時を超えた永遠の美— 「カルティエ、時の結晶」展 国立新美術館「カルティエ、時の結晶」展のペア観覧券を5組10名様にプレゼント

《ネックレス》カルティエ、2018年
ゴールド、ダイヤモンド、エメラルド、スピネル、ガーネット、ターコイズ、オニキス
個人蔵 Vincent Wulveryck © Cartier

1847年にルイ=フランソワ・カルティエによってパリで創業された宝飾店「カルティエ」。20世紀初頭に3人の孫ルイ、ピエール、ジャックに引き継がれ、大きく花開いた。その創作のビジョンは、最高の素材とデザイン、それにメゾンの職人たちの卓越した技術とユニヴァーサルな好奇心だった。今回の展覧会では、1970年代以降の約40年間(1970〜2018年)に制作された現代作品も含めて約300点が紹介される。それも、半数以上が世界中から厳選した、通常では公開されることのない個人所蔵の貴重な作品。展示会場そのものがアート作品のような構成というのも見逃せない。

《大型の「ポルティコ」ミステリークロック》カルティエ パリ、1923年
ゴールド、プラチナ、ロッククリスタル、ダイヤモンド、コーラル、オニキス、ブラックエナメル
カルティエ コレクション Marian Gérard, Cartier Collection © Cartier

芸術作品としてのカルティエ

カルティエは1989年にパリのプティパレで最初の大規模な展覧会を開いて以降、ニューヨークのメトロポリタン美術館、ロンドンの大英博物館、モスクワのクレムリン美術館、北京の故宮博物院など、世界の名だたる美術館、博物館34カ所で展覧会を開催している。わが国でも1995年、2004年、2009年と、これまでに3度、東京国立博物館・表慶館などで開催してきている。このような宝飾店は、世界でも類がないのではないか。それは、カルティエの作品が、単なる宝飾品の枠を超えて、はるかなる「美の高み」、芸術作品の域にまで達していることを意味している。

《ブレスレット》カルティエ、2017年
ゴールド、ダイヤモンド、ロッククリスタル
個人蔵 Vincent Wulveryck © Cartier

《「2本のフェーン(シダ)の葉」ブローチ》カルティエ パリ、1903年
プラチナ、ダイヤモンド
カルティエ コレクション Nils Herrmann, Cartier Collection © Cartier

カルティエのコレクションとアーカイヴ

さらに、こうした展覧会を可能にしている背景として、1983年に正式に創設された「カルティエ コレクション」と、創業以来の記録をほぼ完璧な形で保存している精度の高い資料「カルティエ アーカイヴ」の存在がある。コレクションは、ジュエリーや時計など、過去に制作した価値のある作品を収集したもの。収蔵作品はすでに3,000点を超え、さらに増え続けている。アーカイヴも、手書きの受注簿を始め、在庫帳、スケッチ、デッサン、作品を原寸大で撮影した約4万点のネガに至るまで、パリ、ロンドン、ニューヨークのブティックに残る記録類が、ほぼ完全な形で保存されている。こうした几帳面さもまた、宝石商としての信頼の証になっているようだ。

《ブレスレット》カルティエ、2014年
ゴールド、ダイヤモンド、オニキス、エメラルド
個人蔵 Vincent Wulveryck © Cartier

《リング》カルティエ、2013年
ゴールド、ダイヤモンド、ブラックラッカー
個人蔵 Yuji Ono © Nikkei_Cartier 2019

半数以上が個人の所蔵

今回の「カルティエ、時の結晶」展では、約300点のジュエリー作品が紹介される。それも、1970年代以降の40年間に制作された現代の作品が中心。こうした試みは今回が初めてだ。さらに、その約半数は通常では公開されることのない個人コレクション。世界中から厳選した個人所蔵の作品を集められるのも、アーカイヴがしっかりしているからだろう。カルティエ インターナショナル スタイル&ヘリテージ ディレクターのピエール・レネロ氏は「カルティエは、優れた素材とデザイン、それを形にする職人技、ユニヴァーサルな知的好奇心、こうしたものが高い次元で調和することで驚きと感動をもたらしています。カルティエ独自のスタイルと美の世界を堪能していただきたい」と言う。鳥や昆虫、爬虫類、タイガーやパンテール(豹)をモチーフにしたジュエリーなど、王侯貴族になったつもりで鑑賞してみるのも悪くない。

カルティエ スタイルについて紹介するピエール・レネロ氏。

会場を手がけるのは新素材研究所

今回の展覧会では、会場の構成にも注目が集まる。手がけるのは新素材研究所。現代美術作家の杉本博司(すぎもと ひろし)氏と建築家の榊田倫之(さかきだ ともゆき)氏がつくる建築ユニットで、最近の代表作に小田原文化財団の「江之浦測候所」がある。そのデザイン哲学の背景には「時間」があり、「時間」そのものを感じさせる素材を用いた会場構成に関心が寄せられている。「天井の高い壮大な空間に、小さなジュエリーを展示するわけですから、どう調和させるかが難しい」と杉本博司氏。そして、時の結晶とはまさに“石”のこと。何億年もかけて結晶化され、地底に眠っていた宝石との邂逅を想像するとワクワクする。

会場イメージ 序章「時の間」新素材研究所
© N.M.R.L./ Hiroshi Sugimoto + Tomoyuki Sakakida

アートには驚きと感動がある

ところで、私たちはなぜこうも「宝石」に魅入られるのだろうか。ダイヤモンドもルビーもサファイアもその辺の“石”と違いはないはずなのに、そこに“永遠の輝き”を見る時、限りあるわが身を顧みて、永遠性への憧れが芽生えるのだろうか。今回の展覧会を数年がかりで準備してきたという国立新美術館主任研究員の本橋弥生氏は「カルティエのジュエリーは、モチーフのユニークなこと、造形の精緻なこと、デザインの普遍性などに驚きと感動がある。多くが個人の所蔵品なので、二度と見られないものもあるかもしれません。この機会にぜひご覧いただきたい」と自信のほどを語る。高価な宝飾品はつい、値段と見比べながらその価値を値踏みしがちだが、プライスレスのアート作品を見るつもりで、虚心になって見てみたい。

展覧会の見どころなどについて語る国立新美術館主任研究員の本橋弥生氏。

●「カルティエ、時の結晶」展
会 場:国立新美術館 企画展示室 2E(東京・六本木)
会 期:2019年10月2日(水)〜2019年12月16日(月)
当日券:一般 1,600円 他
●展覧会への問い合わせ
Tel.03-5777-8600(ハローダイヤル)
展覧会ホームページ:https://Cartier2019.exhn.jp
※開館時間、休館日、観覧料、割引制度など、詳細については上記の展覧会ホームページをご覧ください。
●読者プレゼントのお知らせ
読者プレゼントにエントリーいただいた方の中から抽選で5組10名様に、国立新美術館で開催される「カルティエ、時の結晶」展のペア観覧券をプレゼントいたします。

エントリー期間:2019年7月17日(水)〜2019年8月26日(月)

※応募資格:エントリー期間中に、セゾンカードを1,000円(税込)以上ご利用いただいた方。
※当選者の発表は、賞品の発送(2019年9月中)をもってかえさせていただきます。
※(株)クレディセゾンが実施するほかのキャンペーンとの重複当選はございません。

エントリーキーワード/カルティエ
エントリーはこちら

test single
test single