2020年3月 New Products

下町の”電熱”メーカー、株式会社石崎電機製作所 SURE（シュアー） SUREの「たっぷりスチーマー」または「どこでもスチーマー」を各1名計2名様にプレゼント

ハンガーにかけたままシワやニオイを取る「たっぷりスチーマー」。

東京の「ものづくり」エリアとして知られる台東区の「かちくら（御徒町・蔵前）」エリア。その御徒町で創業し、現在は蔵前に本社を置く株式会社石崎電機製作所は、創業90年を超す老舗の電機メーカー。もっぱら業務用のヒーティングツールやシーラー、電熱工具などで知られているが、最近はスチームアイロン、低糖質炊飯器、衣類乾燥機など、家電分野で相次いでヒット商品を生み出している。

インパクトのある「SURE（シュアー）」のロゴデザイン。

アイロンの一流品

都心の外資系ホテルに泊まったら、クロゼットに「SURE」のスチームアイロンが用意されていた。クルマやバイクのブランドならたちまち 10 くらいは出てくるが、アイロンのブランドとなると全く思いつかない。調べてみると、 SURE は株式会社石崎電機製作所のブランドであり、スチームアイロンは 2012 年の発売以来、大ヒット中の「男前アイロン」だった。さらに、本社は「ものづくり」エリアとして注目される「かちくら」エリアの蔵前にある。東京の下町発の電機メーカーが一体、どういうものを作っているのか、がぜん興味がわく。

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「たっぷりスチーマー」（税別 4,980円）なら「しわだらけのシャツでも、ハンガーにかけたまま簡単にきれいにできますよ」と企画課係長の森さん。

実際にわずかな時間でシャツの半身頃のシワがきれいに伸びた。

その秘密は水平噴射距離約80cmという強力なショットスチーム。

スチームの水蒸気が乾燥した繊維の絡まりをほぐし、繊維の奥に染み込んだニオイを蒸発させる。

ノズルのブラッシング効果もあって、シワを伸ばすだけでなく、繊維の保護にも役立つ。

アイロンがかけられないセーターやカシミヤのコートなど、起毛素材のケアにも有効。電源コードも3mある。

大容量の着脱式水タンクで、カーテンやのれん、シーツ、布製のソファ、カーペットなど、大判のインテリアファブリックのケアにも使える。

スポンジヘッドが、かけ面を柔らかく保護して衣類をよみがえらせる。

東京・下町発の電熱工具メーカー

石崎電機製作所は1928年（昭和3年）、東京台東区の御徒町で創業した電熱工具のメーカー。「半田こて」の製造からスタートして、もっぱら業務用の電熱工具を生産している。門外漢には、果たして何に使うのか、どうやって使うのか分からない製品もたくさんある。確かなのは、創業以来「電熱」にかかわる商品開発一筋に取り組んできたことと、ロゴのデザインは時代とともに変化してきているものの、創業当初から100年近く、一貫して「SURE（確かな・確実な・信頼できる）」の商品ブランドを使い続けていることだ。

「たっぷりスチーマー」を旅行用に仕立てたのが「どこでもスチーマー」（税別 3,980円）。

水タンクの着脱もワンタッチ。ポーチに「ブラシアタッチメント」やシリコン製の「置きパッド」を一緒に収納して持ち歩ける。

海外へ行っても、コイン一つで100V〜240Vの電圧切り替えが可能。

軽くてコンパクトな割に噴射面が広いので、時短シワ取りにピッタリ。

通電するとリングが光るモダンなデザイン。コードは3mある。

手のひらサイズで、女性にもらくらく扱える。

男も使いたくなるアイロン

家電製品に乗り出したのは、大手家電メーカーにOEMでアイロンを供給し始めた1948年頃からだろうか。そのアイロンも様々にモデルチェンジを重ねながら、ついに現在の「男前アイロン」に行き着く。「男前アイロン」は、ともかく格好がいい。特にブラックは「女もすなる家事といふものを男もしてみむとてするなり」（改変・紀貫之「土佐日記」）という気にさせるほど、ダンディなデザインをしている。全身黒ずくめのアイロンなど見たことがないし、とてもプロっぽくて使う気をそそる。男性の多くは道具から入りそうなので、スタイリッシュな家電やキッチン用品、子育てグッズなどが格好良くなれば、男たちは放っておいても家事に参加するのではなかろうか。

雨の日や花粉のひどい日など、洗濯物を外に干せない日に役立つのが「コンパクト衣類乾燥機」（税別 9,800円）。

バルーンに入れて乾燥機本体のスイッチをON。吊るしておくだけで、生乾きの匂いを気にすることなく簡単に部屋干しができる。上部のファスナーを閉めて、ハンガーフックを固定してラックなどに吊り下げる。

温風が出る乾燥機本体はバルーンの底部にあるネットに固定。3時間で自動停止するので安全、しかも経済的。操作はスイッチを入れるだけの簡単操作。複雑な設定や操作は不要。（ハンガーは付属していません）

バルーン内部の最高温度は約60℃に抑えられているのでふっくら仕上がる。出張の際などにも便利。

こちらは床置きタイプの大型バルーン衣類乾燥機（税別 26,800円）。外で干しにくい下着なども、室内で安心して干せる。温風の吹き出し口は下部にある。

靴を干すのに便利な専用のハンガー付き。バルーンに入れて温風で乾かすので生乾きがなく、香りもパリッとしていて気持ちがいい。

エッジの効いた製品は社風が作る

オフィスで対応していただいたのは開発部の元橋課長。こちらの依頼で主にスチーマーや衣類乾燥機をご紹介いただいたが、どのようなところを工夫し、どこに特徴があるのか、丁寧に説明してくれる。その様子が楽しそうで、仕事を楽しんでいることがよく分かる。「商品開発はリスクを伴うので、失敗することを恐れていると萎縮して新しいことに挑戦できなくなります。幸い伸び伸びした家族的な社風なので自由に発想することができます。スタッフの誰もが自由にものを言える風通しのいい環境は有り難いです」という。

これ1台でスチーマーとアイロンの2役をこなすSUREの代表的な製品「2WAYスチーマー＆アイロン」（税別 2,480円）。

軽いのでスチーマーとしても扱いやすい。服の素材に合わせてスチームの量を変えられる。

底面は滑らかに動くセラミックコーティング。

握りやすいハンドル形状で、しっかりプレスできる。ハンドルが180度回転するので、スチーマーとしてもアイロンとしても使いやすい。

近年最大のヒット商品となったコードレススチームアイロン「男前アイロン」の専用ロゴ。

都心の高級ホテルの客室でも採用されている「男前アイロン」（ブラック／税別 12,800円）。

最大の特徴は直接噴射距離90cmの超強力ショットスチーム。スチームが生地の奥まで浸透して、シワを一気にほぐしてくれる。タンクの容量200ml。たっぷり入るので長時間使える。

給電台にセットしておくだけで充電完了。80秒の素早い立ち上がりを実現している。スタイリッシュなデザインで、見るからに男前。プラチナカラーは税別 16,000円。

調理家電の市場を開く

最近は調理家電にも意欲的に取り組んでいる。普段、料理に縁のない人でも簡単操作でプレート料理を作れるマルチホットサンドメーカー「モテナシベーカー」や、家庭で簡単に自家製手作りグミを作れる「シュアーファミリーグミ＆チョコメーカー」、糖質制限が必要な人向けの「低糖質炊飯器」など、大手の家電メーカーではまず手がけないような個性的な製品が揃う。とりわけグミ&チョコメーカーなどは、女性スタッフの主導で開発が進められたのではないかと推測すると、古参の役員を説得するのも大変だったのではないかと想像したくなる。

目下、注目を集めているのが白米から最大37%の糖質をカットするという「低糖質炊飯器」（税別 30,000円）。

お米の糖質をカットしても、ごはんはふっくら美味しく炊き上がる。11品目のオリジナルレシピ付き。写真は雑穀米のワカメとひじきの低糖質ごはん。

糖質制限を必要としない方向けに、通常の炊飯方法で炊いたキノコと枝豆の炊き込みごはん（左）と、中華風鶏むね肉のヘルシー粥（右）。普通の炊飯器とほぼ同じ手順でセットするだけで、スープや蒸し料理もできる。

その秘密は内釜と外釜の2つのお釜。

内釜にお米を入れ、それを外釜にセットして、水位線に合わせて水加減を調整して炊き上げる。内釜の底の周縁部分には穴が開けてあり、炊飯中、その穴から糖質を含んだ煮汁が流れ出て分離される仕組み。

「失敗にも寛容な会社なので、お陰さまで自由にやらせていただいています」と開発部の元橋課長。だからヒット作を連発できる！

最も“熱っぽい”のはスタッフ

しかし、そんな心配は杞憂に過ぎないとすぐに思い直した。たまたま通りかかった石崎博章社長に声をかけると、気軽に応対してくれた。この気さくな雰囲気と明るい物腰から、次の100年までも続いて欲しい企業に感じた。業務用の電熱工具の世界と、家庭用の調理家電の世界は、ほとんど交わることのない世界のように思われたが、解放的な社風の中では、一つのショールームにお互いの商品が同居していても、少しも違和感を感じることがなかった。どの商品にも「熱」の要素が欠かせないSUREだが、最も“熱っぽい”のはスタッフだったかもしれない。