでいます」と松坂社長。

テロワールへの強いこだわり

半導体製造で鍛え上げられたワインの製造プロセスは、極めて精密で科学的。それはラベルに反映されている。アルファベットのK(甲州種)かB(マスカット・ベーリーA)の後の3桁の数字は、ぶどうの収穫地(5カ所)、仕込み方法・原料の処理方法(5種類)、製造方法(8種類)の順に違いを示している。同じ種類のぶどうで作られたワインでも、ボトルに詰められた時点ですっかり異なった味わいを持つことになる。そのベースには、ぶどうが育ったテロワールへの強いこだわりがあり、その個性を活かすためのさまざまな工夫があるからだろう。

秋には甲州種のぶどうがたわわに実をつけ、収穫を待つ。Photo by Junya Igarashi
日光と雨と風、これをいかに人の手で最適に保つかがぶどうの生育具合を左右する。Photo by Junya Igarashi
マスカット・ベーリーA。過剰な日光と雨水を避けるために、袋がけは欠かせない。Photo by Junya Igarashi
採り入れたぶどうは醸造へ。ぶどうの出来具合を見ながら醸造家が最適な醸造方法を考える。Photo by Junya Igarashi
2016年に導入した最新の熟成タンクでワインは寝かされる。Photo by Junya Igarashi
ワインによっては樽発酵・樽熟成されるものもある。Photo by Junya Igarashi
必要な熟成期間を終えると、ラベルを貼られて出荷となる。Photo by Junya Igarashi

その人柄を味わう

さて、その味わいはどのようなものだろうか。スパークリングワインを含め、何本か購入して家で味わってみたが、概してクセがなく、とても飲みやすい。フルボディのワインが好みの方にはいささか物足りないと感じる向きもあるかもしれないが、それがかえって料理を美味しくいただくためのワインとして最適に思える。ワインは料理の友……主役はあくまで料理と考える方には絶好の選択となるのではないか。筆者の場合は、もっぱらつくられた方の人柄をも味わうので、どのワインも最高に美味しいと感じた。

愛犬のドーベルマン、ルイスとぶどう畑を散歩する松坂社長。ぶどうを愛するのと同じくらい溺愛している。

●MGVs(マグヴィス)ワイナリーのお問い合わせ
Tel.0553-44-6030
https://mgvs.jp
●読者プレゼントのお知らせ
読者プレゼントにエントリーいただいた方の中から抽選で3名様に、MGVs(マグヴィス)のワインを赤白セットでプレゼントいたします。

〈詳細〉
・商品名:赤ワイン B553
・価格:3,300円(税込)
・サイズ:750ml

・商品名:白ワイン K131
・価格:5,500円(税込)
・サイズ:750ml

エントリー期間:2019年12月17日(火)〜2020年1月27日(月)

※応募資格:エントリー期間中に、セゾンカードを1,000円(税込)以上ご利用いただいた方。
※当選者の発表は、賞品の発送(2020年2月中)をもってかえさせていただきます。
※(株)クレディセゾンが実施するほかのキャンペーンとの重複当選はございません。
※未成年者の飲酒は法律で禁止されております。未成年の方のエントリーはご遠慮ください。

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