World Walking Vol.3 Bali -East Area- バリ雑貨をセットで3名様にプレゼント

日本から直行便(※)でおよそ7時間ほど、赤道を越えた南半球に位置するバリ島。約17,000の島々で構成されるインドネシア共和国の島の一つです。バリ島にはたくさんの表情があり、ひとによって感じる魅力はさまざま。今回は、バリ島の中でも穏やかな雰囲気と原風景が残る島の東側へ足を伸ばしてみました。
※2016年7月現在、日本とバリ島を直行便で結ぶのはガルーダ・インドネシア航空のみ

多様なカルチャーを受け入れる文化

バリ島は、賑やかな中心地「KUTA(クタ)」をはじめ、早くからリゾート開発が進んだ東側エリア「Nusa Dua(ヌサドゥア)」、近年開発が盛んになった南側エリア「Uluwatu(ウルワツ)」、大自然の中で過ごすリゾート地「Ubud(ウブド)」、おしゃれなお店や最新のレストランが続々オープンする「Seminyak(スミニャック)」「Kerobokan(クロボカン)」など、さまざまな特徴を持つエリアが点在しています。バリ島はなぜ、これほど多様な魅力を内包するのでしょうか。

そこには、この小さな島が生き延びるための独自の文化があるようです。人口比率で世界最大のイスラム教信者がいるインドネシア共和国にありながら、島民の90%がヒンドゥー教というバリ島。独自の発展を遂げた「バリ・ヒンドゥー」とも呼ばれるこの宗教観は、ジャワ島から伝わったヒンドゥー教をベースに、山などの自然を崇拝する土着の信仰心が融合されてできあがったもの。バリ島はもともとバリ海峡を挟んだジャワ島から、物資だけでなくさまざまな文化やカルチャーなどの影響を受けてきました。しかし、15世紀ごろにジャワ島のヒンドゥー教がイスラム勢力によって衰退した頃、ジャワ島の貴族や学者、芸術家と共に僧侶たちもバリ島へ逃げ渡ってきます。彼らを受け入れたことで一気に「バリ・ヒンドゥー」は開花し、ヒンドゥーの三神である「ブラフマー(火)」「シヴァ(風)」「ヴィシュヌ(水)」とともに、自然を崇拝する独自の宗教観が育まれてきました。

オランダ統治下には西洋に向けたリゾート開発が盛んになり、伝統行事であった「ケチャ」や「ガムラン」なども観光客に楽しんでもらえるようアレンジ。小さな島だからこそ、周囲からの影響や環境の変化に柔軟に対応しながら生き抜いてきたとも言えます。その結果、現在では観光客のみならず、サーファーやダイバー、海外からの移住者なども受け入れながら、独自の発展を遂げることになったのです。排他するのではなく、受け入れるという文化が生む心地よさがバリ島の最大の魅力です。

町中で見かける白黒のチェック柄の布は「ポレン」と呼ばれ、「この世の善悪の果てしないバランスの上にこの世が成り立っている」という考え方を表している。決して勧善懲悪だけでないところがバリらしい。

万物に神が宿ると考え、いたるところに供えられる「チャナン」。悪霊にさえ「穏やかにお過ごしください」という気持ちで供えるというから驚く。ちなみに供えることに意味があり、踏まれても気にしない。

原風景を求めて東エリアへ

今回は中心地から足を伸ばして、バリ島の東側を散策します。

クタなどの市街地エリアから「バイパス・イダ・バグース・マントラ(Jl.Bypass Prof. Dr. Ida Bagus Mantra)」を通って2時間ほど車を走らせると、地元住民も多く住むローカルな雰囲気に心が和みます。レストランやショップが立ち並ぶ中心地に対して、こちらでは田んぼや海岸で巨大な凧をあげて遊んでいる風景や、バリ島で最高峰のアグン山(3,031m)を望みながら、雄大な自然とのんびりとした時間が流れます。

島の東側には「Nusa Lembongan(レンボンガン島)」も望める。

バリ島でもっとも神聖な山とされる「アグン山」。遠目にも神々しさを感じる。

休憩時間なのか営業中なのか、こちらが戸惑ってしまうほどのんびりとしている。

バリ島の人は子供から大人まで凧揚げが大好き。乾季の風物詩として親しまれている。

コウモリが守るお寺

バリ島には様々な伝説や神話があります。

クサンバ地区にある寺院「Goa Lawah(ゴア・ラワ)」もそのひとつ。バリ語で「コウモリの洞窟」を意味するこの寺院には、その名の通り数え切れないほどのコウモリが生息する洞窟があります。17世紀にバリ島中部で勢力を誇っていたメングイ王国の王子が、この洞窟を探検に訪れ行方不明になってしまいました。ところが、はるか20km先の「アグン山」の西側に建つバリ・ヒンドゥーの総本山「ブサキ寺院」で発見されたという言い伝えから、いまもこの洞窟は「ブサキ寺院」へ繋がっていると信じられています。

コウモリ洞窟の異名をとるこの寺院ですが由緒正しきバリ島六大寺院の1つで、11世紀に高僧であるウンプ・クトゥランによって建立されました。境内は大変立派な造りで、聖域である洞窟に向かって真剣に祈りを捧げるひとの姿を目にします。現在ではパワースポットとしても知られ、周辺のダイビングスポットと合わせて人気の寺院として知られています。

コウモリが苦手な方にはおススメできませんが、荘厳な雰囲気の寺院ですので足を伸ばした際にはぜひ、立ち寄ってみてください。

中央上部にコウモリのシンボルが彫られている。

地元住民だけでなく、遠方からも多くの人が参拝に訪れている。祭壇の奥が洞窟で、数え切れないほどのコウモリが飛び交う。

雄大な大木が歴史の深さを物語る。

昔ながらの営みを残す

「ゴア・ラワ」があるクサンバ地区は、海水を天日干ししただけの天然の塩が取れることでも有名。道路沿いに「SALT」の文字を見つけたら、海岸の方へ行ってみよう。伝統的な塩作りを見られることもあるので、じっくり見学したいものです。

伝統的なクサンバの塩作りは、まず海水をすくって砂浜の塩田に撒き、乾かします。塩分を含んだ砂を小屋でろ過しながら、さらに海水を加えて濃度の濃い塩水を作ります。しっかりと塩分が濃くなったところでさらに海水を天日干しし、最終的に出来上がった結晶が「クサンバの塩」になります。味見をさせてもらうと、うま味が濃く、はっきりとミネラル分を感じます。後味には不思議と甘さが残るのですが、その秘密は天日干ししている木の器にあるようです。細長い船のような器は椰子の木をくりぬいたもので、長い時間天日にさらされている間に椰子の木が塩をマイルドにしてくれるとのこと。というのも、バリ島では椰子の木の精霊が苦いものや悪いものを吸い取ってくれると信じられており、いまでも伝統的な製法では椰子の木が使われているのです。

人の手で作られたできたての塩は確かに美味しく、お土産に喜ばれのもうなずけます。

タイミングが良ければ実際に塩づくりを見せてくれることも。

小屋の中で海水をろ過しながら、塩分濃度の濃い「かん水」を作る。

椰子の木をくりぬいた船のような器のなかで時間をかけて天日干しする。

光と水の宮殿

クサンバからさらに車で北東へ1時間ほど進むと、人気のダイビングスポットが広がる「Candi Dasa(チャンディ・ダサ)」エリアへ。素朴でのどかな港町は、ゆったりとした時間が流れています。この辺りは長期滞在者やバリへ移住してきた欧米人も多く、観光客はあまり見かけません。そんな地元民の憩いの場として人気なのが「Tirta Gangga(ティルタ・ガンガ)」。アムラプラを治めていたカランガッサムの王によって1947年に建てられたもので、「水の離宮」とも呼ばれています。

「ガンジス川の聖なる水」を意味するこの庭園に流れる水は天然の湧き水で、日差しの中でもひんやりと透き通った空気に包まれます。水面を歩いているような不思議な感覚を楽しめる飛び石を配した池や、ポンプを使わずに霧のように水が噴き出す噴水など、聖なる水をモチーフにしているように感じます。園内のプールは誰でも使うことができ、子供達や多くの人で賑わっていました。また、この景色を眺めながら過ごせるホテルが「TIRTA AYU(ティルタ・アユ)」。美しい棚田と庭園を望む、まさに「水の宮殿」といえます。ウブドの森とも一味違う滞在を体験してみたい方にはぴったりです。

「水の離宮」と呼ぶにふさわしい景色が広がる。

沐浴と言うよりは気軽に水遊びを楽しむプールといった趣。

ところどころに宮殿の名残を感じる。

木陰に入るとひんやりと心地よい空気に包まれる。

ビーチとは一味違う“水の精霊”を感じることができる。

バリ島の原風景が残る場所

昔ながらのバリ島の暮らしを今も残しているのが「Desa Tenganan(トゥガナン村)」。バリ島古来の信仰や生活文化を守りながら暮らす「バリ・アガ」の村として知られ、伝統的な織物である「経緯絣(たてよこがすり/ダブルイカット)」や、つるを編んで作られる「アタ」の産地としても有名です。

経緯絣はグリンシンと呼ばれ、無病息災を意味する伝統工芸。織った状態をイメージしながら糸を染め、縦糸と横糸の組み合わせで図案を織るダブルイカットは、大変な技術と労力が必要で一見の価値あり。トゥガナン村では、糸を染める天然の染料や実際に布を織る様子も見学できるので、バリ島伝統の技術を間近に体験できます。

また、村自体も独自の方位学に基づいて配置されており、独特な雰囲気。彼らが守り続けている伝統によって、村の女性はトゥガナン村の男性と結婚するというしきたりが残っていたり、村人が全員で食事を作り、中心部の高床式になった東屋のような「バレ」という場所で一緒に食べる習慣など、村全体が一つの家族のように暮らしています。

伝統のグリンシンに身を包むトゥガナン村の女性たち。

奥へとまっすぐ伸びる不思議なレイアウト。

貴重な天然の染料。木の皮は「赤」、葉は「黒」、マカデミアオイルは「黄」になる。

糸を部分的に染めて縦糸と横糸で模様を織り成す「ダブル・イカット」。横糸だけで模様を作る「シングル・イカット」よりも格段に複雑だ。

ローカルエリアの観光にはガイド付きツアーがおすすめ

今回巡ったバリ島の東側はのどかな風景が広がり、観光客も少なく、ゆったりとした時間を過ごせるエリアです。しかし、いざ自分たちで回るとなるとなかなか大変です。ローカルなエリアはありのままの姿を見られるのが魅力ですが、それだけに言葉や習慣もバリの中心地ほど観光化されていないため、貴重な時間を無駄にしかねません。せっかくの体験を存分に満喫するなら、通訳ができるガイドさんと一緒に巡るツアーがおすすめ。

今回の取材をサポートしてくれたのはガルーダ・インドネシア航空グループが運営する「ガルーダ・オリエントホリデーズ」。ガイドのハルナディさんは日本で暮らしていた経験もあり、日本人に馴染みのないバリの文化や歴史を、とても分かりやすく解説してくれました。ツアーのプランなども事前に相談できるので、無理なく効率よく目的地を巡ることができます。何より、安心して旅を楽しめるのが嬉しいところです。

ホテルの送迎だけでなく、事前にオリジナルのツアーも組める。

今回のガイド兼通訳を担当してくれたハルナディさん(左)。どこへでも同行し、バリの文化を丁寧に解説してくれた。

次回は「スミニャック」「クロボカン」エリア

次回はバリ島の西側「スミニャック」「クロボカン」エリアをご紹介

レギャンの北に位置する「スミニャック」は、バリ島の魅力に魅せられた諸外国のレストランオーナーたちがセンスを競いあう一方、中心地にはない落ち着きと大人っぽい街の雰囲気に注目が集まっています。オリジナリティ溢れるエスニック料理、ナイトスポットなどが集中し、バリ・ライフを満喫できます。さらに北側に隣接する「クロボカン」は、プライベート感あふれるハイセンスなヴィラやブティックホテルが次々とオープンし、スミニャックと地続きの賑わいを見せています。

●この記事に関するお問い合せ
株式会社ゾディアック Libera編集部
Tel. 03-6380-0530 info@zodiac1987.com
●ガルーダ・オリエントホリデーズに関するお問い合せ
Tel.03-5288-5672 http://www.garudaholidays.jp/
●読者プレゼントのお知らせ
エントリー期間中、セゾンカード・UCカードを1,000円(税込)以上ご利用いただいた方の中から抽選で、バリのカゴ3個セットと、日本からバリ島へ直行便を運航している「ガルーダ・インドネシア航空」から、バティックとインドネシア民族音楽オリジナルCDをセットで3様にプレゼントいたします。
〈読者プレゼントセット内容〉
・カゴ(大・中・小のセット)/ナチュラル・ホワイト・グレーのいずれか1セット(手作りのため、形状にばらつきがあります。)※色はお選びいただけません。同じ色の大中小セットとなります。
・ガルーダ・インドネシア航空 バティック/サイズ約105×190cm(手作りのため、多少サイズが異なります)
・ガルーダ・インドネシア航空 オリジナルCD/「サウンド オブ インドネシア」2枚組
※当選者の発表は、賞品の発送(2016年9月中)をもってかえさせていただきます。エントリーキーワード/バリ島
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