今も昔も、日本人は「おいしい」が好き おいしい浮世絵展〜北斎 広重 国芳たちが描いた江戸の味わい〜 森アーツセンターギャラリー「おいしい浮世絵展」ペア観覧券を5組10名様にプレゼント

名酒揃 志ら玉 歌川国芳、江戸ガラス館蔵 通期

日本独自の文化が花開いた江戸時代。その風俗を描いた「浮世絵」は、世界中から高い評価を得ている。中でも「江戸の食文化」は、「和食」がユネスコの無形文化遺産に登録されたように、日本の食文化のルーツとして注目の的になっている。江戸の浮世絵師が描く日本人の「食の世界」を手がかりに、すし、鰻、天ぷら、蕎麦などがどのように楽しまれたのか、その原点に迫る。

風俗三十二相 むまさう 嘉永年間女郎之風俗 月岡芳年 味の素食の文化センター蔵 通期

江戸の食は季節の味わい

今回の展覧会を楽しむのに格好のテキストがある。キュレーターでアートライターの林 綾野氏の著作『浮世絵に見る江戸の食卓』(美術出版社)である。彼女は、「Libera」のタイトルに掲げてある歌川国芳の「志ら玉」を見てこの本を書くことを思い立ったという(ちなみに、同書の表紙もこの作品)。言われて見ると、やや着崩れた浴衣を整えるのももどかしく、冷水に浸した白玉を大鉢からすくい上げて、今まさに食べようとするところ。目は点になり、口元は緩み、白玉に夢中であることを示すかのように、髪の毛はほつれたまま。何より、全身から白玉を食べるうれしさがこみ上げてくる愛らしい様子がリアルに描かれている。蒸し暑い夏に、冷えひえの井戸水にさらした白玉は、さぞかし美味だったことだろう。

春の虹蜺(こうげい) 歌川国芳 個人蔵 通期

縞揃女弁慶 松の鮨 歌川国芳 味の素食の文化センター蔵 通期

見立源氏はなの宴 三代歌川豊国(国貞) 味の素食の文化センター蔵 通期

神無月はつ雪のそうか 歌川国貞 日本浮世絵博物館蔵 半期

さっと食べてさっと仕事に戻る

同書を読むと、すし、鰻、蕎麦などがどのようにして生まれてきたのかよく分かる。さらに、浮世絵を通して天ぷらや幕の内弁当、とろろ汁、握り飯、佃煮など、多彩な料理が楽しまれてきたこともよく分かる。私見だが、当時の江戸は、日本全国から仕事を求めて集まる独身男性であふれ返っていたようだ。彼らは、日銭を稼ぐために仕事の腕と早さを競っていた。せっかちな江戸っ子気質は、厳しい競争意識のなせる技だったかもしれない。すしや天ぷら、蕎麦などのファストフードが好まれたのも、さっと食べてさっと仕事に戻れて便利だったからに違いない。

日本橋魚市繁榮圖 歌川国安 江戸ガラス館蔵 通期

江戸高名會亭盡(えどこうめいかいせきづくし)  両国柳橋 河内屋 歌川広重 味の素食の文化センター蔵 通期

東都高名會席盡(とうとこうめいかいせきづくし)  武蔵屋 武蔵坊弁慶
歌川広重 三代歌川豊国(国貞) 味の素食の文化センター蔵 半期

東都高名會席盡(とうとこうめいかいせきづくし) 松の鮨 鮓屋娘お里
歌川広重 三代歌川豊国(国貞) 味の素食の文化センター蔵 半期

食の背景を理解する

もう1冊オススメしたいのが、時代小説家で江戸料理研究家・車 浮代氏の著書『江戸の食卓に学ぶ』(ワニブックス「PLUS」新書)。江戸の男女比はだいたい男性4に対して女性1の比率。所帯を持つことが難しかった男性にとって、食事は必然的に外食、それも屋台が主流だった、といった江戸の食卓事情を詳しく紹介している。これを読むと、日本料理は経済的でしかもヘルシー、季節の変化に沿ったレシピになっており、栄養素のバランスも良く、美味しく作られていたことが分かる。食は単に飢えを満たすだけのものではない。浮世絵に見られるように、家族や仲間と料理を分け合い、美味しく楽しく食べることも大切である。

「北斎漫画」十三編 葛飾北斎 浦上満氏蔵 通期

「北斎漫画」十二編 葛飾北斎 浦上満氏蔵 通期

「北斎漫画」十編 葛飾北斎 浦上満氏蔵 通期

食べる幸せ、食べられる幸せ

今回の見所は言うまでもなく、浮世絵を通じて江戸の食の風景を堪能できること。しかも、葛飾北斎、歌川広重、歌川国芳など、名だたる浮世絵師たちの作品で江戸の食文化をつぶさに見ることができる。「北斎漫画」が何点か展示されるが、西洋の絵画に大きな影響を与えた北斎の天才ぶりは、完成した作品もさることながら、こうした習作を見ることでより納得がいくことだろう。さらに『豆腐百珍』や『江戸買物独案内』など、当時の料理やガイドブックに関する書籍が紹介される点も得難い。目だけでなく、五感で再現料理を味わえる工夫もなされており、近隣の施設で江戸の食そのものを味わえる。大病の経験がある身にとって、好きな時に好きなものを好きなだけ食べられる幸せに勝る幸せはないことを痛感している。それだけに、江戸の幸福な食の世界をぜひ味わいに出かけたい。

名所江戸百景 びくにはし雪中 歌川広重 味の素食の文化センター蔵 通期

東海道五拾三次之内 鞠子 名物茶屋 歌川広重 浦上満氏蔵 通期

東海道五拾三次之内 水口 名物干瓢 歌川広重 浦上満氏蔵 通期

●特別展「おいしい浮世展〜北斎 広重 国芳たちの描いた江戸の味わい〜」
会場:森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ森タワー52階)
会期:2020年4月17日(金)〜2020年6月7日(日)
当日券:一般 1,800円 他
●展覧会への問い合わせ
Tel.03-5777-8600(ハローダイヤル)
展覧会公式サイト:https://oishii-ukiyoe.jp/
※開館時間、休館日、観覧料、割引制度、特典チケットなど、詳細については上記の公式サイトをご参照ください。
●読者プレゼントのお知らせ
読者プレゼントにエントリーいただいた方の中から抽選で5組10名様に、森アーツセンターギャラリーで開催される「おいしい浮世絵展」のペア観覧券をプレゼントいたします。

エントリー期間:2020年2月17日(月)〜2020年3月25日(水)

※応募資格:エントリー期間中に、セゾンカードを1,000円(税込)以上ご利用いただいた方。
※当選者の発表は、賞品の発送(2020年4月中)をもってかえさせていただきます。
※(株)クレディセゾンが実施するほかのキャンペーンとの重複当選はございません。

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