World Walking Vol.24 Beaune(ボーヌ) VEDRENNEの「スーパーカシス」と「ブルゴーニュ産白ワイン」の“キールセット”を2名様にプレゼント

フランスワインの代表的な産地のひとつブルゴーニュ。なかでも、美しいぶどう畑が広がる「Beaune(ボーヌ)」は、ロマネ・コンティ、トラペなどの世界的にも有名なドメーヌ(※1)が並び、収穫が終わった秋にはまさに「コート・ドール(黄金の丘陵)」が広がります。街には鮮やかなモザイク屋根のオテル・デュー(オスピス・ド・ボーヌ)をはじめとするロマネスク文化があふれ、葡萄畑から望む景色はまるで絵画のように美しく牧歌的。ワイン好きならずとも一度は訪れてみたい街です。

神に祝福された土地「コート・ドール」

ブルゴーニュワインのなかでも特に格付けの高い「グラン・クリュ(Grand Cru=特級)」を生み出す「コート・ドール(Côte d’or)」。およそ50kmにわたり葡萄畑が続く通称グラン・クリュ街道の中心に位置するボーヌは、14世紀までブルゴーニュ公国の首都として栄えました。城壁に囲まれた1km四方にも満たない小さな街は石畳が敷かれ、街のあちこちに植えられた美しい植栽と贅を尽くしたロマネスク建築が印象的です。ビストロで伝統的なブルゴーニュの料理とワインを味わえば、フランス文化の源流に触れることができるでしょう。

小さなブティックホテルの前を埋めるようにビストロが続く。
街のビストロは、食事とワインとともに会話を楽しむ人たちで一日中賑わっている。
街に点在するカーヴには、珠玉のブルゴーニュワインが眠る。
「フランス歴史的記念物(Monuments Historiques/MH)」に指定されるボーヌの「ノートル・ダム大聖堂」。
イベントが多いこの街は、美しい花とゴシック建築、それにルネサンス時代に建てられた古い家々が印象的。
ワインの樽を作る職人の街でもあったボーヌ。ネゴシアン(ワイン商)のルーツとも言われる彼らの面影が残る。
旧市街を取り囲む城壁には40以上のカーヴがある。
決して大きくはないボーヌ市街は、小径をどこまでも散策したくなる。
メルヘンチックな「ボーヌ駅」。ここからディジョンなどへ行くことができる。

貧しき者たちの宮殿「オテル・デュー」

ワインのチャリティオークションにもその名を止める「オスピス・ド・ボーヌ」。「オスピス(病院)」の名がつくこの一大イベントのルーツは、ペストや貧困にあえぐ病人に安らぎの場を与えた施療院「オテル・デュー(神の宿)」にあります。この慈善施設は、ブルゴーニュ公国の大法官だったニコラ・ローラン夫妻が私財を投じて設立したものです。この運動に賛同した多くの地主たちが葡萄畑や農園、森林などを寄付しました。それらの葡萄から作られたワインこそ「オスピス・ド・ボーヌ」だったのです。現在の格付けでプルミエ・クリュ(一級)、あるいはグラン・クリュ(特級)に当るこのワインの売り上げによって、この施設は当時の中産階級よりもかえって豊かな環境で過ごすことができたと伝えられています。そして、美しい中庭とゴシック様式の素晴らしい建築や芸術、歴史を残して、世界でもっとも有名なワインのチャリティ・オークションへと成長させたのです。暮らしに根付いた奥深いワイン文化の一端を感じさせる物語ですね。

釉薬によって輝く瓦屋根が美しいパティオは「栄光の中庭」と呼ばれる。
この不思議なモザイク柄はブルゴーニュ地方の伝統建築であり、真の豊かさの象徴でもある。
患者が眠るこの美しい部屋は「貧しき者の間」と呼ばれるが、貧しさとは無縁の手厚い施しを受けていたのが分かる。
100年戦争で疲弊してしまった人々は、この美しい空間で心から安らぎを得ることができたことだろう。
館内は博物館として整備されており、当時の貴重な資料を見ることができる。
調剤室などもそのまま保存され、当時の様子をうかがい知ることができる。

ローカルをブランドにしたチーズ「EPOISSES(エポワス)」

豊かな地方文化に支えられて美食を誇るフランスですが、その質を保っているのが数々の認証制度。ワインはもちろん、現在ではチーズや有機農産物など、さまざまな食品にも適用されています。「A.O.C.(アー・オー・セー)」と呼ばれる原産地統制呼称もそのひとつで、ボーヌではウォッシュタイプの「エポワスチーズ」が有名です。旧市街からもほど近いブロションにある「Gaugry(ゴーグリー)」では、製造工程や歴史を見学できるだけでなく、さまざまなタイプのエポワスを試食できます。マール・ド・ブルゴーニュというブランデーで洗い、4~8週間熟成させた最も伝統的なエポワスだけでなく、シャブリで洗って熟成させた「プレジール・オ・シャブリ」など、この土地の風土からしか生み出されない特別な逸品を味わうことができます。

ゴーグリーのブティックでは、さまざまな種類のエポワスチーズを購入することができる。
熟成期間は最低でも3週間、長いものでは8週間も寝かされる。
工場見学では、チーズがどのように作られるか生産工程の解説などをしてもらえる。
原料の偽装防止や原産地保護を目的とした認証制度の仕組みなども解説されていて、原産地固有の食文化が守られているのがよく分かる。
工場見学の後は館内のスペースで試食をすることもできる。それぞれ味の濃さや香り、癖が違い、実に興味深い体験だ。

世界遺産のひとつ「ブルゴーニュのクリマ」

そして、この街に来たらブルゴーニュの特級畑とドメーヌを訪れたいものです。そもそも、ブルゴーニュ地方のワイン造りは、修道院たちが開拓し、聖職者によって発展していきました。主な品種は赤ワインがピノ・ノワール、白ワインはシャルドネが用いられ、クリマと呼ばれる区画によって細かく区分けされています。その数は1000以上に及び、隣接する畑でも微妙なテロワールの違いを見せるのです。この中にはかの有名なロマネ・コンティ、シャンベルタン、モンラッシェ、コルトンなどのクリマも含まれ、「ワインの首都」と呼ばれるのも頷けます。どこまでも広がる葡萄の丘に夕陽が広がると、美しく幻想的な風景が輝き出します。

人間と自然が一緒に作り出した景色。美しさと文化が融合した素晴らしい営みだ。
「グラン・クリュ」街道にはこの看板が立っている。ワイン好きには垂涎の光景だ。
ここから始まる畑はナポレオンが愛飲したことでも知られるシャンベルタン。
収穫期には、ぶどうの収穫を体験しに来るツーリストなどで村は大いに賑わう。
一日の収穫を終え、家族で一緒にテーブルを囲み、食事をする。そんな当たり前の暮らしのなんと幸せなことか。
ここがワインの王様「Domaine de la Romanee-Conti(ロマネ・コンティ)/DRC」のドメーヌ。さすがに風格がある。
そしてこちらがロマネ・コンティの畑。わずか1.8ヘクタールと極小ながら、堂々たる品格を感じさせる。
この畑はDRCのみが所有するモノポール(単独所有の畑)なので、ロマネ・コンティはロマネ・コンティ以外のぶどうからは作られない。
まるで葡萄畑の海のうえに街が浮いているような錯覚を覚えさせる光景。
貴重な収穫シーズン。ドメーヌの多くは家族経営が多く、一家総出で収穫にあたる。

日本の蔵元が挑戦するワイン造り

そんな名門のドメーヌがひしめくコート・ドールで、新たなワイン造りに取り組んでいるのが「DOMAINE KUHEIJI」。あの日本酒の「醸し人九平次」で有名な萬乗醸造のドメーヌです。醸造責任者の伊藤啓孝氏が単身で2013年に渡仏し、2015年にコート・ド・ニュイの畑を購入しました。
「日本酒の新しい可能性を求めての挑戦でした。できるだけ葡萄が記憶していることをそのまま保存してあげるような、シンプルなワイン造りを行っています。目指すのは葡萄の果実味とフレーバーがそのまま残っていながら、日本酒のような透明感を持ったワイン。今年から4人の体制になり、初めて瓶詰めもできるので初出荷が楽しみです」。ブルゴーニュの伝統に、日本人の手による新しいワインが誕生した瞬間です。

石造りのファサードと重厚な扉のコントラストが美しい「DOMAINE KUHEIJI」。
醸造責任者の伊藤氏。シンプルで素直なワイン造りを目指して新たな挑戦を続けている。
地下はカーヴになっていて、樽に詰めたワインが寝かされている。
カーヴでピノ・ノワールの試飲をさせていただいた。生命力に溢れた力強いタンニンと、純朴ともいえるフレーバーが印象的。
まだ余白の多いところが、いかにも生まれたてのドメーヌといった印象。この余白は同時に伸び代をも意味する。これからたくさんの樽で埋まっていくことだろう。
ちょうど畑から葡萄が届いた。枝つきの葡萄を房ごとタンクに入れ、発酵期間を長く取ることで発酵の状態をコントロールしている。
採れたての葡萄は瑞々しい。2018年は天候も良く、暑い日が続いたので、しっかりとした味わいのワインが期待できるそうだ。

老舗のワイナリーで食すマリアージュ

ドメーヌのなかにはレストランでワインとのペアリングを楽しめるところもあります。老舗ドメーヌのひとつ「DOMAINE TRAPET」では、素材を活かしたシンプルなブルゴーニュ料理とワインを一緒に楽しむことができます。また、オーナー婦人がアルザス地方の出身ということもあり、リースリングなどが味わえるのも一興です。シャンベルタンのグラン・クリュと濃厚なブフ・ブルギニョン(牛肉の赤ワイン煮込み)の組み合わせは、初めて本当のワインと料理のマリアージュに出会ったと思えるほど感動的でした。その土地で作られたものを、その土地でいただく地産地消を体験できるのは、旅の最も贅沢な体験のひとつといえるでしょう。

ワイナリーとレストランは少し離れており、どちらも控えめな佇まいがプライベートな雰囲気を感じさせる。
こちらがレストラン。邸宅をそのまま改装したような作りで、くつろいだ雰囲気が心地よい。
ブルゴーニュ発祥のクジェールというパン。なかにはコンテチーズが入っていて、ほんのりとした塩気が病みつきになる。
スターターはアルザスとブルゴーニュのTRAPET。両方を味わうことが自己紹介のようでおもしろい。
ハムとパセリのゼリー寄せ「ジャンボン・ペルシエ」。フレッシュなパセリの香りが食欲をそそる。
ひとつのドメーヌで作られたさまざまなワインを味わうことで、ヴィンテージやテロワールの違いを感じることができる。
ピノ・ノワールで煮込んだ牛肉と、最高のピノ・ノワールを合わせる。これ以上のマリアージュはなかなかなさそうだ。

地方都市を訪ねる面白さ

シトー修道院の修道士たちがこの地で葡萄を育て始めたのはおよそ1000年前のこと。以来、ブルゴーニュのシンボルであり続けたシャトーが「clos delaperriere de vougeot(クロ・ド・ブージョ)」。恐慌でワインが売れなくなったとき、「どうせなら友と分かち合おう」と設立された「シュバリエ・ド・タストヴァン(ブルゴーニュ利き酒騎士団)」の本部でもあります。この団体のスローガンは「ワインがあれば憂い無し」。この村とワイン、そして葡萄作りの関係を見事に表現しているといえます。フランスの生活に根ざしたワイン文化、ぜひ本場で体験してみてはいかがでしょうか。

この日は、クラッシックカーのイベントが催されていた。なんと美しいマッチングだろうか。

ヴージョ村の特級畑「クロ・ド・ブージョ」の畑に停まるジャガーEタイプ。

※1:自分のぶどう畑でワインを生産するワイン生産者。ボルドーでは一般にシャトーと呼ばれている

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株式会社ゾディアック Libera編集部
Tel. 03-6380-0530 info@zodiac1987.com
●読者プレゼントのお知らせ
読者プレゼントにエントリーいただいた方の中から抽選で3名様に、VEDRENNE(ヴェドレンヌ)の「スーパーカシス(カシスリキュール)」と「ブルゴーニュ産白ワイン」の“キールセット”をプレゼント。

〈詳細〉
・スーパーカシス:700mlアルコール20%×1本
VEDRENNE/SUPERCASSIS CRÈMES DE CASSIS ブラックカラントリキュール
・白ワイン:750mlアルコール12.5%×1本
VEDRENNE/Domaine Guy & Yvan Dufouleur「Bourgogne Aligoté 2016」

エントリー期間:2019年3月15日(金)〜2019年4月25日(木)

※未成年者の飲酒は法律で禁止されております。未成年の方のエントリーはご遠慮ください。
※応募資格:エントリー期間中に、セゾンカードを1,000円(税込)以上ご利用いただいた方。
※当選者の発表は、賞品の発送(2019年5月中)をもってかえさせていただきます。
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